『成功』『成功者』『成功している』などの言葉って、「なんか曖昧だよなぁ…(^-^;)」と自分は感じています。
何故なら、これらの言葉は「現在進行形で変わっていくもの」だと思うからです。
『成功』しているように見えても、それは長い人生における「景気の良い時期だけ」なのかもしれません…。
例えば2000年代初頭、IT革命の波に乗って、かつて『ヒルズ族(六本木ヒルズに住む人を指す)』と呼ばれる人達がもてはやされました。
この時代、周囲から『成功者』と呼ばれていた人たちも数多くいたことでしょう。
そして20年後の現在、『成功者』と呼ばれていた人達の中で、その成功を“継続”させている人は、何割残っているのでしょうか?
もちろん継続している人もいるとは思いますが、中には破産したり、事業を畳んだりした人もいることでしょう…。
そうなってしまった場合、その人達は『成功者』とは呼べないことでしょう。
現行では『元成功者』になると思います。
“人生”という長い単位で見れば、『失敗』の中の一部分が『成功』だったのかもしれません…。
逆もしかりで、『成功』の中の一部分が『失敗』になることもあるでしょう。
そう考えると、
「『成功者』『成功している』などの言葉は、簡単に言うことはできないのでは?」
と自分は思うのです。
自分が考える成功者とは、
「現在進行形で、自分の人生に満足している人」
だと思っています。
もっと細かく言うと、
「死の間際、何も後悔せずあの世へ行けるくらい、毎日を全力で生きている人」
だとも思っています。
これは経済的に裕福だとかは関係ありません。
「自分の人生は幸せだと思える人が、イコール『成功者』」なのだと考えています。
あなたの『成功』の定義は何でしょうか?
さて、オープニングから「ヨッシー哲学」的な話になっちゃいましたが(^-^;)、
今回は
「個人飲食店における『成功』とは何か?」
を考えてみたいと思います。
※あくまで個人の考えですので、あしからず。。
飲食業における「成功」とは?
さて皆さん、『飲食業で成功している』と聞いて、どのような事を思い浮かべるでしょうか?
- 行列が絶えない繁盛店になっている
- 各メディアで取り上げられて有名店になっている
- 多店舗経営で大きな利益を得ている
- 大手フランチャイズ企業になり、大きな事業を動かしている
…などを思い浮かべる人も多いかと思います。
価値観は人それぞれなので、「これが正解!」というものは存在しません。
ただ、その多くは「経済的な利益(権力)を多く得ている状態」を指すことが多いように思います。
「経済的な利益を多く得る=成功」は、決して間違いではないと思いますが、
自分は「成功の定義はそれだけではない」と思っています。
『飲食業で成功している』に、自分があえて“雛形的な定義”を作るのならば、
それは
「多くのお客様に支持され、末長く愛される店舗(企業)になっている」
といったところでしょうか。
※これには「経済的な利益を多く得る」も含まれています。
そして自分の考えでは、飲食業の成功は、経済的な利益よりも「信用」の方が大きな割合を占めているように感じています。
特にこの先の時代では、「お金よりも信用の方が価値が高くなるのでは?」とも思っています。
個人飲食店における「成功」とは?
それでは“飲食業”という大枠ではなく、『個人飲食店における成功』とは、どのような事を指すのでしょうか?
もちろん様々な価値観があるので、これはあくまで個人的な考えでしかありませんが…
自分が考える「個人飲食店の成功の定義」は、
だと考えています。
- 「経営が長年継続できる」ということは、「売り上げベースを支えてくれる顧客がいる」ということになります。
- 「ファンのお客様(常連客)がいる」ということは、「強く支持してくれる顧客がいる」ということになります。
- 「いつも喜んでくれる店」ということは、「店に“愛”を感じてくれている」ということになります。
上記を満たしている店は、お客様からの信用(信頼)も高いと思います。
そして、この定義なら「安定経営に繋がる」と信じています。
「安定経営に繋がる理由」は以下の3つ。
【理由1】ファンのお客様を大事にした方が、低コストで経営できる
大手外食企業は、比較的幅広い層を顧客ターゲットにしている場合が多いと思いますが、
個人飲食店は、ファン度の高い常連客をターゲットにしている場合が多いと思います。
(※観光地などの一見客メインの店舗を除く)
個人飲食店は新規顧客の獲得に力を注ぐよりも、「ファンのお客様(常連客)を大事にした方が、経営は安定する」といえます。
理由の一つは「低コストで済む」ため。
新規顧客:常連顧客=5:1
つまりファンのお客様(常連客)を相手に商売をした方が、明らかに低コストで済みます。
低コストで経営ができれば、「安定経営に繋がる」ともいえるでしょう。
【理由2】ファンのお客様の方が、客単価・来店頻度が高い
ファンのお客様(常連客)を大事にすると、さらに良いことが!
『ファンのお客様』ということだけあって、一般のお客様に比べて「来店頻度は格段に高い」といえます。
そして一般のお客様に比べて「客単価が高くなる傾向」があります。(メニューに慣れているので、色々食べてくれる可能性が高い)
熱狂的なファンの方は、毎週2、3日連続で来店してくれる方もいます♪
めちゃ嬉しい(^o^*)/
「客単価と来店頻度が高い」ということは、全体の売上も底上げされるので、これも「安定経営に繋がる」といえるでしょう。
【理由3】ファンのお客様がいる方が、生存率が上がる
新規顧客の獲得も大事なのですが、ファンのお客様(常連客)との「ファン度(親密度)」を上げていくことで、経営は更に安定していきます。
例えば、災害や自粛ムードなどで新規顧客の来店が減ったとしても、「ファン度の高い常連客」がいれば、経営悪化する確率を抑えることができるでしょう。
つまり、店舗としての「生存率が上がる」ことになります。
※「生存率が上がる」=「廃業しにくくなる」という意味。
もちろんそういう時以外にも、常連さんにはいつも助けてもらっています。
これは本当にありがたいことです。感謝しかありません(^-^*)
生存率が上がれば、「安定経営に繋がる」といえるでしょう。
これらの理由から、「経営が長年継続でき、ファンのお客様(常連客)が、いつも喜んでくれる店」になっていれば安定経営ができるため、これはつまり『成功している個人飲食店』ともいえるのではないでしょうか?
少なくとも自分はそう考えています。
↓
「安定経営」
↓
「成功している個人飲食店」
常連顧客のファン度を上げるには?
ちなみに常連顧客のファン度を上げるには、
「お客様にどうやったら喜んでもらえるか?」
を常に考える必要があると思っています。
うちの場合、具体的には以下の施策を行っています。(一例だけ紹介)
- 「週替りメニュー」を作り、毎週来店しても飽きさせないメニュー構成にしている。
- 『写真コンテスト』『ルーレットビンゴ』などのお客様が参加できるイベントを定期的に行っている。
- ポイントカードのポイントが貯まった際にプレゼントするスイーツは「通常では購入できないスイーツ」にしている。
- 常連さんの予約返信メールには、時折テンプレート(定型文)には無い文章を添えたりしている。
- 毎回ではないが、常連さんには「注文以外の一品」を添えることもある。
- 問い合わせで調理方法やレシピを知りたいというお客様には、ありのままの情報提供をしている。
- ホームページやSNS上でオリジナルコンテンツを毎週発信している。
一つ一つは小さなことなのですが、これらの積み重ねがファン作りに繋がっていると感じています。
個人飲食店の方がファン度を上げやすい
また、お客様との親密度は大手外食企業よりも、個人飲食店の方に“分がある”と自分は感じています。
なぜなら個人飲食店の方が「信用度が高い」と思うからです。
個人飲食店はオーナーが直接お客様と接することも多いので、その分「距離感が近い」ことが多いです。
距離感が近ければ、おのずと「信用度(信頼度)」も上がっていくことでしょう。
そして「信用度(信頼度)」が上がっていけば、「ファン度(親密度)も上がりやすい」といえるでしょう。
これは別に経営戦略的な理由ではなく、「様々な人と繋がっていきたい」という個人的な気持ちからです。
自分は、「様々な人と繋がることによって、人生は豊かなものになっていく」と考えています。(ちょっと哲学的な話ですがw)
せっかく様々な人と繋がれる仕事をしているのですから、そうしないのは勿体無いと思うんですよね。。結果的に店のためにもなると思うし(^-^;)
「個人飲食店における『成功』とは何か?」まとめ
ということで今回は「個人飲食店における『成功』とは何か?」を考えてみました。
個人的な結論では、
「経営が長年継続でき、ファンのお客様(常連客)が、いつも喜んでくれる店」
となりました。
※この状況なら「安定経営できている店」だと思うから。
「経営が長年継続」
言葉は短いですが、実行するのはとても難しいです。
自分はまだ8年目なので、「長年」というまでには至っていないですが、10年、20年、30年と続けていけるように、これからも日々精進していきたいと思います。
もちろん目標は「経営が長年継続でき、ファンのお客様(常連客)が、いつも喜んでくれる店」です(^-^*)
多店舗展開に関しての持論
最後に、ちょっと話が逸れますが…
たまに常連のお客様から『ヨッシー店長さんは、2号店、3号店とかは考えないんですか?』と尋ねられる時があります。
そんな時、自分はこう答えています。
なぜなら、個人飲食店の「イズム(経営理念)」を、それぞれの店舗の店長に理解してもらう必要があり、さらにそのイズムを理解してもらうには、「自分の人生哲学に共感してもらう必要がある」からです。
これらをクリアできる人財は、そう多くはないと思っています。
と。
別に他人を信用してないわけではないです(^-^;)
ただ、イズムを理解できたとしても、人生哲学まで共感できる人はなかなかいないと思うんですよね。。(もちろん共感できる人もいるとは思います)
なぜ自分がここまで人生哲学にこだわるかというと…
と考えているからです。
例えば、『これ以上やってはいけない』という哲学があるかないかでも、経営は大きく変わってくると思うのです。
以前飲食業界では『食品偽装問題(表示されている食品よりも質の低い食品を使用)』で倫理が問われましたが、この問題発覚に至るまでに、もし『これ以上やってはいけない』という哲学が経営者にあったら、このような問題も回避できていたかもしれません。
なぜなら、こういう考えは短期的には上手くいっていても、長期的には上手くいかないと思うからです。
後でその”ツケ”を払う時が、必ず来ると思っています。
前述の食品偽装してた会社も、短期的には儲かったのかもしれません。
でも結局長期的には上手くいかず、儲けられないどころか、会社の信用を失うことにまでなってしまったのです。
人生哲学まで共感できるのであれば「多店舗展開もありかもしれない」と思っていますが、難易度はかなり高いでしょう…。
少なくとも今回書いた
「経営が長年継続でき、ファンのお客様(常連客)が、いつも喜んでくれる店が、個人飲食店成功の一つの形である」
と、理解してもらわない限りは無理でしょうね(^-^;)
ということで今回は「個人飲食店における『成功』」に関して考えてみました。
今後もカフェガパオ&ヨッシー店長の成長を温かく見守って頂ければ幸いです!m(_ _)m
どうもヨッシー店長です。