すみません、いきなり意味不明ですよね(^-^;)
まず、ゴールドセイントとは、漫画『聖闘士星矢』に出てくる12星座をモチーフにした凄く強いキャラクター達です。(12星座をモチーフにしているので12人います)
このゴールドセイントは皆、『セブンセンシズ(第七感)』に目覚めています。(第七感とは、人間の五感の上のさらに上の感覚)
で、自店のガパオライスは現在辛さの段階が「7段階」ありまして、この7段階目の辛さを、通称『セブンセンシズ』と呼んでいます(笑)
つまりこの7段階目の辛さのガパオライスを完食すれば、それはイコール「セブンセンシズに目覚めた」ということになり、同時に「ゴールドセイントになった!」ということになるわけです。(安心して下さい、夏の暑さにやられていませんよ)
ちなみに現在ゴールドセイントになった方は、7名いらっしゃいます(笑)
冒頭の「未だにゴールドセイントになれていない…」という意味は、つまり「7段階目の辛さのガパオライスを食べ切ったことがない」ということです。
…だってね、本当に辛いんですもの…。
自分で開発しておいてなんですが…(^_^;)>
※7段階目の辛さのガパオライスの詳細はこちらから↓
「日本一辛いガパオライスを販売します!辛さレベルはセブンセンシズ!?」
と、うちの店にはそんな辛いガパオライスがあるわけですが、先日あるテレビ番組から『日本一辛いガパオライスで、是非ロケをさせてくれませんか?』と、出演オファーがありました。
このテレビ番組、自分もたまに見る番組で、「激辛料理をタレントたちが汗を流しながら食べる、某有名バラエティー番組」です。(ゴールデンタイムにやっているので知っている人も多いかもしれません)
一瞬「出たら面白いかな…」とも思いましたが、でも出演は断りました。
なぜなら…
※後半へ続く!
ということで、今回は「自店がテレビ番組からの出演オファーを断った理由」を、備忘録がてら書いてみたいと思います。
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テレビ出演を断った理由1「コンセプトとブレる店舗になってしまう」
今回オファーをもらった番組は、地上波のゴールデンタイムにやっている番組なので、確実に視聴者は多いです。(普段テレビを見ない自分が知っているくらいなので)
「テレビ離れ」と言われる昨今ですが、やはりテレビメディアの影響力はいまだに強いです。
それ故、番組を見て来店する人も多くなることでしょう。
一見すると『お客さんが沢山来店するなら、いいじゃない!』と思われる人もいるかもしれませんが、飲食店にとっては「ヤバイ事態を引き起こす可能性」を秘めています。
詳しくは後述しますが、今回のオファー内容が「日本一辛いガパオライスでのロケ」というのが、更にそれを悪化させる可能性があります。
どういうことかというと…
仮に日本一辛いガパオライスでロケをしたとします。
タレントさんたちはヒーヒー言いながら、日本一辛いガパオライスを食べることでしょう。
それを見た視聴者の中には、『自分も日本一辛いガパオライスを食べてみたい!』と思う人もいるでしょう。
放送終了後、ドッとお客さんの数が増えることが予想されます。
このお客さんたちは、そのほとんどが“一見”のお客さんです。(ネタやチャレンジ目的で来店するのでリピーターにはなりづらい)
そして来店後、注文するのはお目当てである「日本一辛いガパオライス」一辺倒になります。
どのテーブルでも日本一辛いガパオライスを食べる光景になるでしょう…。(一時的に)
自店のカフェガパオは、決して「日本一辛いガパオライス屋」ではありません。
コンセプトは「安心価格で安全なものを気軽に食べられるタイ料理屋」なので、今回のオファーを受けていたらこのコンセプトは消えてしまうことでしょう…。
コンセプトとは、ある意味「店舗の精神」でもあります。
「この店舗の精神がブレてしまうと、マズイことになる」と、自分は自覚しています。
実際、和洋中など何でも出すようなファミレスのような店になると、店舗の個性が消えて、お客さんがどんどん離れていくケースを知っています。
やはり店舗の精神を削ってまで集客(今回の場合はテレビ番組出演)へ走るのは、「問題あり」だと考えています。
テレビ出演を断った理由2「違うコンセプトの店として認知される可能性がある」
今まで来店してくださったお客さんの多くは、カフェガパオが「安心価格で安全なものを気軽に食べられるタイ料理屋」であることを知ってくれています。
しかし、テレビで「日本一辛いガパオライスが食べられる店」として紹介されてしまうと、それを見た視聴者には第一印象で「日本一辛いガパオライス屋」として映ってしまいます。
これはつまり、自分が考えているコンセプトの店とは違うイメージで全国に知られてしまうことになります。
もしうちの店が『激辛タイ料理に特化したタイ料理屋』であれば、今回のオファーを受けても良かったかもしれません。(まあそれでも考えますが…)
でもそうではないので、自店の間違ったイメージを広げないためにも、今回のオファーは断るべきだと思いました。
※「美味しいタイ料理屋」で紹介されるならまだしも、今回は「日本一辛いガパオライス」という完全なる“ネタ”ですからね…。荒れること必至です(^▽^;)
テレビ出演を断った理由3「常連のお客さんが離れる」
理由1でも書きましたが、テレビ番組放送後、一見のお客さんが殺到することが予想されます。
恐らく行列もできることでしょう。
うちの店は現時点でも”入店待ち”がよくあるので、行列ができるような店になってしまったら、恐らくお客様対応することが困難になることでしょう…。
駐車場も足らなくなり(今でも足らない)、路駐が増えて、近所からクレームが殺到する可能性があります。
繁華街ならまだしも、うちは住宅街ですからね…(^-^;)
これが飲食店ではなく、例えばネットショップなどであれば注文が増えて万々歳かもしれませんが、飲食店はそう簡単にはいきません。
なぜなら飲食店の場合、営業時間と席数は限られているからです。
『いつ行っても入れない…』そんな状況になる可能性は十分にあり得ます。
そのような場合、いつも来てくれる常連さんが「気軽に来れない」という状況が起こりえます。
テレビの影響は一時的かもしれませんが、もしそれが長引いた場合、常連さんはどんどん離れていってしまうでしょう…。
『もうあの店には通えないな…』と思って。
ちょっと話が逸れますが、飲食業界では「集客コストの方程式」なるものがあり、その方程式によると
「常連客に再来店してもらうコストを”1″とした場合、新規客を獲得するコストはその”5倍”かかる」
といわれています。
そして、「飲食店の全体の売上の7割以上は、常連客が作り上げている」ともいわれています。
つまり、飲食店にとって常連客は「売上を支える大切な存在」なのです。(飲食業に限らずリピーターは大事ですね)
その大切な存在である常連さんが来店できない状況というのは、まさに本末転倒です。
テレビの影響で一時的に売り上げは増えるかもしれませんが、気付けば「常連さんが相当減っている」ということになるかもしれません。
こうなると、それまで7割以上の売上を作ってくれていた常連さんが減り、ブームが去った後には一見のお客さんも消え、やがては全体の売上が大きく減り、最悪「廃業になる可能性」すらあります。
飲食業は結局「人対人の客商売」なので、「常連のお客さんを守る(来店しやすい状況にする)ことは、何よりも大事なこと」だと自分は考えています。
上記以外にも、テレビ出演した場合のデメリットが色々考えられます。以下続きます。
テレビ出演を断った理由4「ミーハー客は二度目は無い!レビューも荒れる可能性大」
今回のような「日本一辛いガパオライスを食べてみたい」というお客さんは、基本的にミーハーで、味や雰囲気うんぬんではなく、『食べ切ったと友達に自慢したい』『インスタにアップして、いいねを沢山もらいたい』などの目的で来店する可能性が高いです。
そういうお客さんは一度目的が達成できれば、二度目の来店はほぼ無いでしょう。
食べた感想も『日本一辛いガパオライスを食べ切ったぜ!』『日本一辛いガパオライス、めちゃ辛かった!』など単調なものになると思われます。
そしてウェブ上のレビューもそのような感想で埋め尽くされ、前述したような「日本一辛いガパオライス屋」のイメージが強化されていくことでしょう。
こうなると、それ以降の新規顧客の獲得に影響が出てきます。
『日本一辛いガパオライス屋か…。私は普通に美味しいタイ料理が食べたいだけなんだけど…。他の店探そう』
こんな感じで「大きな機会損失」が起こる可能性があります。
テレビ出演を断った理由5「食材仕入れバランスやコスト計算も狂ってくる」
日本一辛いガパオライスが大量に注文されることによって、それに関わる食材をメインに仕入れればよいので、一見コスパが良いようにも思います。
しかし、そう簡単にはいきません。
『日本一辛いガパオライス屋』ではない以上、他の通常メニューの食材もしっかり用意しておく必要があります。
しかしながら、客層が日本一辛いガパオライスを注文する比率が高いため、それらの食材は注文されないまま食材ロス(廃棄)となる可能性が高いといえます。
食材ロスが増えると、店の利益を圧迫します。
それまである程度一定だった運営コストが大きく狂い、経営がグラつく可能性が出てきます。
そしてコストの見極めが出来る頃にはブームも去り、以前の経営状況に戻すのに多大なコスト(お金も時間も)がかかることが予想されます。
テレビ出演を断った理由6「スタッフもうんざりする、辞める可能性も」
連日行列で顧客対応に追われ、注文する料理が日本一辛いガパオライスばかり、店内はずっと辛い空気が漂っている、顧客レベルも低い(ネタで来店する人はそのような人の可能性が高い)、このような状況下では『もう、うんざり…』と思うスタッフも出てくることでしょう。
さらにプラスして近隣住民からのクレーム対応にも追われることでしょう。
うちは家族経営の店なので辞めて出ていくことは無いと思いますが、もし人を雇っていたら辞めていく可能性は大いにありますね。
そうなると新たに人を雇わないといけなくなり、その分のコストが別途発生することになります。
家族といえども限界があるので、場合によっては「一時閉店」に追い込まれる可能性も無くはないですね…。
テレビ番組からの出演オファーを断った理由 まとめ
ということで、今回は「自店がテレビ番組からの出演オファーを断った理由」を紹介しました。
急激にお客さん(一見客)が増えるという事は、今回書いたようなデメリットが想定されます。
特に今回のような”ネタ”での出演は、さらに大変な結果を招く可能性があります。
まあここら辺の考え方は各経営者によって分かれるところではありますが、大手チェーン店ならまだしも、個人飲食店でネタによる人気テレビ番組への出演は、メリットよりもデメリットの方が遥かに多いと自分は考えています。
別に自分は変化を恐れているわけではなく、ただ自店と常連さんを守りたいだけです。
飲食業以外のビジネスで取材される分には、一向に構わないのですけどね…(^▽^;)シュザイプリーズ
ちなみに、以前J-WAVE(ラジオ)には「日本一辛いガパオライス」の紹介で出演していますが、メディア規模を考えると「ラジオくらいが丁度いい」と思っています。
「知っている人は知っている」くらいで。(上から目線でスミマセン(^-^;))
テレビもBS番組くらいだったらありかもしれませんが、流石に地上波のゴールデンは無理ですね…(^_^;)
ということで以上、覚えているうちに備忘録としてまとめてみました。
テレビ出演で迷っている飲食店オーナーの方に、今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
どうもヨッシー店長です。