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タイ料理弁当屋を1年半経営した結果ワンオペレストランに進化!? 現状況とメリット・デメリットを解説!

ワンオペレストランのメリット・デメリット

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ヨッシー店長
本場のタイでは、パクチーが入っている料理は実は少ないっていう…。
どうもヨッシー店長です。

早いもので、自店のカフェガパオで「ランチボックス営業」を始めて1年半が経過しました。

ランチボックス営業とは、カフェガパオが平日に行っている、いわゆる「お弁当販売」のことです。
ただ、最近は店内で食事をする人も増えてきて、実質平日のランチ営業に近い業態になっています。
ちなみに、タイを中心にしたアジア料理6品の中から3品を選んで、ご飯に盛り付けるスタイルになっています。

 

当初「お弁当屋」として始めたランチボックス営業でしたが、現在は「ワンオペレストラン」という業態に変化しています。

ワンオペ…、そう1人でお店を切り盛りしています。

たまに母や妻に手伝ってもらうこともありますが、基本的に1人で運営しています。(土日は家族で運営しています)

 

今回は「弁当屋からワンオペレストランになった過程」と「現在どのように1人で運営しているのか」の具体的な運営方法と、「ワンオペレストランのメリット・デメリット」を紹介したいと思います。

今回の記事が今後1人、もしくは少人数で飲食店を経営したいと思っている方のお役に立てば幸いです。

 

弁当屋からワンオペレストランへの進化の過程

まずは弁当屋からワンオペレストランへどのように変化していったかを、時系列順にまとめてみたいと思います。

 

  1. テラス席のみ開放で、店外でテイクアウト販売形式
  2. テラス席のみ開放で、店内でテイクアウト販売形式
  3. 店内4テーブルを開放し、店内でテイクアウト販売形式(店内での食事は持ち帰り容器で食事)
  4. 店内4テーブルを開放したまま、店内でテイクアウト販売&店内ワンプレート販売形式(店内で食事をする場合は、皿盛りしたワンプレートで提供)

といった流れで営業スタイルが変わっていきました。

皿盛りしたワンプレートの一例

 

変化していった理由

上記のように変化していった理由ですが…

 

①の時は、お客さん側の使い勝手が悪く、雨天時は購入が難しくなることもあり、ランチボックス営業開業から2日で即止めました(^-^;)

 

②の時は、店内の入り口付近にお客さんの待機場所を確保し、雨風は避けられるようにはしたものの、まだ店内席は開放していませんでした。

この頃、お客さんから『店内では食べられないのですか?』とお問い合わせをもらうようになりました。

なぜ店内を開放していなかったかというと、ワンオペでは料理の提供・水出し・片付けなどができないと思っていたからです。

 

③の時は、ついに店内席を開放しました。(ランチボックス営業を開始してから2ヶ月後)

開放した理由は、前述のようなお客さんからの要望が多くなってきたので。

ただし、購入後のランチボックスを店内で食べるだけだったため、あくまでも「サービスで場所提供をしている」だけに過ぎませんでした。

今思うと、店内なのに弁当箱のご飯を食べるというのは、やや味気なかったと思います。

 

④の時は、「②時の課題を解決&③時を改善する方法」を見つけたため、現在の形になりました。(この時点でランチボックス営業を開始してから5ヶ月後)

 

具体的にどのように改善したかというと…

  • 料理提供→料理提供自体は現在も自分が行うが、テーブルに事前にカトラリー(箸やスプーンなど)を設置することにより、オペレーションを簡略化した。
  • 水出し→テーブルに水ボトル・コップを設置し、水はセルフサービスにした。
  • 片付け→片付けをセルフサービスで行ってもらうようにした。

    テーブル上のポップでセルフサービスのお願いを提示。

    各自にお盆で提供することによって、お客さん側も片付けがしやすいように工夫した。

  • 弁当箱での料理提供→皿で提供することによって、“味気なさ”が消えた。
    ※店舗の皿で提供することによって価値が上がり、『この値段でこんなに食べられるの?これは安い!』とお得感の演出に成功した。
    ※さらにテイクアウト用の容器・箸・スプーン代が削減でき、その分をお客さんに還元することができた。(なので店内で食事した方が若干量が多くお得です♪)

 

現在は④の業態(最終形態)で営業しています。

 

お陰様でランチボックス営業は、現在”やや右肩上がり”で成長しています。

まあ飲食業故、売れる日と売れない日のバラつきはあるのですが…(^-^;)

 

今振り返って思うこと

④の最終形態に至るまでは、色々と試行錯誤しながら進んできましたが、今振り返って思うのは

「店都合はダメ、お客さんが何を求めているかを考えることが大事」

ということ。

 

最初の頃(①と②)は基本的にテラス席のみ開放と、完全に店側の都合で営業をしていました。

しかしその後、「顧客になるお客さん達は、何を望んでいるのか?」を、くみ取るようにしていきました。

 

実際に感じたのは、

などの要望。

これらの要望を加味し、改善を続けていった結果、そこから徐々にお客さんの数が増えていきました。

 

やはりどんなビジネスも「顧客が求めている事を、仕事にすることが大事」なんだなと実感しました。

わかっていたつもりだったのですが、自己都合ではダメなんですよね…。

ただ、お客さんの要望を何でも叶えてしまうと「経営にブレ」が生じてしまうので、店自体のスタイルは一定でキープしつつ、上手くバランスを取っていくことも大事だと感じています。

 

現在のワンオペレストランの様子

現在のワンオペレストランの基本情報、売上状況、顧客状況を紹介しておきます。

 

基本情報

営業日 月曜日と金曜日限定
営業時間 11:30~14:30(ラストオーダー14:00 ※ただしおかずが終わり次第販売終了)
座席 店内14席、テラス席4席開放
ペット同伴 テラス席のみOK
価格 790円(税込)
販売スタイル おかずは6品の中から3品”以上”を選択するスタイル。
店内で食事をする場合は、ランチボックス(弁当箱)ではなく、皿に盛り付けて提供。
料理内容 鶏肉のガパオ炒めをはじめ、タイを中心にした東南アジア料理
メニューの一例
  • 鶏ひき肉のガパオ炒め 辛さ★☆☆
    カフェガパオのガパオご飯のガパオミートです。一番人気!
  • カオマンガイの蒸し鶏 辛さ★☆☆または☆☆☆
    カオマンガイで使用している蒸し鶏を辛味噌ソースで♪
  • タイ風手羽南蛮(2個盛り) 辛さ☆☆☆
    ボリューミーな鶏手羽肉を揚げて、甘酸っぱいタイ風タレに漬け込みました。
  • 豚しゃぶとセロリのライム和え 辛さ☆☆☆
    ナンプラーや白ワインビネガーなどでさっぱりした肉サラダに仕上げました♪
  • タイ風春雨サラダ 辛さ★☆☆
    ヤムウンセンと呼ばれるタイの春雨サラダ。やや辛めで酸味があります。
  • グリーンカレー 辛さ★★★
    タイカレー定番のグリーンカレー。タイカレーの中でもかなり辛いカレー。

※メニューはその日によって変更。

オプションメニュー
  • パクチー小盛 +50円
  • パクチー大盛 +100円
  • ライス大盛 +50円
  • ライス特盛 +100円
  • おかず大盛 +100円(おかず1品につき)※通常の1.5倍の量
  • おかず追加 +200円(おかず1品につき)
  • おかず単品 +300円※通常の1.75倍の量

 

売上状況

平均客単価:900円前後

ランチボックス営業開業後は、平均客単価は800円程だったので、右肩上がりに推移しているといえる。

ただし業態の特性上、急激な客単価アップは難しいので、そろそろ限界値を迎えつつあるのが現状。

ヨッシー店長
ちなみに客単価を上げるために「おかず一品追加」「おかず大盛り」などのオプションメニュー、ドリンクや調味料などの物販、その日限定の作り置きチャーハンの販売(ランチボックスとは別で)、などをランチボックス営業と並行して行っています。
これらの施策によって、平均客単価を上げることが出来ました。

 

顧客状況

平均来店客数:30名前後

来店客数は日によってかなりばらつきがある。
傾向的には、天気・気温で左右される場合が多い。

顧客層としては、主に地元の主婦が多い。
半年ほど前からサラリーマンなども増え始めている。

 

ちなみにランチボックス営業のお客様は

と、地元の常連のお客様に支えられている状況です。

 

カフェガパオ型ワンオペレストランのメリット

以下はワンオペで実際に感じたメリットを紹介していきたいと思います。

 

人件費がかからない

ワンオペレーション、つまり一人で営業しているので、人件費は自分のみです。

2019年現在、飲食業界では人件費の高騰により、経営を圧迫している店舗が多いです。

なので「人件費がかからない」というのは、現在の飲食業界では大きなアドバンテージ(有利)といえるでしょう。

ヨッシー店長
ちなみにカウンターのみで完結する業種(ラーメン屋、バー、カウンター寿司屋など)は、人件費が比較的低く抑えられる業種といえるでしょう。
うちの場合は「カウンター(弁当販売)+フードコート(店内席開放)」というちょっと変わった業態といえるかもしれません。

 

基本的には提供時間が早い

提供する料理は、営業開始前には既に作っています。(途中作り足す場合もある)

なので、注文を受けてから料理を作るわけではないので、料理の提供時間は“早く”なります。

提供時間が早くなるということは、その分「回転率を上げることができる」ということになります。

ここでいう回転率とは「1テーブルを何人のお客さんが利用したか」を表す値。
4テーブルあって8組のお客様が利用した場合は、回転率は「2回転」ということになる。

店内提供の場合、ワンオペでも上手く回れば4テーブルを3回転させる日もあります。

 

持ち帰りの場合は店内テーブルを占有することもないので、さらに回転率は上がります。

これは弁当販売業態の最大のメリットといえるでしょう。

 

客単価が低くても、回転率を上げていければ、売上を確保していくことは可能といえます。

 

満席でも機会損失が起きにくい

もし通常の店舗営業で満席の場合、「来店→座れない→帰る」となりますが、

これがテイクアウトメインの営業の場合、「来店→座れない→じゃあ買って帰ろう」となる可能性があります。

つまり「満席でも機会損失(売上にならない)が起きにくい」といえます。

これも弁当販売業態のメリットですね。

ヨッシー店長
通常営業の場合でも「来店→座れない→テイクアウト」になることもありますが、どうしても料理を作る時間がかかってしまいます。
その点テイクアウトが基本になっているランチボックス営業では、そのような余計な時間がかかりません。

 

セルフサービスが導入出来る

一人で営業しているので、細かいサービス(水のおかわり、食器の片付けなど)は、お客様に手伝ってもらっています。(セルフサービス)

お客様も一人で営業していることはわかってくれているので、積極的に手伝ってくれます。これはとてもありがたいことですし、うちの店はお客様に恵まれていると思っています。

このセルフサービスの部分は、ショッピングモールなどにある「フードコート形式」に似ているといえますね。

 

料理に関しては突発的なアクシデントが起こりにくい

前述したように、ランチボックス営業で提供する料理は、「既に出来上がっている」状態です。

それ故、提供段階での“味のブレ”が無くなります。(最初の味見だけで良い)

基本的に「作るたびに味が変わる」ことは無いので、料理のクオリティーは統一することができます。(ただし時間が経つとどうしてもクオリティーは下がる)

こういう意味では「料理に関しては突発的なアクシデントが起こりにくい」といえるでしょう。

 

カフェガパオ型ワンオペレストランのデメリット

ワンオペで実際に感じたデメリットを紹介していきたいと思います。

 

混むと対応が大変

カフェガパオの場合、ランチボックス営業中の一連の流れは、
「オーダー聞き→会計→盛り付け→提供」
となります。

 

それぞれの平均時間が

となります。

 

つまり、お客様1名にかかる時間は1分半~2分程となります。

そのため「行列ができる&複数まとめて購入」などになると、長い時では15~20分程待たせてしまうことがあります。

20分以上待たせてしまうと、お客様はわかっているものの、結果的には「顧客満足度が下がる」可能性があります。

 

ワンオペなので仕方ないとはいえ、待たせてしまうのは申し訳ないですし、こちらにもプレッシャーがかかります。

ワンオペ最大の弱点は「作業効率が図りにくい」というところですね。

逆にお手伝いスタッフが入って「オーダー聞き→会計」だけでもやってくれると、かなり効率良く仕事することができます。(オーダーと会計の間に料理が盛り付けられる)

 

仕込み・準備に時間がかかる

土・日曜日の通常店舗営業に比べると、ランチボックス営業は「営業開始前に料理を全て用意しないといけない」ため、その分仕込みや準備に時間がかかります。

時間的には土日の1.5倍の時間はかかっています。(前日3時間+当日3時間)

ワンオペで人件費がかかっていない分、仕込み・準備には時間が取られるといえるでしょう。

 

売り切れると機会損失が起こる可能性がある

ランチボックス営業では「おかずが売り切れたら、そのおかずは販売終了」となります。(※ガパオ炒めなどは追加で作ることが可能)

そのため、「まだ営業時間は残っているのに、おかずが無いため営業終了」という場合があります。

ヨッシー店長
ラーメン屋でよくある『スープが無くなったので、本日の販売は終了』と同じですね(^-^;)

これに関しては仕方ない部分ではありますが、「機会損失に繋がっているな…」と感じています。

その証拠に『本日の営業は終了しました』の看板を出した後でも、次々にお客様がやってくるということがあります。

 

ワンオペ営業しているため、“追加調理”がしにくいのは、なかなか痛いところですね。

逆に土日曜日はオーダーを受けてから調理するので、そういう機会損失は無いです。

 

通常よりは味のクオリティが落ちる

ランチボックス営業のおかずは、基本的に”作りおき”で販売しています。

そのため作り上げてから多少時間が経つため、土日曜日の通常営業時に比べると“味の劣化”が生じます。

もちろん最大限劣化しないように、劣化しやすいおかずは営業開始直前に作るようにしています。

ヨッシー店長
ガパオ炒めなどはどうしてもピーマンなどの水分が抜けていくため、営業開始直前に作って、さらに営業中の合間を見計らって”追加調理”しています。

これもワンオペ営業している上では仕方ない部分ではありますが、できれば「作り立ての料理を食べてもらいたい」のが料理人としての本音ですね。

ちなみに味の劣化分は”価格”に反映して、お客様には理解を頂いている状況です。

 

客単価は低め

ランチボックス営業のおかずは、全て自分が一から作っています。(※いわゆる業務用の冷凍食品や加工品は使用していません)

そのため本来なら価格に転嫁するべきなのですが、「ランチボックス(弁当)」がメインであるため、価格を高くすることはできないのが現状です。

ヨッシー店長
『お弁当はこれ位の価格が妥当』という物差しが世間一般で既に出来上がっているので、いくら安心安全な食材で手作りしているとはいえ、弁当で1000円以上だとどうしても割高に感じちゃいますよね…。

つまり概ね「客単価は低く設定するしかない」という状況になっています。

 

もちろん1人のお客様が他の人の分で2~4個買っていってくれることもありますし、オプション注文で1000円以上のお買い物をしてくれることもあります。

ただどうしても土日曜日の通常営業に比べると、客単価は低めになってしまいますね。

 

まとめ

ということで今回は「ワンオペレストランになっていった過程」「現在のワンオペレストランの様子」「ワンオペレストランのメリット・デメリット」を紹介しました。

 

ワンオペレストランになっていった過程では、「店都合ではなく、顧客になるお客様が何を求めているかをくみ取ることが大事」ということを再認識させられました。

現在平日のワンオペレストランは、とりあえず”完成形”になっていますが、今後改善部分が出てくれば、更なる進化を遂げたいと思っています。

 

ランチボックス営業は右肩上がりにあるとはいえ、客単価はそろそろ上限を迎えつつあります。

そのため、今後は「いかにもっと沢山のお客様に来てもらうか」を考えていかなくてはいけません。

自分が得意とする「インターネット集客」は今後も力を入れていきたいところですね。

ヨッシー店長
最近は『Googleマップ(Googleマイビジネス)』経由での来店がかなり増えています。
Googleマップの集客を強化するには、こちらの記事を参考にして下さいね→「飲食店のWEB集客方法で「Googleマイビジネス」が最強である理由とは?現役カフェ経営者が導入すべき8つの理由を説明!

 

ワンオペレストランのメリットは、やはり何といっても「人件費がかからない」という点でしょう。

人手不足&人件費高騰の飲食業界では、ワンオペは大きなメリットです。

「ワンオペ&高客単価」で考えると、ある意味『会員制高級カウンター寿司屋』は、ワンオペレストランの完成形なのかもしれません。(寿司屋はインバウンドにも需要があるし)

 

ワンオペレストランのデメリットは、前述で書いた「作業効率が図りにくい」という点が大きいですね。

作業効率を上げるために、例えば「こちらで指定したおかずのランチボックスを作っておく」なども考えられますが、これだと「お客様が選ぶ楽しさがなくなる」ので、導入は難しいところです…。

会計をキャッシュレス化するのも一案ですが、キャッシュレス化は店舗側(個人飲食店)にほとんどメリットが無いのが現状なので、導入を躊躇しています。

ヨッシー店長
ただしキャッシュレス化は今後必ずインフラ化していくはずなので、どこかの時点では導入すべきだと考えています。

 

ということで今回はここまでですが、次回はワンオペレストランで「やって良かった施策」と「今後の課題」を考えていきたいと思います。


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