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AI時代でも飲食業がなくならない4つの理由

AI時代でも飲食業がなくならない4つの理由



ヨッシー店長
一周回って個人飲食店が強くなる日が来ると信じている。
どうもヨッシー店長です。

 

この1.2年、「AIの進化」が止まらないですよね。

テキスト、画像に留まらず、動画も生成できるし、AIと滑らかな会話もできるようになりました。

恐らく2025年はYouTubeもAIで簡単に動画編集できて「作業の手間が大幅にカット」されることでしょう。

 

前々から言われていることですが、AIが発達すると「食えなくなる職業」が発生します。

例えば、データ入力スタッフ、経理事務スタッフ、カスタマーサポーター、レジスタッフ…など、いわゆる「単純作業を反復する仕事」は、今後AIに置き換わっていく可能性が高いと言われています。

 

また、これまで「クリエイティブな仕事はAIに奪われにくい」と言われていたものの、既に画像や動画の分野まで浸食してきているため、

「クリエイティブだからといって仕事を奪われないわけではない」

という状況になりました。

 

ヨッシー店長
実際に「絵師」と呼ばれるイラストレーターの仕事がどんどん減っているようです。

 

そしてAIの発達で「ある逆転現象」が起きています。

それは今まで効率良く稼いでいた「ホワイトカラー(例:オフィス勤務のサラリーマンなど)」はどんどんAIに仕事を奪われ、逆に「ブルーカラー(例:飲食店の料理人など)」はAIに仕事を奪われにくい職業になりつつあります。

 

2020年頃までは「ホワイトカラーの方が効率良く稼げる職業」というイメージがありましたが、今後もしかしたら2035年頃までには「ブルーカラーの方が稼げる職業」になっているかもしれませんね。

 

ということで今回は、

「AI時代においても飲食業が存続し続ける理由とその根拠」

について考察してみたいと思います。

 

 

【1】飲食の「体験価値」がAIでは代替されにくい

人々は単に食べ物を摂取するだけでなく、料理の見た目、味、香り、サービスの雰囲気など、飲食を総合的な体験として楽しみます。

この「体験価値」は、AIがデジタルやロボットによって一部補完できるとしても、完全に再現するのは難しいでしょう。

特に「サービスの雰囲気」は、無機質なロボットが演出するには難しい分野だと思います。(人間は人間にサービスされるから価値を感じる)

 

根拠

 

ヨッシー店長
飲食店に来店される方は「ただ単に食事」をしたい人もいますが、そうではない人も多くいます。
オーナーや大将との会話を楽しみに来られる方もいます。
実際に「自分(ヨッシー店長)と話したいから来店した」という人もいます。

「お・も・て・な・し」を体験したいから来店される方も多いでしょう。
極端に言えば「ホストクラブ」なんてその象徴ですよね。

AIが発展して生物に近いアンドロイドが普及したとしても、「生の人間」と触れ合いたいという欲求は、人間が生物である以上、消える欲求ではないと思います。

 

 

【2】AIは地域性・文化性を伝えるのは苦手

飲食業は地域ごとの食文化や人々の生活に密接に結びついているため、他の産業に比べて置き換えが難しいです。

特に地域の特産品や伝統的な料理を提供するお店は、その地域の魅力を支える存在として残るでしょう。

例えば、那須市のような観光地では、「那須牛を育てている酪農家さんの話を聞き、那須高原を眺めながら新鮮な那須牛を食したい」など、実際にその土地に行かないと体験できないことは、AIには難しい分野といえます。

もし仮にAIロボットが「その土地ならではの食体験」を紹介していたとしても、それはどこかアミューズメント施設のペッパー君が「用意されたセリフを無感情に読んでいるだけ」に感じられ、イマイチ文化性が伝わってこない気がします。

 

根拠

 

ヨッシー店長
うちの地元には『白樺派のカレー』というカレーがあり、志賀直哉や武者小路実篤といった白樺派の文人が食べていたと言われています。

レシピ自体は特に決まっておらず、決まっているのは

  • 噌を使うこと。
  • 大正時代からの定番カレー粉を使うこと。
  • 国産食材を使うこと。
  • 米と野菜は原則地元産を使うこと。

ということ。

レシピがないこともあり、「基準」がないメニューをAIが作るのは、かなり難しいかもしれないですね。

仮にAIがレシピを作ったとしても、それが「美味しいかどうか」はAIには判断できないですし…。

化学変化を考慮した料理の味をAIがゼロから生成できるのは、まだまだ先の時代になる気がします。

 

 

【3】コミュニティ形成の場としての飲食店

飲食店は単なる食事を提供する場を超え、人と人をつなぐコミュニティの場として機能します。

このような場がAIによる無人化で完全に代替されることは考えにくいです。

 

根拠

 

ヨッシー店長
うちの店でも「食事よりも会話がメイン」のお客様がいます。(特に平日の主婦の方)
飲食店は食事をするだけでなく、人と会ったり会話する場所でもあります。
現代人の感覚では「飲食などのサービスはお店のスタッフにやってもらいたい」と思う人がほとんどでしょう。(外食している雰囲気を味わいたい、知人との会話に集中したい、など)

また、AIやロボットが作った食事ではなく、「人が心をこめて作った料理を食べたい」という需要は消えないはずです。
「活気のない無人居酒屋」などは、現代人にはまだまだ受け入れがたいと思いますね。

※次世代の「無人業態が当たり前」で育った人には、それらも受け入れられる可能性はありますが。。(^-^;)

 

 

【4】食事は「本能的欲求」に根ざしている

食事は、人間が生きていくうえで欠かせない「生理的欲求」の一つです。

これはマズローの欲求階層説においても最も基礎的なレベルに位置する欲求であり、他のどの欲求にも先立って満たされる必要があります。

この本能的な必要性があるため、AIがどれほど発展しようとも、食事を求める行為自体がなくなることはありません。(人間が完全に機械の体に置き換わらない限り)

 

さらに、食事に対する本能的欲求は単なる「空腹を満たす」という機能的な役割だけでなく、以下のような側面も含んでいます。

 

「快楽」と「満足感」の追求

食事は人間に「味覚」という感覚で喜びを提供します。

美味しい食事を楽しむことで、脳内にドーパミンやセロトニンといった快楽をもたらすホルモンが分泌されます。

このような感覚的な満足感は、人間が積極的に食事を楽しもうとする動機付けになります。

AIを活用した料理ロボットや食品加工技術が発展しても、食材選びや調理の工夫、味覚の微妙なニュアンスを活かした「手作りの感覚」は特別な価値を持ち続けるでしょう。

 

「安全」と「健康」への欲求

人間は、本能的に安全で栄養価の高い食べ物を選ぶ傾向があります。

特に自然で新鮮な食材や手作りの料理は、健康的で安全だと感じやすいです。

AIが食品加工や調理プロセスを効率化できても、消費者の多くは「人が作った安心感」や「地元の素材を使った信頼感」に価値を見出します。

 

ヨッシー店長
よくAIが発達しても「美容師」や「外科医」が無くならないと言われているのも「人が行った方が安心」という認識があるからですね。

たしかに美容室で間違って耳を切り落とされたらたまったもんじゃないですよね(^-^;)

 

「変化と刺激」を求める心理

本能的欲求の中には「新しいものを試したい」「特別な体験をしたい」という探求心も含まれます。

料理や食材の多様性を楽しむことは、人間の探求心や好奇心を満たす行為でもあります。

そのため、飲食業では季節のメニューや新しい食材を取り入れるなど、変化を提供することでこの欲求を満たします。

 

前述しましたが、「AIには味がわからない」という特性があります。(いずれはできるようになるでしょうが、恐らくまだ50年以上はかかる気がする…)

またAIは「過去のデータから新規を生成」することしかできないため、人間でいうところの「ひらめき」で、新しい料理を考えることは難しいと思われます。

ヨッシー店長
まあ「ひらめき」や「アイディア」は、「何かと何かの掛け合わせ」であることが多いので、AIでも新しい料理を考えることは可能だと思いますが、「味わって美味しいかどうか」がわからない以上、「美味しい新しい料理」を作り出すのは難しいかもしれません。

極論で言うとアミノ酸やグルタミン酸が入っていれば「美味しいもの」は作れると思いますが、「人間が考えたひらめき料理」とはまたどこか違う気がするんですよね。。

 

 

まとめ

ということで今回は「AI時代においても飲食業が存続し続ける理由とその根拠」について考察してみました。

 

簡単にまとめると、

  • 飲食の「体験価値」がAIでは代替されにくい →人間は人間に相手をされたい生き物
  • AIは地域性・文化性を伝えるのは苦手 →人間は表面上の情報だけでなく、その土地、その文化のバックグラウンドストーリーを生で感じたい
  • コミュニティ形成の場としての飲食店 →飲食店は人と人をつなぐコミュニティの場としても存在している
  • 食事は「本能的欲求」に根ざしている →食事は単なる「空腹を満たす」という機能的な役割だけではない

 

これらの理由から「AI時代においても飲食業が存続し続ける」といえると思います。

 

飲食業は「人間らしい体験」や「地域性」を重視する業種であり、AIが進化しても完全に置き換わることは難しいでしょう。

また、料理人の微妙な「さじ加減」の味付けは、AIロボットがマネできるのは、まだまだ先になるといえますね。

「まだまだ先になる」からこそ、冒頭で書いたように「ブルーカラー(飲食業)の価値が高まる時代」が来るかもしれません。

 

2025年現在、飲食業は「オワコンビジネス」と揶揄されることも多いです。

たしかに現在の飲食業界は

と、10年前に比べると経営難易度が圧倒的に高くなっています。(倒産件数も激増している)

 

でもこの逆風の時代を乗り越え、「AIの発達」「ブルーカラーが価値を持つ時代」まで耐えることができれば、飲食業もまた明るい時代が来ると自分は信じています。

 

そして逆風の時代を乗り越えるには、個人的には「自宅飲食店」で経営していく方が、生存確率(廃業しない確率)は高いと考えています。

恐竜が絶滅していく中、小さい体の哺乳類が生き残ったように、小さい売上でも堅実に経営している自宅飲食店が、将来的には生き残っていくように感じています。

 

今回の記事が少しでも飲食店経営のお役に立てば幸いです。

 

 

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