コロナ禍以降、五里霧中状態の飲食業界ですが、2023年1月以降、
過去にない程の「廃業ラッシュ」
を迎えているのをご存じでしょうか?
↑の動画の「飲食店コンサル・永田ラッパさん」も言明していますが、
2023年1月、2月は廃業する飲食店が激増する可能性が高いです。
その理由はなぜか?
今回は
「2023年1月2月に飲食店の廃業ラッシュが増加する理由」
と
「2023年以降生き残っていく飲食店とは?」
を考えてみたいと思います。
2023年1月2月に飲食店の廃業ラッシュが増加する理由
2023年1月2月に廃業ラッシュが増加する理由は、主に以下の通り。
- 原材料費の高騰が止まらないため、経費が圧迫され、経営が困難になり廃業。
- 光熱費の高騰が止まらないため、経費が圧迫され、経営が困難になり廃業。
- 人手不足、特に飲食業界は働き手が集まらない状況が続いているため、経営が困難になり廃業。
- 働き手を集められたとしても、人件費が高騰しているため、経営が困難になり廃業。
- 2022年春に時短協力金の支給が終わり、その貯金が尽き廃業。
- 2023年1月からコロナ融資ローンの返済が開始され、それまで生き延びたものの、ローンの支払いができず廃業。
- コロナ禍に「夜に飲みに行く」という習慣が無くなり、夜をメインにしていた飲食店は、予想以上に売上が回復せず廃業。
- そもそも2022年の年末で廃業を予定していた飲食店が、最後に12月の描き入れ時が終わった時点で廃業しようと思っていた。(跡継ぎがいない高齢オーナーはこのパターンが多い模様)
など、2023年現在、外食産業にとっては「逆風」が吹きまくっているため、廃業を決断する飲食店オーナーも多いのだと思います。
個人的にも「原材料費、光熱費、人件費が、同時に一気に上がる」ということは、今まで体験したことがないです。
なので、この「三重苦」で廃業を決意するオーナーさんの気持ちもよくわかります。
もしかしたら、この先飲食業をやっていける人って、
- 必要経費が極端に低い(自己所有物件、スタッフは家族、食材が格安で手に入る、など)
- 他にメインのビジネスをやっている(飲食店は複業の一つ)
- 収入を飲食業に依存していない(不労所得がある、年金が出ている、など)
- 飲食店は趣味の一環として経営している(資産家が道楽で経営、など)
のような、一般的な飲食店よりもある程度「余裕」があるお店しか、生き残れなくなっていく時代になるのかもしれませんね…。
2023年は「飲食業界淘汰の時代」?
自分はIT業界にもいたので、飲食業界を客観的に見てみると、
「飲食業って、かなり生産性が低いビジネスモデルだな」
と感じています。
IT業でやっていた工数、労力、時間を考えると、飲食業はその倍以上かかるくせして、収益性はIT業よりもかなり低いと感じます。
いや、確実に低いです。(←断定(^-^;))
工数、労力、時間だけでいったら、飲食業で働く人は年収1000万円以上貰っていても全然おかしくないレベルだと思います。(でも実際は年収300万円前後の人が多い)
つまり相対的に見ると、飲食業は「稼げない業種」なわけです。
(ビジネスモデル的にはオワコン)
コロナの影響もありますが、これに気付いたオーナーさんが「潮時だな」と思って廃業に至るのが、2022年12月だったのかもしれません…。
この流れは個人店だけでなく、大手企業でも起こっているため、今後は駅前繁華街やショッピングモールで「空きテナント」のサインボードが増えるかもしれないですね。
ある種、2023年で「飲食業界の淘汰」が起るのかもしれません。
2023年以降生き残っていく飲食店とは?
個人的な見解ですが、2023年以降は
- 夜をメインにしていた店(居酒屋、バーなど)
- 大箱店(100名以上が入れる店)
- 家賃がバカ高い店(特に都内)
- 利便性だけで利用されていた店(駅前にある、オフィス街にある、など)
などは、今後さらに厳しくなってくるのではないかと感じています。
逆に
- 都心部ではなく地方にある店
- 家賃がない自己所有物件の店
- スタッフは家族メイン
- 一見さんメインではなく、リピーターメインの店
- 専門性が高い店
などは、2023年以降生き残る確率が高いのではないかなと思っています。(廃業しにくい)
そして、淘汰のさらにその先に生き残る飲食店は、
「揺るがない信念を持った飲食店」
になる気がしています。
例えば、
- 金稼ぎの手段のために開業した飲食店
- 成金社長が見栄のために始めた飲食店
などは、ビジネスモデル的に「オワコン」になった時点で、簡単に店を閉めることでしょう。
でも、
「たとえ稼げなくとも(貧乏でも)、自分はこの信念(人生の目標)を貫きたい!」
と思っている人は、そう簡単に廃業を決めないような気がしています。
※もちろん最低限稼げないとまずいですが、↑は「大きく稼げなくても」という意味。
つまり、稼げる稼げないという「物理的な側面(金銭面)」ではなく、
どうしても飲食店をやりたい!という
「精神的な側面が強い人(信念が強い人)」
しか、飲食店を続けていけないような気がしています。
これは今の音楽業界にも似ていて、2000年代までは「音楽で一発当てて大金持ちに!」と考える人もいましたが、2010年代以降はサブスクが主流になり、音楽ではなかなか稼げない状況となりました。
そんな状況下でも「稼げなくても音楽が好きだから活動している!」という人が多い現在の状況に、飲食業界も似てくる気がします。
もちろんそれにプラスして「飲食店を継続させる努力」は必須でしょう。(信念だけでは継続は無理なので)
今後の飲食店経営は「無理ゲー」
仮に前述したようなモチベーションがあったとしても、2020年以降の飲食店経営は、
総合的に判断して
「無理ゲーだな」
と感じています(^-^;)
前述した「2023年1月2月に廃業ラッシュが増加する理由」もさることながら、賃金が上がらない&デフレマインドに慣れ切った日本では、値上げもなかなか難しい状況です。(外食市場に飲食店が多すぎるため、値上げすると他店に流れる可能性が高い)
ウクライナ情勢に限らず、地球上の人口は年々増えているため、今後の食糧不足を考えると、2022~2023年に値上がりした原材料費が下がることはほぼないと思われます。
人件費も「賃上げ方向」に向かっていることを考えると、今より下がることはないでしょう。
※光熱費はウクライナ情勢が落ち着けば下がる可能性はありますが。。
そもそもコロナ以前から飲食業界は人手不足でしたし、ここに来てその他の経費(原材料費、光熱費など)がどんどん上がっているため、ただでさえ経営難易度が高かったのに、さらにその難易度が上がってしまいました。
もはやビジネスモデル的にはオワコンに近いですし、継続するのも無理ゲー要素がありまくりです。(飲食店経営初心者は、いきなりスーパーハードモードからスタートするイメージ)
果たしてこの先「飲食店を経営してきて、本当によかった」と思えるようになる時代は来るのだろうか…?
ということで今回は「2023年1月2月に飲食店の廃業ラッシュが増加する理由」と「2023年以降生き残っていく飲食店とは?」を考えてみました。
現在自分のように飲食業界で働いている人、これから飲食業界に参入希望の人などに、今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
どうもヨッシー店長です。