資源がない、世界経済から遅れをとっている、少子高齢化が進む…こんな日本では、今後、インバウンド(訪日外国人旅行)をさらに意識して「観光立国」として生き残りをかけていくしかない気がしています。
どうもヨッシー店長です。
夏休みに入った直後、優の特別支援学級で「三者面談」がありました。(優、妻、先生)
三者面談では「1学期の学校生活の報告」「夏休みの宿題の取り組み方」などが説明されました。
その中で、先生から今後の優の進路に関して少し話があったそうです。
要約すると、
- 小学3,4年生時に、中学の進路を決めた方がいい
- 小学5,6年生時に、高校(もしくは就職)の進路を決めた方がいい
とのことでした。
「え!?その時期にそこまで決めるの?」と思いつつも、「そっかー、その時期にはある程度進路を考えておかないといけないのか…」と改めて現実を実感しました。
そんなこともあり、今回は「優の今後の進路」を考えてみようと思います。
それにプラス、「ダウン症児の進路」に関してもまとめてみようと思います。
何かの参考になれば幸いです。
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ダウン症児の進路はどうなっていくのか?
まず、一般的にダウン症児はどう育っていくのかを「ダウン症ハンドブック」という本を参考に紹介したいと思います。
乳幼児期
ダウン症と診断された後、多くの子は地域の「療育施設」に通うことが一般的なようです。
0歳から通えます。
優も1歳~3歳まで、地域の「療育施設」に通っていました。
療育施設に通うことによって、優の成長が促されたのを感じましたし、自分たち親もダウン症やその他の障害に関して勉強できたので、療育施設に通って良かったと実感しています。
幼児期
その後は、本人の成長に合わせて進路が変わってきます。
小学校就学前まで引き続き療育施設に通う子もいれば、保育園や幼稚園に通う場合もあります。
優の場合は、4歳から保育園に通いだしました。
療育施設以外にも、教育行政が関与している「特別支援学校幼稚部」などもあります。
特別支援学校幼稚部では、学校教育法に基づき、障害のある3歳児から小学校就学までの幼児を対象とし、障害に対応した専門的な指導が行われます。
小学校就学前
小学校に就学する前には多くの場合、「特別支援学校」に通うか、「特別支援学級」に通うかを決めることになります。
※小学校の進路に関しては、小学校入学の半年くらい前までには決めなくてはなりません。また、あらかじめ特別支援学校に通う予定の場合は、1年以上前から動く必要があると思います。
特別支援学校は、知的障害が比較的重い児童、聴覚や視覚障害がある児童などと共に指導を受けられます。特別支援学級よりもより専門的な指導が受けられる場合が多いです。
特別支援学級は、特別支援学校の教育内容等を参考にしながら少人数集団で指導が受けられます。通常学級との授業や行事の交流が日常的に行われる点は、特別支援学校と大きく異なる点です。
どちらが良いということはなく、その子の発達に合わせた環境に進むのが良いと思われます。
就学先の決定は、教育委員会が教育的ニーズを把握し、医師や心理士などの専門家の意見、そして本人や保護者の意見を聴いて決定します。
自分もそうでしたが、特別支援学校に進むか特別支援学級に進むかで、だいぶ悩みました。
最終的には「特別支援学級」に進むことを決めたのですが、結果的に優の場合は特別支援学級に進んで良かったと思っています。
小学生期
日本ダウン症協会の2007年の会員調査結果では、小学生期の進路は
- 通常学級 20%
- 特別支援学級 63%
- 特別支援学校 14%
だったようです。
通常学級の場合は、教科の学習など全ての活動において周囲と一緒に行います。
特別支援学級の場合は、複数の学年の子供たちが一緒に授業を受ける場合が多いようです。通常学級の児童らと交流行事や共同学習なども実践されます。
特別支援学校の場合は、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識・技術を授けることを目的にしていて、より専門的に特化した教育が展開されます。
中学生期
日本ダウン症協会の2007年の会員調査結果では、中学生期の進路は
- 通常学級 8%
- 特別支援学級 47%
- 特別支援学校 42%
だったようです。
多くのダウン症児は、特別支援学級か、特別支援学校中学部のいずれかに所属すると思われます。
青年期
日本ダウン症協会の2007年の会員調査結果では、青年期の進路は
- 高等学校 4%
- 各種学級 2%
- 特別支援学校高等部 89%
だったようです。
青年期は、多くのダウン症児は特別支援学校高等部に進学すると思われます。
特別支援学校の高等部では、教科ごとの指導のほか、卒業後の就職を見越して様々な作業に関しての取り組みが学習できます。
就職する場合は、健常者同様様々です。
多くはNPOなどが主体となって運営している作業所や、一般企業による障碍者雇用施設・工場などに勤務する場合が多いようです。
成人期
日本ダウン症協会の2007年の会員調査結果では、18歳以上の会員のうち17.7%にあたる44名が一般就労していました。
一般就労が難しいと考えられていたダウン症も、現在では1割以上の人々が一般就労できる時代になりました。
20年以上前に比べると、教育の充実、福祉の整備、社会全体の理解度の向上などが格段に上がった成果が出ているのだと思います。
個人的にはこの数値は、今後どんどん伸びていくと思います。
一般就労の職種としては、
- 飲食業 35.8%
- 小売業 20.8%
- サービス業 18.9%
- 製造業 13.2%
- 物流 9.4%
- 事務 0.2%
となっています。
ダウン症の人たちは、体力や知的な能力を要求されるよりは、人との関わりが中心となる仕事に就いている人が多いようです。
優の今後の進路は?
現在、小学2年生の優。
今後の進路は、以下のように考えています。
※ちなみに進路に関しては親の自分がそう考えているだけであって、必ずしも本人に進路を強制させるわけではありません。
小学生期
小学生期は、このまま現在の小学校の特別支援学級で学校生活を送ってもらう予定です。
学校の環境にはだいぶ慣れたので、今後は学力向上や社会性の獲得を行っていければと思っています。
中学生期
中学生期は、近所の中学校の特別支援学級に進めたらと思っています。(ちなみに妻が中学生時代に通っていた中学校でもあります)
これはあくまで希望なので、中学校進学前に変更される場合もあります。
特別支援学級に進めない場合は、特別支援学校中学部に進むことになるでしょう。
青年期
中学卒業後は、現時点だと特別支援学校高等部に通うことを想定しています。
前述した「ダウン症児青年期の進路例」でも89%は特別支援学校高等部に通っていますから、おそらく優もその進路になるかと思います。
これも現時点の想定なので、本人が中学卒業後「私は働きたい!」と言えば、それは本人の意思として尊重したいと思っています。
成人期
成人期を想定するのはかなり難しいですが、可能であればこの時期くらいまでに「自分のやりたいこと」をある程度決めてくれたらいいなと思っています。
その頃まで自店(カフェガパオ)が存続していれば、自分としては「一緒に働けたらいいなー^^」という思いもあるのですが、基本的には「自分で自分の人生を見つけてほしい」と思っています。
出来る出来ないかは別として、「自分のやりたいことを探す」「自分の夢を実現させる」ためのアクションは、その後の本人の人生に大きく影響することでしょう。もちろんプラスの意味で。。
ちなみに「店を継がせる・継がせない」は、あまり重要視していません。(自分の世代で廃業する可能性も十分にあります)
親の希望としては、「自活」できるように育ってくれたら嬉しいですね。
壮年期
ここでいう壮年期とは、優が高齢者(ダウン症の場合50歳くらいで高齢者といわれている)になる頃のことです。
壮年期だと、やはり気になるのは「親亡き後」ですね。
親が健在している時に、自活ができるようになっていれば多少安心ですが、そうでない場合(基本的には親に依存)は、やや心配といえます。
極論、「なるようにしか、ならない」のですが、できることは極力しておければと思っています。(環境的・経済的バックアップ)
ちなみに壮年期ではこういう想いもあります。
※以下、前にコメント返信で書いた内容を一部抜粋。
これは…もしもの話でしかありませんが、今から40年後、もし自分が生きていれば81歳、優が48歳となります。
ダウン症者の寿命は、現段階では40~60歳前後と、健常者に比べると短命であるといわれています。
もし40年後もこの平均寿命が変わっていないのであれば、計算上では親と子供が近い時期に亡くなる可能性もあります。
一般的に子供が親より先に死ぬのは親不孝といわれてはいますが、障害児の親の場合は、必ずしもこれが当てはまらないのかもしれないです。
理想としては、子供を見送った後、その後自分たちも亡くなれたら、未練無く逝けそうです。
さすがに40年先は読めませんが(^_^;)、現在の理想だと「上記の状況だったら良いかもしれないなー」と思っています。
でも、この頃にはAIやロボットが発達していて、親亡き後も問題なく生活できる社会になっていそうな気もしています。(これも理想ですけどね)
まとめ
ということで、今回は「ダウン症児の進路例と、優の今後の進路」を考えてみました。
一応、ダウン症児の進路例をまとめておきます。
- 乳幼児期は、療育施設に通う子が多い。
- 幼児期は、療育施設・保育園・幼稚園に通う子が多い。
- 小学校就学前には、特別支援学校に通うか特別支援学級に通うかを決める必要がある。
- 小学生期の進路は、特別支援学級に通う児童が63%とやや高い傾向がある。
- 中学生期は、特別支援学校と特別支援学級の割合が約半々。
- 青年期は、特別支援学校高等部に通う人が89%と高め。
- 成人期は、1割以上の人々が一般就労している。飲食業、小売業、サービス業などに就く人が多い。
今後、進路に関して何か情報があれば、またこのブログで紹介していきたいと思います。