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2017年飲食業の倒産理由1位の「販売不振」の原因とは何なのか? 現役カフェオーナーが具体的な内容を分析&改善方法を考えてみた

飲食業の販売不振の原因とは?

今後、個人飲食店はどうやったら生き残っていけるだろうか…?

突き詰めて考えていくと…

ズバリ、「海外からも注目されるような店舗になる」だと思う。

どうもヨッシー店長です。

 

自分が去年パタヤに行ったのもそれが理由でしたので…(^-^;)

国内で有名店になることも大事ですが、今後の日本では「海外の事も意識しながら経営していかないといけないのかな」と個人的には感じています。。

 

先日「東京商工リサーチ」の調べで、2017年1年間の飲食業の倒産は766件(前年639件)になったという報告がありました。

2017年「飲食業」の倒産状況

この報告によると、倒産件数は2016年より約2割増になり、3年ぶりに750件を上回ったそうです。

そのうちの9割は、個人飲食店などの”小さなお店”が占めています。

倒産理由は「販売不振」が圧倒的で、全体の8割を占めます。

つまり、「お客さんの来ない個人飲食店が潰れるケースが圧倒的に多い」といえます。

 

これはうちの店(カフェガパオ)も他人ごとではありませんね…。

うちの店は、ありがたいことに毎年来店客数は増加傾向にあるのですが、それでもここ最近気付いた事があります。

それは「使用金額を控えるお客さんが増えてきたなぁ」ということ。

 

例えば、以前はメインメニュー(ガパオライスなど)とドリンクや生春巻きのセットを注文する人が多かったのですが、最近はメインメニュー単品のみを注文されるお客さんが増えてきたように思います。

もちろん初めて来店される方は、どんなものなのか様子見ということで単品のみで注文することもありますが、なんとなく『できれば支払金額は最低限に抑えておきたい』と思われるお客さんは増えているように感じます。

実際自分の周りにも『外食は必要最低限に抑えているよ』という人は多いです。

うちもそこそこ食べる娘がいるので、そう気軽には外食はできないですね…。(まあ外食するタイミング自体があまりないのですが…(^-^;))

 

もちろん「来店されるだけありがたい!」と思い感謝しています。

しかしながらそうやって売り上げが伸び悩んで販売不振になると、「廃業を選択する飲食店オーナーは多いのかもしれないのかもなー」と思います…。

 

ではこの「販売不振」はどういう理由で起きてしまうのでしょうか?

質が低下した?
サービスが悪くなった?
近所に競合店が出店した?
ブームが去った?

理由は色々考えられますね…。

今回は個人飲食店の継続講座の第2回目として、

「個人飲食店の販売不振の具体的な原因とその改善策」

を考えてみたいと思います。

今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。

 

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販売不振の原因

まずは個人飲食店の「販売不振の具体的な原因」から考えてみました。

 

仕入価格の値上げと高騰

2017年も各食材が軒並み値上げされました。(バター、油、小麦、ビールなど)

また、2017年は夏の長雨による影響で、葉物野菜などの価格が高騰しました。

それ以外にも、電気ガス料金の値上げ、ティッシュ・トイレットペーパーなどの備品の値上げ、国民年金保険料やガソリン代も上がっています。

鳥貴族が28年ぶりに値上げ(税抜き280円→298円)になったのもニュースになりました。

 

個人飲食店でも値上げに踏み切った店舗もあることでしょう。

ただ、値上げに踏み切るにはよっぽどの理由がない限りは難しいのが現状です。

 

焼き鳥やパンなどは基本的に単品買いなので、多少値上げしてもそれほどインパクトはないですが、例えばランチ980円で営業していた個人飲食店が、1080円などになるのはかなり難しいです。

1000円でお釣りがあったのに、それ以降は1000円にプラス料金が発生するというのは、結構インパクトは大きいです。(心理的に「損をした」というイメージが大きくなる)

もちろんそこにしっかりとした理由があればいいのですが、単に「食材費が値上がりしたので…」だけだと、お客さんの中には『うちも給料上がってないし、なんとか頑張ってほしいなぁ』と思う人もいます。

 

各個人飲食店のオーナーさんたちもそれは十分わかっていて、出来る限り努力して切り詰めているのが現状です。

かく言う自分もせめぎ合いの中頑張っています(^-^;)

おそらくその均衡が崩れたオーナーさんの中には、「もうこれ以上やっても仕方ないな…」と思った人も多いのではないでしょうか。(実際自分の師匠もそんな感じでした)

正直キツイですよね、「仕入価格は値上げしているのに、販売価格はなかなか変えられない…」そんなデススパイラルが現在の個人飲食店では起きているように思います。

これらのことがあって、結果的にコストアップにつながっています。

 

ちなみに、前述したような「心理的に損をした」と思ってしまう原因の一つに「デフレ経済に慣れすぎて、飲食店で支払う価格はこれ位が妥当だ」というイメージが日本国民全体に根付いてしまっていることがある、と個人的には考えています。

世界的にみると、これって結構異常事態なことだと言われています。

ニューヨークやシドニーなどでは、ランチに2000円(日本円でいう)を払うのは結構普通のことだそうです。

先進国では価格は上がっているのに、なぜか日本ではなかなかそれに踏み切れていない…。

その理由は、やはり「デフレ経済に慣れすぎてしまっているから」なのかもしれませんね。

以前、ファストフードチェーン店やファミレスが一斉に値上げをしましたが、それが原因で客足が鈍ったこともありましたし…(-_-;)

とにかく現在の日本の飲食業のビジネスモデルは、かなり厳しい状況といえます。

 

人手不足及び人件費の増加

「働き方改革」が叫ばれた2017年でしたが、それまでマネージメントを有耶無耶にしてきた飲食業界にも、その影響は大きく出ました。

大手外食産業、個人飲食店など関係なしに、現在はどこの店舗も人手不足です。

時給をアップして人手を確保できる大手はまだしも、アルバイトがいないと成り立たない中堅規模の飲食店は相当苦しいようです。

個人飲食店は元々スタッフ数はそこまで多くないので、この点はクリアできているようにも見えますが、実際は『スタッフ募集しても応募がない』という店舗も多くなってきているようです。(知人談)

飲食業は「労働集約型」の業態なので、人がいないと何もできません。

飲食業にとって”人手不足”は、かなりまずい状況といえるでしょう。

 

今まで飲食業界は、主に若い世代で成り立っていました。

しかしながら現在の若い世代は

『仕事量の割に給料が少ない飲食業なんてやりたくない』
『他人に接客するのってストレスたまるから無理』
『飲食業ってブラックでしょ?』

と思う人も多くなってきています。

 

支払う給料も地域の最低時給では、まず応募はありません。

「飲食業=大変な仕事」というイメージが付いてしまっているので、中途半端な給料では応募がないですし、長く定着することもないでしょう。

相対的に「人件費はかなり増加している」といえそうです。

 

これらの理由で、仕入れ価格に続き人件費のコストもアップしています。

 

景気回復は一部だけ、むしろ貧富の差は拡大している

株価の上昇、地価の上昇などに伴い一部では景気回復ともいわれていますが、個人消費全体で見れば景気回復はしていません。

実際に目標物価上昇率2%も、なかなか達成できていないのが現状です。

前述したように、食材や消耗品などは値上がりしているのに、給料は据え置き…。

国民全体で見れば、日本国内の生活はどんどん厳しくなっています。

 

これを飲食業界に当てはめてみると、一部で景気は回復してもその対象者が飲食店で食べる量(使う金額)は限られるので、全体の個人消費が伸びなければ飲食業には還元されません。

しかも外食って、別になくても生活には困りませんから、真っ先に削減対象になります。

自分が序盤に書いた『できれば支払金額は最低限に抑えておきたい』という人が増えているというのも、あながち間違ってはいないことでしょう。

 

このまま貧富の差が広がっていけば、「質が悪い低価格のチェーン店」か「富裕層向けの高級店」しか生き残っていけない時代が来るかもしれませんね…。

その場合、うちの店は中途半端なので死亡?(^▽^;)

 

ブームに乗って出店した店舗は廃業率が高い

飲食業界は、定期的に”ブーム”が起きます。

記憶に新しいところだと、『パクチー』『チーズタッカルビ』などがそうですね。

 

ブームに乗って出店した店舗は、ブームが去った後はかなりの確率で廃業します。

ブームでお客さんが来店している場合、ブームとは違う面で店舗を気に入ってもらえないと、ブームが去った後は来店数が激減することは必至です。

ブームでお客さんが来店しているのにも関わらず、その売上が基本ベースになってしまい、さらに投資(店舗拡張、スタッフ増員など)をしてしまうと最悪です。

飲食業界のブームは年々短くなっているので、初期投資を回収できずに廃業する店舗も多いです。

 

最近は「短期回収型」で出店して、ブームごとに業種を変える店舗もありますが、飲食業は初期投資(店舗取得費用など)がそれなりに大きいので、ブームで出店するのは”ハイリスク”だといえます。

 

“パイの奪い合い”がより顕著に

飲食業界の市場規模は年々減少しています。

ですが、開業&廃業率は2000年からほぼ横ばいで、毎年開業するのと同じくらいの数のお店が廃業しています。


※中小企業庁の「開廃業率の推移と現状」から抜粋

 

これは何を意味するか。

店舗の数が変わらずに、市場規模が減少しているということは、「競争が過熱している」ことを意味します。

つまり、「パイの奪い合い(顧客の奪い合い)」が起きているということです。

 

前述したように、現在はお客さんの財布のひもは固いです。

ただでさえ客単価が減っているのに、他店と顧客獲得競争をしなければいけない状況です。

まさにレッドオーシャン!(※レッドオーシャンとは、競争の激しい市場ということ)

このレッドオーシャンで流される血は、今後ますます増えていく事でしょう。

ちなみに、定年後に飲食店を開業する高齢者の数は増加しています。

 

2017年は天候にも原因あり

2017年に限るかもしれませんが、夏の長雨が多少なりとも販売不振に影響を与えていると思います。

雨になってしまうと、やはり外出は控えがちになるのが人間の心理。

その状況が長引けば、外食産業にも大きな影響が出ます。

 

カフェガパオを例に出すと、雨の日の売上は悪いです。

単純にテラス席分の売り上げが減るという事もありますが、外出自体を控えることによって来店客数も相対的に減ります。

 

また、前述しましたが、野菜の価格高騰なども起こるので、雨が全然降らないのも問題ですが、降りすぎも飲食業界には大打撃を与えます。

多分、ビアガーデンやキャンプ場、海の家などは相当厳しかったことでしょう。

 

 

ということで、上記のような具体的な理由が、販売不振を招いたように考えています。

 

では、販売不振に陥らないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

以降は「販売不振への改善策」を考えてみました。

 

販売不振への改善策

まずは、基本的な項目が販売不振に繋がっていないかをチェックしてみましょう。

 

家賃の10倍以上の売上があるか?

通常、飲食業の売上として、「賃料の10倍の金額の売上が出ているかどうか?」が経営の良し悪しを判断する目安になるといわれています。

店舗の家賃が月10万円の場合、売上が100万円あることが望ましいです。

月25日稼働の場合は、1日4万円の売り上げが理想です。

 

ここに到達できていない店舗は、以下もチェックしてみて下さい。

 

料理やサービスのレベルは下がっていないか?

提供する料理の質・量、接客サービス、店舗の清潔感、店舗内の雰囲気など、顧客満足度が落ちていないかを再度チェックすることが必要です。(QSCレベルのチェック)

※QSCレベルとは、【Quality(商品品質)】、【Service(サービス)】、【Clean-liness(清潔さ)】の3つの頭文字をとった総省であり、「店舗運営水準」または「お客様満足度」と呼びます。

 

従業員は毎日同じ環境にいるので、気付けないことが多くなります。

お客さんへアンケートを取ったり、ネットの口コミなどをよくチェックしましょう。

悪い批判があれば、それは”チャンス”だと思って是非改善して下さい。

 

外部環境や顧客に変化はないか?

近所に競合店ができた、ブームが去った、人の流れが変わったなど、外部環境の変化がないかをチェック。

また、お客さんが店に飽きていないか、再来店のためのアクションは起こしているかなどをチェック。

外部環境が変わっても、お客さんを飽きさせずに『再来店したい!』と思わせるような仕組みづくりができているかが、とても大事なポイントです。

新メニューの開発、キャンペーン(価格ではなく)、お客さん参加企画などを実施していきましょう。

 

常に”知ってもらう努力”ができているか?

リピーターを獲得することは大事ですが、新規顧客を開拓することも大事です。

ですので、常に自分の店を“知ってもらう努力”は欠かせません。

店頭での告知、パンフレットスタンドの設置、チラシのポスティングなど、地道に広告活動を展開しましょう。

また、行政サービスなども上手く利用して、集客につなげるようにするといいでしょう。

店の存在を知ってもらわなければ、それはイコール「存在しない店と同じ」になります。

まずは”知ってもらう”ところから。

 

売上の10%以上の利益が出ているか?

飲食業の場合、「売上の10%以上の営業利益が出ているかどうか」が、経営が上手くいっているかどうかの1つの目安になります。

もし出ていない場合は、「FLコスト(原価と人件費)の見直し」が必要です。

 

FLコストの目安は売上の60%以内が理想です。(100万円の売上なら60万円以内)

原価は、決められた分量で調理できているか?発注量は適正か?廃棄ロスは多くないか?などをチェック。

人件費は、必要以上にアルバイトをシフトにいれていないか?混雑時期を把握しているか?などをチェック。

 

費用対効果の悪い広告の広告費もチェックし、不要なものはすぐに止めましょう。

そして出来る限り「自分でできること」「無料でも効果のあるもの(SNS,ブログ等)」を探して実施しましょう。

 

 

カフェガパオ流の販売不振への対応策

ここからはカフェガパオが実際に行っている「販売不振への対応策」を紹介したいと思います。

 

立地環境に頼らないで、常に『山奥でも行きたい店』を目指す

とある山奥にあるラーメン屋には、休日ともなれば長蛇の列ができるという…。

立地が悪くても「そこでしか体験できないもの」を持っている飲食店は、”とても強い店”といえます。

 

そんな「そこでしか体験できないもの」を持てるように日々精進するようにしています。

カフェガパオで具体的にいうと、『ダウン症の優に会える』『日本一辛いガパオライスが食べられる』『店長がオリジナルスマホケースを作るサービスがある』などがそれにあたります。

今後も「そこでしか体験できないもの」は、どんどん増やしていこうと思っています。

これはお客さんにとって「来店動機」につながります!

最終目標は『唯一無二の飲食店』です(笑)

 

店員とお客ではなく、友達を増やすイメージで接客

接客に心がけていることがあります。

それは「友達を増やすイメージで接客する」ということ。

これは別にお客さんに対して、馴れ馴れしくするという意味ではありません。

しっかりとした接客はしつつも、フレンドリーにコミュニケーションを取るという意味です。

 

コミュニケーションを取る時は対等関係というか…、例えば散歩していて友達に会った時に、ちょっと世間話するようなイメージです。(すみません、よくわからないですよね(^-^;))

でも思い返すと、これができたお客さんは”常連さん”になっていますね。。

失礼がない程度に「心の中で友達」と思ってコミュニケーションを取ると、接客している側も接客されている側も”楽しく”なります。

この”楽しさ”が、リピートに繋がるのではないかなと自分は考えています。

 

毎月少しでもいいので改善を心がける

毎月単に売り上げ目標を出すだけではなく、どんな小さなことでもいいので改善目標を作ってそれを実行するようにしています。

例えば、

などなど。

これらの積み重ねが優良店舗への道しるべとなり、そして販売不振の対策にもつながると考えています。

 

受け身ではなく積極的に営業活動を行う

基本的に店舗型の飲食店は、お客さんが来店するのを待つ”受け身”の営業スタイルです。

自分は出来る限りこちら側から営業活動をするようにしています。

例えば

などなど。

飲食業は基本的に商圏が決まっているので、やはり地元でどれだけアピールできるかが重要だと思っています。

 

ポスティングなんて一見時代を逆行しているようにも思いますが、デジタルな広告が多い今の時代だからこそ、逆に効果があるようにも思っています。

ちなみにポスティング広告は、通常0.1%の反応率があれば良い方だと言われています。(1000軒配って1軒来店)

うちの場合は反応率1%です。(100軒配って1軒来店)

これは多分「自分で作って自分でポスティングしている」という部分が大きいのだと思います。(後日どんな方法でポスティングしたのかの記事を書きます)

ポスティングも運動がてらやっているので、無理せず続けられていますね(^-^*)

 

ちなみに今考えているのは、「一工夫したポケットティッシュ広告」の配布を考えています♪

 

まとめ

ということで、今回は個人飲食店の「販売不振の具体的な原因」と「その改善策」を考えてみました。

ここまでをざっとまとめると・・・

 

販売不振の原因は、

 

販売不振への改善策は、まずは以下をチェックする。

 

カフェガパオが行っている販売不振への対応策は、

となりました。

 

上記で紹介した以外にも、販売不振の原因や販売不振への改善策は色々あると思います。

ただ、共通していえることは、原因がわかれば解決策も見えてきます。

「販売不振 → 原因究明 → 改善策を考える → 実行する → 検証する → 試行錯誤を繰り返す → 販売不審から脱出」

このような流れが生まれるといいですね(^-^*)

 

今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。


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