宝くじが当たったら、隣の空き地を買って「店舗専用駐車場」を作りたい!
どうも、タラレバ親父ヨッシー店長です。
駐車場、全然足りてないんです…(^-^;)
うちの店の駐車場は、店横に3台(うち一つは軽自動車専用)、臨時駐車場3台(少し離れた場所に約3台分、ただし土日のみ使用可能)の計6台分。
店内とテラス席の合計テーブル数は、最大10テーブル。
もしお客さんが全員同時に来店し、全員車で来た場合、この時点で既に4台分足りません。
さらに同じテーブルのお客さんでも別々に来店された場合は、もっと足りなくなります…。
今更ながら「駐車場の重要性」を実感しています。
ということで今回は個人飲食店の開業講座の第12回目として、「郊外飲食店の駐車場の重要性・必要目安」を紹介してみたいと思います。
今回の記事が郊外(特に住宅街)で個人飲食店開業を考えている人に少しでもお役に立てば幸いです。
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郊外の飲食店で駐車場確保はなぜ重要なのか? 機会損失防止とクレーム対策のためにも必要!
まず初めに、郊外の飲食店で駐車場確保はなぜ重要なのかを紹介していきたいと思います。
※ここでいう「郊外の飲食店」とは、駅前などの商業地ではなく、幹線道路沿いの店舗や、住宅街などにある店舗と定義させてもらいます。
駐車場が重要な理由1「機会損失防止」
郊外の飲食店で駐車場の駐車台数が少ない場合、「機会損失」が起こる可能性があります。
これはどういうことか?
例えば、『10席カウンターのみのラーメン屋の駐車場が3台』だったとします。
この時点で既に少ないといえますが、ピーク時はまったく足りない状況になります。
ピーク時は「常に満車」の状況となります。
こうなると、顧客心理は以下の状況になっていきます。
- 来店初日『うわ、満車だ…。うーん、折角ここまで来たけど、仕方ない他の店に行くか…』→1回目の来店機会損失
- 次回来店日『え!?また満車? この前も満車だったな…。この店、車で来るのは難しそうだな…』→2回目の来店機会損失
- それ以降『あの店、今日も満車で停められないだろうな…。まあまた今度で…』→来店していないのに機会損失
- そして、そのお客さんの”行きたい店リスト”からいつの間にか削除される。→完全な機会損失
という流れになり、「折角その店に興味を持ってもらっているのに来店を逃す」という大きな機会損失が起きます。
これは一時的な機会損失だけでなく、「将来常連客になったかもしれないお客さんを失った可能性」もあります。
なので、なるべく『今日も満車で停められないだろうな…』という心理状況は作りたくないものです。
上記のようなカウンター席しかないような店は、イコールお一人様が多いので、3台はさすがに少なすぎるといえるでしょう。
また、こういう状況下では知り合いや友達など(新規顧客)を連れて行くことは、ほぼないでしょう…。 ←ここでもまた未来の常連客を失うことに繋がります。
駐車場が重要な理由2「クレーム対策」
前述のラーメン屋の場合、駐車場が3台しかないので“路上駐車する人”も必ず出てきます。
特にラーメン屋の場合、『さっさと食べて出れば大丈夫だろう…』という心理もあり、路上駐車しやすい業種といえるかもしれません。
路上駐車して罰金を払うことになったら、それは運転手の責任ですが、問題はそこではありません。
路上駐車をすることによって、近隣住民が迷惑することです。
道路の視界が悪くなったり、車が通りづらくなると、近隣住民のストレスは増します。
やがてそのストレスは“クレーム”という形で表れることになります。
もしこのクレーム対応を疎かにすると、近所で悪い噂を流されたり、クチコミサイトで悪評を書かれる可能性もあります。
特に後者のようにクチコミサイトで悪評が立つと、2018年現在では集客にかなりの影響が出るといっても過言ではありません。(特に若い世代がメインターゲットの店舗の場合)
現状では「極力悪評が書かれないように心がける」くらいしか対応策がありません…。
この点だけで考えると「飲食店は弱者」といえます。
※基本的にクレームに対しては即時対応が必須です。
クレームを事前に防ぐためには、
- 近隣住民にしっかり挨拶回りをしておく。
- 赤い三角ポールなどを、路上駐車しそうな場所にあらかじめ設置する。
- 借りられそうな別の駐車場を用意しておく。または近くにコインパーキングがあればそこの代金をバックするようなルールにしておく。
- ホームページ等で駐車場をしっかり明記しておく。
- 「満車時の対応策」を店舗側で決めておく。
などの対策が必要です。
カフェガパオが行っているクレーム対策
実際にうちで行っている「クレーム対策」を紹介します。
近隣住民にしっかり挨拶回り
これは駐車場に関係なく、店舗を開業する前には必須です。
挨拶回りをしても不在の場合も多いので、その際は一筆書いておき、粗品などと一緒にポストに投函すると良いでしょう。
カフェガパオは店舗併用住宅なので、開業後は長期に渡ってご近所さんと共存することになります。
なので最初の挨拶回りはとても大事にしました。
また、最初だけでなく、たまに挨拶に行くのも良いと思います。
もし余り物があれば、おすそ分けするのもいいですね♪
クレームが入る要因の一つに「コミュニケーション不足」があります。
できることなら日頃からご近所さんとコミュニケーションを取っておくと良いと思います。(もちろんそれで通じない場合もありますが…)
駐車禁止の三角ポールを設置
自店の横は、生産緑地になっています。
当初はそこに溢れた車を停めてもらうようにしていました。
しかしながら、『車が邪魔で道路が通りづらい、何とかしろ!』とご近所からクレームが入るようになったこともあり、この場所には『駐車禁止』と書かれた赤い三角ポールを設置することにしました。
この三角ポールを設置してからは路上駐車する人もいなくなり、クレームも無くなりました。
ホームページ、サインで駐車場の場所を明確化
カフェガパオのホームページでは、開業当初より駐車場の情報を載せていましたが、途中で写真による説明に変更しました。(駐車場ページ)
この情報によって、『どこに駐車すればいいのかわからない』というクレームを減らしています。
駐車場が重要になってくる郊外の飲食店には、やはりホームページの存在は必須といえるでしょう。
各種サインもドライバーが見てすぐにわかるようなデザインにしています。
特に初めて来店されるお客さんには、これらのサイン情報は大事といえます。
『あれ?駐車場どこかな?…わかんないから他行こう』は、かなり大きな機会損失です。
満車の場合の対応策は「準備できたら電話連絡」
雨の日はテラス席が使えないので、車の数はいつもより減るのですが、天気が良く犬連れのお客さんが増える日は満車になることもあります。
そんな時、お客さんが来店して『あのー、駐車場が満車なんですけど、どうすればいいですか?』と言われることがあります。
このような時は、「あと〇分くらいでお車のお客様がお帰りになると思いますので、駐車場が空き次第、お電話を差し上げますので、それまでどこかでお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」と伝えています。
この方法であれば、満車でもなんとかお客様対応ができます。
『わかりました待ってます』というお客さんは、どうしても来店したくて来た場合が多いので、大事にしたいお客さんといえます。(常連客になる可能性も高い)
もしこのお客さんが車で戻ってくる間に、新規のお客さんが空いた駐車スペースに停めてしまう可能性もあります。
その時は、テラス席を潰して対応するようにしています。
上記はカフェガパオの事前クレーム対応ですが、店舗の業態、場所、席数などによって変わってくると思うので、あくまで参考程度に思っておいて下さい。
郊外の飲食店の駐車台数の目安は? 理想は総席数の半分、最低でも総テーブル数以上
さて気になる「駐車台数の目安」ですが、これは店舗の立地、業種・業態によってかなり違ってきます。
以下はあくまで参考程度に思って頂ければ幸いです。
幹線道路沿いに店舗がある場合
郊外で幹線道路沿いに店舗がある場合、「お客さんのほとんどは車で来店する」と思っておいた方がいいでしょう。(住宅地・職場などが隣接している場合は別)
この場合の駐車台数の目安は、「理想は総席数の半分、最低でも総テーブル数以上」だと思われます。
もし60席の店舗の場合は、30台以上停められると良いですね。
幹線道路沿いの店舗というと”外食チェーン”の店舗が多いですが、どこもかなりの駐車スペースを確保しています。
ファミレスなどは”家族で来店”することを想定しているので、総テーブル数+αで調整しているところも多そうです。
個人飲食店が幹線道路沿いに出店するケースは少ないと思いますが、出店する場合はそれなりの駐車台数を確保しておきましょう。
生活道路沿いに店舗がある場合
地域の生活道路沿いに店舗がある場合、郊外ではやはり「お客さんの多くは車で来店する」と思っておいた方がいいでしょう。(住宅地・職場などが隣接している場合は別)
この場合の駐車台数の目安は、「理想は総席数の3分の1、最低でも総テーブル数以上」だと思われます。
もし30席の店舗の場合は、10台以上停められると良いですね。
カフェガパオの場合もテラス席を含めれば30席程なので、10台停められる状況だったらかなり助かります。
生活道路沿いだと住宅街も近いと思うので、幹線道路沿いに比べれば駐車台数の割合は減りそうなものですが、実際は近くに住んでいても郊外の人は車で来店する場合が多いです。(自転車感覚)
郊外に住む人にとって車は「家からの移動手段」なので、可能であれば車を使う人が多いでしょう。雨の日なら尚更です。
住宅街に店舗がある場合
住宅街に店舗がある場合、近所から徒歩や自転車で来る人も増えますが、やはり郊外では車の来店は多いです。
この場合の駐車台数の目安は、「理想は総席数の4分の1、最低でも総テーブル数以上」だと思われます。
もし20席の店舗の場合は、5台以上停められると良いですね。
ただ、例えば住宅の1階部分を改装して店舗にする場合、庭を潰したとしても5台以上のスペースを作るのは余程大きな家でない限り難しいでしょう。(地域にもよる)
この場合は周辺で土地を貸し出してくれる場所がないかを、事前にリサーチしておいた方がいいと思います。
ちなみに「軒先パーキング」などのスペース貸し出しサービスで貸出場所を調べることもできますよ。
駅前に店舗がある場合
今回の「郊外の飲食店」の定義からは外れますが、駅前に店舗がある場合は、駐車場はそれ程気にしなくていいと思います。
おそらく駅前であればコインパーキングがあるでしょうし、そもそもメインターゲットは車で来店する人ではないでしょう。
むしろ駅前などは月極の駐車場料金も高いでしょうから、無理に駐車場を確保しなくていいと思います。
駐車台数5台分のところに従業員が2台停めていたら、これはかなりまずいといえるでしょう。
そうならないためにも、郊外の飲食店では駐車台数を想定よりも多く設定しておいた方が良いと思います。
「郊外の飲食店の駐車場の重要性・必要目安」のまとめ
ということで、今回は「郊外の飲食店の駐車場の重要性、駐車台数の必要目安」に関して紹介してみました。
ここまでを簡単にまとめると…
- 駐車場が重要な理由の一つは「機会損失防止」のため。駐車場がいつも満車だと興味を持った人を遠ざける原因の一つになる。もしかしたら将来常連客になる人を逃しているかもしれない。
- 駐車場が重要な理由のもう一つは「クレーム対策」のため。もしクレームの矛先がクチコミサイトでの悪評書き込みにつながると、集客に悪影響が出る可能性がある。
- クレームを事前に防ぐためには、「近隣住民にしっかり挨拶回り」「三角ポールを路上駐車しそうな場所にあらかじめ設置」「借りられそうな別の駐車場を用意しておく」「コインパーキングの一部を借りる」「ホームページで駐車場情報を明記」「満車時の対応策をあらかじめ決めておく」などの対策が必要だと思われる。
- 幹線道路沿いに店舗がある場合の駐車台数の目安は、理想は総席数の半分、最低でも総テーブル数以上。
- 生活道路沿いに店舗がある場合の駐車台数の目安は、理想は総席数の3分の1、最低でも総テーブル数以上。
- 住宅街に店舗がある場合の駐車台数の目安は、理想は総席数の4分の1、最低でも総テーブル数以上。
- 駅前に店舗がある場合は、車での来店者が少ないと思われるので、駐車場はそれ程気にしなくてもよいと思われる。
-
となりました。
郊外の飲食店の場合、駐車場が多いに越したことはありません。(多すぎても管理や維持費が大変ですが(^-^;))
店舗の駐車場は「後から増やす」ということが難しいので、自分の店がどういう業態・業種になるのかをしっかり把握し、想定するお客さんの層や滞在時間などを開業前に出しておきましょう。
また、もし店舗以外の駐車場を借りる場合は、その費用対効果もしっかり分析しておきましょう。
借りた場合は、店舗家賃と同じく“固定費”となります。
折角借りてもその分の利益が見込めない場合は「あえて借りない」という選択肢もありえます。
ということで、郊外で飲食店を開業する場合は、駐車場のことも十分に頭に入れておきましょう!
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。