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したら、沖縄の宮古島で2号店を開業して、休みの日は冷えた生のシンハーを飲みながら海を眺めたい…。
どうもヨッシー店長です。
少し間が開きましたが、「個人飲食店の開業講座」の第6回目です。
今回は、「飲食店を独立開業する前に考えておくべき事」をまとめておこうと思います。
正直に言いますが、今回書き出した内容を少しでもクリアできないと思った人は、飲食店を開業しない方がいいです。
以前の「個人飲食店の開業資金ってどれくらい?儲かるの?気になるお金のあれこれ」でも書きましたが、飲食店開業にはお金も時間も物凄くかかります。
中途半端な気持ちで開業して、すぐに廃業してしまったら、人生という視野で見たらとてつもない損失です。
ですので、これから個人飲食店を開業したいと思っている人は、以下の内容を読んでみて「自分に適正があるか」を是非チェックしてみて下さい。
あわせて「開業前にクリアが必須な項目」「開業前の心得」もまとめてみました。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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飲食店経営に向いている人とは?
飲食店経営の適正を見極める場合、「飲食店に向いているか」と「経営者に向いているか」の2つの視点で見る必要があります。
飲食店に向いているか
例えば、
- “食”に対するこだわりや思い入れはあるか?
- 他人との社交性はあるか?
- 体力に自信はあるか?
- ホスピタリティ(もてなす心構え)はあるか?
などは、飲食店に向いているかどうかの判断ポイントといえます。
特に食に興味がなく、「なんとなく…」や「オシャレそうだから…」という開業動機では、必ず失敗します。
飲食店経営には、最低限「食への興味」が必須といえます。
経営者に向いているか
これは飲食店経営に限らずですが、
- 決断力はあるか?
- 行動力はあるか?
- 徹底力はあるか?
- 柔軟性はあるか?
- 仮説→実行→検証→改善ができるか?
- 数字に弱くないか?
- チームプレイは得意か?
- 創造力はあるか?
- 情報収集力はあるか?
これらの力は、ある程度得意不得意はあっても、必須項目といっていいでしょう。
ちなみに、個人飲食店経営を継続させるには、どちらかというと「経営者に向いているか」の方が重要になってくると思います。
よく、「一流の料理人になれれば、飲食店はやっていける」と思い込んでいる人もいますが、飲食店を続けるには経営力がどれだけ発揮できるかでその後の経営状況が決まってきます。(もちろん「食への想い」も重要なのですが…)
飲食店経営の適正チェックをしてみよう
ここで一旦、飲食店経営の適正チェックをしてみましょう。
※「自分でパパッとできるはじめての飲食店開業&経営第2版 [ 斉藤俊成 ]」という本より抜粋。
以下、YESかNOで答えて下さい。
- 食べることが好きだ
- 食べ物・食品に興味がある
- 人をもてなすことが好きだ
- 人に喜んでもらえるのが何よりうれしい
- 体力には自信がある
- 前向きな性格である
- 物事をあきらめず最後までやり抜く性格である
- 大切な事は信念を持って取り組む
- 困難なときにも自分で自分をモチベートできる
- 新しいこと、珍しいものには興味がある
- 情報収集は得意でアンテナの感度は高い
- 地道な作業や仕事も苦にならない
- 自分で決めたモノ・コトをしっかり守ることが出来る
- 頭は柔らかい方で、新しいものを取り入れられる
- 自分と違う意見も素直に聞くことができる
- 創造力がありアイデアが豊富だ
- 人付き合いは上手なほうだ
- 行動力には自信がある
- 決断力には自信がある
- 行動や決断にはスピードがある
- 困難なときもポジティブに物を考えられる
- 友人知人は多いほうだ
- 数字に対して苦手意識はない
- すべてにおいて計画性がある
- 新聞・ニュースをいつも見ている
- チームプレイが得意である
- 部下・上司とのコミュニケーションが得意
- 金銭面については細かい
- 旬の食材や珍しい食べ物に興味がある
- 味には結構うるさい
- 開業前の仕事は順調だ(だった)
- 以前から飲食店を開業したいと考えていた
- 飲食店開業の動機は明確だ
- なぜ飲食店なのか理由がハッキリしている
- なんとしても自らの力で飲食店で成功したい
YESの数が…
- 30点以上…飲食店経営者に最適な資質の持ち主です。
- 25点~29点…適正があります。開業までに、足りないぶんの改善に努めましょう。
- 16点~24点…もう少し努力が必要です。開業に踏み切る前に、改善しやすい点から改善していきましょう。
- 15点以下…飲食店舗経営には不向きのようです。もう1度自分の資質を見直して下さい。
適正は改善することができます。そしてそのほとんどは”考え方次第”です。
できないことは「習慣化」させ、できるようにもっていきましょう。
開業前にクリアが必須な項目
開業資金
飲食店を”開業”させるには、何はともあれお金が必要です。
自己資金で用意するにしても、日本政策金融公庫などで借りるにしても、飲食店開業には大金が必要となります。
大まかな目安としては、店舗面積1坪あたり100万円の資金が必要といわれています。(15坪の店なら1500万円)
※詳しくは「個人飲食店の開業資金ってどれくらい?儲かるの?気になるお金のあれこれ」にて書いています。
飲食店での経験
飲食店での経験がなくても、”開業自体”は可能です。
しかしながら経験がない場合、飲食店経営の”引き出し”が少ないため、現場では当たり前の事(お客様の誘導、オーダータイミング、心地よく過ごすための動線、経費の削減方法などその他多数)ができない可能性が高いと言わざるをえません。
長期に渡り経営する場合、この“引き出し”が多いか少ないかで、その後の経営も変わってくることでしょう。
アルバイトでも、無収入でもいいので、飲食店での経験は必ずしておいた方が良いでしょう。
家族の理解
「個人飲食店を5年間経営し続けてわかった飲食業継続が困難な10の理由」でも述べましたが、飲食店経営はとてもハイリスクです。(しかもローリターン)
おそらく経営開始最初の1年目は、まともな給料も出ない人が多いことでしょう。
収入が無い場合、周りの家族の協力は必須といえます。
ですので、もし家族が「協力はしない」という状況になっていたら、「開業はかなり難しい」と思って下さい。
もしどうしても飲食店を開業したい場合は、「家族を説得させるだけの理由」をしっかり作って下さい。
自分の場合は、妻はもちろんのこと、母や兄弟にもしっかりと”プレゼン”し、客観的にみて「そこまで準備したのなら…」という状況までもっていきました。
家族は長く付き合う存在なので、開業資金や飲食店での経験よりも最重要課題だといえるでしょう。
情報発信力と情報収集力
現在の飲食業界では、ITを活用した「情報発信力」は必須といえます。
昔のように『美味しければお客さんは来る』という考えは、現代ではありえません。
最低限の情報を発信していかないと、“店がそこにある”ということすら気付いてもらえません。
現在の若い世代は”まず検索”するので、店のホームページ、ブログ等が無い場合は、その時点で「よくわからない店だから、行くのは止めておこう」という心理になりがちです。
※現在の若い世代は「極力損をしたくない」という心理が顕著なので、情報が無い時点で飲食店リストから完全に除外されます。
ですので、最低限SNS(おすすめはフェイスブック)での情報発信は必須です。
できることならホームページがある方が、お客さん目線で見た場合、情報の精査がしやすいです。(メニューは何があるのか、場所はどこにあるのか、などが調べやすい)
また、情報発信力とは逆に「情報収集力」も重要です。
飲食業とは関係ない分野でも、常に情報には敏感になっておいた方が「世間が今求めているもの」を理解しやすくなります。
情報収集し情報発信していければ、「情報力の良い循環」が生まれます。
開業前の心得
以下の「開業前の心得」もクリアしておかないと、仮に開業できてもその後が厳しくなることは必至です。
「飲食店でなければならない理由」を明確にする
開業するのが「なぜ飲食店なのか?」を明確にしておかなければなりません。
- 飲食店経営で実現したいものは何なのか?
- 飲食店経営で伝えたいものは何なのか?
- 30年後、どうなっていたいのか?
これらがすぐに答えられないようであれば、「開業の資質はほぼ無い」と言っても過言ではないでしょう。
「オシャレだから」「格好良いから」「やりたいことがないから」これらの考えは論外です。
そして「飲食店でなければならない理由」は、イコール「信念(経営理念)」となります。
ここがしっかり決まっていれば、店舗が大きくなっても小さくなっても自ずとやるべき事は決まってきて、ブレない飲食店経営ができることでしょう。
「顧客目線」を忘れない
多くの飲食店では「お客様の気持ちになって考えよう」という意識はあるものの、実際にはできていない店が多いです。(自店を含め)
例えば、店員には見慣れた玄関口でも、新規のお客さんには「なんか汚れてるな…」と思われてしまうこともあります。
必ず店員目線ではなく、お客さんの目線で物事を見る“クセ”をつけるようにしましょう。
自分の場合は、開店前に時間があれば、エントランスから店に入るまでの過程(汚れてないか、ゴミは落ちてないか、動線は確保されているか、など)や店内への目線、汚れ、動線、メニューのわかりやすさ、などを意識しながら顧客目線で店内を見渡すという一連の動作確認を行っています。
また、自己満足や独りよがりの店の場合は、必ず失敗します。
「うちの店はこうだから…」というのは、ただの怠慢です。
もちろんお客さんに過剰に寄り添う必要はありませんが、「どうやったらお客さんに支持されるか」は常に考える必要があります。
※お客さんに過剰に寄り添わないためにも、前述した「信念」がとても重要になってきます。
「決断力」を意識する
飲食店経営に限らずですが、開業後は様々な決断を余儀なくされます。
リアルタイムですぐに決断しなければならないことも出てくるでしょうし、慎重さを求められるような決断も出てくることでしょう。
例えば、お客様が誤って食器を割ってしまった場合どうするべきか、ガラの悪いチンピラが入店した場合どのような対応をすべきか、駐車場が足りなくなった場合どうするのか…などなど、経営者は日々決断に迫られます。
ですので、「決断力を鍛える」ということは開業前から必要になってきます。
もし決断に迷う場合は、前述した「信念」をもとに意思決定することが重要です。
信念がブレなければ、決断もブレることはないでしょう。
ちなみに、物事を曖昧にしたり、決断を先延ばしにすることはやめましょう。
そうすればする程、後で大きな問題となって返ってくることになります。
できることはすぐやる
開業準備が始まると「あれもこれも」とやるべきことが沢山出てきます。
優先順位を考えて仕事をすることは大事ですが、先延ばしにならないためにも「できることはすぐやる」ように習慣化しておきましょう。
「後でやろう」ではなく、「今やろう」という考え方にシフトすることが大事です。
なぜなら、「後でやろうと思っていたけど、イレギュラーが起こりできなくなった…」という事もありえるからです。
ちなみに千葉県松戸市の行政には『すぐやる課』という課がありますが、自分は勝手に「すぐやる課のメンバー」と思いながら仕事に取り組んでいます(笑)
妥協しない・諦めない
開業準備が始まると、「理想の物件が見つからない」「融資が通らない」「スタッフが集まらない」という様々な困難が出てきます。
しかしここで、「まあこれくらいでもいいか」と妥協したり、「もういいや」と諦めたりすると、開業後に必ず後悔することになります。
特に物件でこれをやってしまうと、短期での廃業率が物凄く上がる可能性があります。
物件を探している自分が「ここはダメだろうなぁ…」という場所は、お客さんも同様に考える可能性が高いです。
物件に関しては「数年単位で探す」という心構えが必要です。
ちなみに自店のカフェガパオは、1年半土地探しをして、4個目でようやく理想の土地に巡り合うことができました。
一つ前の土地で決めていたら、今のような繁盛店には決してならなかったことでしょう。(駐車スペースが皆無だったので)
絶対に手を抜かない
飲食店開業は、常に全力で取り組まないと失敗します。
「これくらいでいいだろう…」という心構えでは、99%失敗に終わります。
飲食店開業は、常に「自分との戦い」でもあります。
そしてこの心構えは、開業後も同様です。
一皿一皿(料理を)魂を込めて作り上げる気持ちでないと、それは店の盛衰に大きく関わってきます。
もちろんサービスの部分でも同様です。
料理って面白いもので、「魂を込めて作ったかどうか」で、本当にそれが伝わります。
きっと細かい部分で、色々なものが出てくるのでしょうね。(例えば、盛り付けのこだわりや食事を出すタイミングの配慮などなど)
仮説→実行→検証→改善を必ず行う
開業前に想定できることは、必ず実行して検証しておきましょう。
もし問題が起きれば、必ず改善し、自分の店なりの「より良い仕組み」を作り上げていきましょう。
自店を例に出すと、トイレの扉を開いたところに席があったので、もし壁が無い場合は「常に扉を意識しないといけないので、お客さんが嫌がる席ができてしまう」という仮説から、実際に壁の追加工事を検討しました。
しかしながら完全な壁にしてしまうと、今度は「お客さんが圧迫感を感じる」と思ったので、壁を「木の格子」にすることにしました。
木の格子にしたことによって、圧迫感はなくなり、トイレの扉も気にならなくなりました。
さらにここから検証し、トイレの扉を勢いよく開けると木の格子を壊す可能性もあったので、扉側にクッションを追加しました。
このように「仮説→実行→検証→改善」を行うことで、起こりうるトラブルを未然に防ぐことができました。
開業前には、いかにこういう仮説ができるかが重要になってきます。
開業後のヴィジョンをイメージする
開業前とはいえ、常に開業後のヴィジョンをイメージすることは大事です。
自分の場合は、まだ厨房がスケルトン状態(厨房什器が入る前のコンクリート剥き出しの状態)でしたが、自分が料理をする姿、お客さんが楽しく食事をする姿、店内のインテリア、日差し、匂いがイメージできました。
ヴィジョンをイメージすると、決まっていなかったこともそのヴィジョンによって引き出される可能性があります。
すると「やるべきこと」が見えてきます。
自分の場合だと、ヴィジョンで見えた店内のインテリアから、家具のベースカラーや種類が決まりました。
楽観的なイメージ(現実的には無理であろうイメージ)は逆効果を生む可能性もありますが、ある程度”成功しているイメージ”を描くことは、開業準備のモチベーションにも繋がりますし、「絶対あのヴィジョンの店にする!」という目標にもなります。
まとめ
ということで今回は「飲食店経営の適正」「開業前にクリアが必須な項目」「開業前の心得」に関して紹介しました。
簡単にまとめると…
- 飲食店経営の適正は、「飲食店に向いている」「経営者に向いている」の両方が必要。
- 開業前までに「飲食店経営者に最適な資質の持ち主」になれるように努力しよう。
- 開業前に「開業資金」「飲食店での経験」「家族の理解」「情報発信力と情報収集力」は必須項目。
- 開業前の心得は「飲食店でなければならない理由を明確にする」「顧客目線を忘れない」「決断力を意識する」「できることはすぐやる」「妥協しない・諦めない」「絶対に手を抜かない」「仮説→実行→検証→改善を必ず行う」「開業後のヴィジョンをイメージする」が必要といえる。
となりました。
今回の講座内容が参考になれば幸いです。
それではまた次回の講座でお会いしましょう!
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