このブログを読んでいる方の中には、
「今はサラリーマンだけど、将来は自宅で飲食店(自宅飲食店)をやってみたい!」
と思っている方もいらっしゃるかと思います。
『自宅飲食店』という言葉は、自分が考えた造語ですが、大まかには「店舗併用住宅で飲食業を営む個人の飲食店」のことを指します。住宅の1階部分に店舗をつくり、2階を自宅にするケースが多いです。
引用 – 「自宅飲食店とは? →「店舗併用住宅で飲食業を営む個人の飲食店」のこと」
今回はそんな方に向けて、
「平日サラリーマンをやりながら、週末に飲食業を行う場合のメリット・デメリット」
を紹介したいと思います。
※週末飲食業は、「自宅飲食店の場合」に限ります。
平日サラリーマン・週末飲食業のメリット
メリット①「生活費が保証されている」
平日サラリーマン・週末飲食業の最大のメリットは、なんといっても
「生活費が保証されている」
ということでしょう。
生活費は既にサラリーマンの給料で確保できているので、飲食店の売上が悪くても基本的に「店が潰れる」ことはありません。
また、飲食店の維持費や自分の生活費などの「お金の心配をして精神を病むこと」もありません。(←実はこの「精神を病む」ということが一番厄介)
売上が悪くても潰れることが無いので、まさに“無敵”状態です。
※ただしサラリーマンの給料で補填できない程、経営状況が悪い場合は別。
家族がいたり、大きなローン(住宅ローンなど)を抱えている人は、まずはこの『無敵の店』状態で開業されることをお勧めします。
金銭的リスクを減らすことは、飲食店を成功させるための第一歩です。
また、仮に売上が悪かったとしても「経営の経験値」を積むことができます。
これは無敵の店ならではの“大きなメリット”と言えます。
ちょっと話が逸れますが…
飲食業は、正直「賭け」の側面が大きいです。
もし賭けに失敗して、家族を路頭に迷わせる事になった場合、果たしてそれが自分が望んでいたことでしょうか…?
経済的側面は、開業前にしっかり考えておくべきでしょう。
またそれと同時に、「自分の人生をどう生きていきたいのか?」も、しっかり考えておく必要があるでしょう。
大袈裟かもしれませんが、飲食店の開業前に「人生とは何なのか?までしっかり考える必要がある」と、自分は考えています。
なぜならその人生哲学が、「飲食店経営の根幹にも関わってくる可能性がある」からです。
メリット②「独立する前の“慣れ”の期間が作れる」
自宅飲食店を開業するということは、これはイコール「起業する」のと同じです。
どんな起業家でも、起業当初は悪戦苦闘する場合がほとんどです。
飲食業も同様で、仮に飲食業界歴が長い人でも「自店を経営するのは初めて」となります。
慣れるまでにはそれなりに時間がかかります。
きっと失敗することも多いでしょう。
これが「平日サラリーマン・週末飲食業」の場合、独立するまでの間(週末飲食業期間)は、
「自店の経営に慣れるための期間に充てることができる」
といえます。
※前述した「無敵の店」状態での経営経験値の獲得ができる。
大々的に『飲食店やってます!』という状況では無いからこそ、“慣れ”に利用していても「許される期間」だといえるでしょう。
あくまでもオペレーションに慣れるまでの「許される期間」です。
この期間に「PDCA(計画・実行・評価・行動)」を繰り返し、自店をブラッシュアップし、独立開業(飲食業のみで生計を立てる)の準備を進めていきましょう。
メリット③「本業と副業の相互利益が得られる可能性がある」
平日サラリーマン・週末飲食業の場合、「サラリーマンが本業、週末飲食業が副業」という場合が多いかと思います。
基本的に業務内容はお互いに違うので(本業で飲食業をやっていたとしても)、お互いに見える視点が異なることで「相互利益が得られる」可能性があります。
例えば、自分の場合は『平日はIT業』『週末は飲食業』だったわけですが、IT業で得たマーケティング手法やWeb知識は、飲食業の“集客”に役立ちました。
また、飲食業で得た接客経験や段取り手法などは、IT業の営業や会議などで役に立ちました。
このようにお互いの長所を、本業と副業で活かすことが可能になります。
特に互いが別業種の場合は、「相互利益はより多く得られる」ともいえるでしょう。
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平日サラリーマン・週末飲食業のデメリット
一見、「平日サラリーマン・週末飲食業」の働き方には、メリットが多いように見えますが、もちろんデメリットもあります。
以下、自分の経験を踏まえてデメリットを紹介したいと思います。
デメリット①「体力的に、かなりしんどい」
平日サラリーマン・週末飲食業の一番のデメリットは、
「体力的に、かなりしんどい」
という事でしょう。
週末も働くわけですから、基本的に「週7日稼働」になります。
つまり、自分の休みはありません。
飲食業はただでさえ作業工程が多く、かなり“レバレッジ”(効率よく動く)を利かせないと、週7日稼働は不可能といえます。
こんな日々を4年半続けていました。
唯一の休みは、サラリーマン時の夏季や冬季の長期休暇の平日のみ。
体力には自信があったものの、4年目に“過労死”を意識し始め、自店の経営も安定してきたタイミングで、サラリーマンを辞め独立しました。
今だから笑って話せますが、2年目でメニエール病(三半規管がおかしくなって目が回る病)を発症し、3年目には免疫が落ちて歯茎の中の膿みが肥大化したり、4年目にはベッドから起き上がれない日々が増えていきました…。
多分、あと数ヶ月あの生活をしていたら、過労死していた事でしょう…。
死んでしまったら何も意味がないですもんね(^-^;)
もし本業がデスクワークなどの「比較的体力を使用しない仕事」であれば週末飲食業も比較的可能ですが、これが宅配業や建設業などの「体力を必要とする仕事」だった場合は、週7日稼働するのはほぼ不可能でしょう…。(休日は体力回復に充てないと、本業すらままならなくなる)
しかもこれは、「本業が業務時間を厳守している場合」のみの話です。
長時間残業や休日出勤が常態化しているような職場では、不可能といえます。
つまり…
- 本業が「体力を必要とされる仕事」→ 週末飲食業は不可能。(いずれ過労死する)
- 本業が「比較的体力を使用しない仕事 」だが、「業務時間を厳守していない」→ 週末飲食業はほぼ不可能。(いずれ病気、もしくは過労死する)
- 本業が「比較的体力を使用しない仕事 」&「業務時間を厳守している」→ 週末飲食業がようやくスタート可能なライン。
案の定、過労死寸前までいってました(^-^;)
可能であれば、本業は公務員的な「業務時間がしっかり守られている職場」が理想的ですね。
デメリット②「本業に支障をきたす可能性がある」
仮に「平日サラリーマン・週末飲食業」をスタート出来たとしても、本業に支障をきたすようになってしまったら、これは問題です。
「本業で仕事に支障が出る」
「副業(飲食業)でも支障が出る」
こうなってしまうと、WIN-WINならぬ“LOSE-LOSE”となってしまうでしょう。
メリットで紹介した「相互利益」ではなく、「相互損失」になる可能性があります。
このような状態になってしまう恐れのある人は、「平日サラリーマン・週末飲食業」は、あまりお勧めはできません。
どちらか一方に絞るか、他人に任せる方がいいかと思います。(※ただし他人に任せるのは難易度が高いです。優れたマネージング能力が必要)
「本業に支障をきたす可能性があるかどうか」を見極める時点で、平日サラリーマン・週末飲食業の「成功、失敗が始まっている」ともいえるでしょう。
デメリット③「サラリーマン・飲食業以外の時間がほぼ取れなくなる」
前述してきたように、平日サラリーマン・週末飲食業の働き方では、基本的に自分の休みはありません。
つまり、「平日サラリーマン・週末飲食業以外の事は何もできなくなる」ということです。
家族との時間はもとより、身体を休める時間すらままなりません。
旅行なんてもってのほかです。
これらを理解した上で、「他の時間なんて要らない!週末飲食業をやりたいんだ!」と思う覚悟と体力が必要です。
この時期の子供はイベントが多く色々忙しい時期ですし、家族との時間も大事だと思うからです。
もしそうだったら、次女が中学生になるくらいまではサラリーマン一本だったかもしれません。。
パラレルワールド(並行世界)の自分はそうしてそう(笑)
逆に、独身だったり、特に趣味がなかったら、すぐに始めていた可能性もありますね。
飲食業として大事な「他店を食べ歩いて勉強する」ということも出来なくなるので、このような時間が取れなくなることも、十分に考慮しておく必要があります。(週末飲食業を始める前に食べ歩きをしまくっておく)
やはり本場で”体感”するのは良い刺激になりますね。
ちなみにバンコクの旅行記をブログにまとめています♪
平日サラリーマン・週末飲食業のメリット・デメリットまとめ
ということで、今回は「平日サラリーマンをやりながら、週末に飲食業を行う場合のメリット・デメリット」を紹介しました。
最後に簡単にまとめておきます。
平日サラリーマン・週末飲食業のメリット
- 「生活費が保証されている」→一番のメリット。『無敵の店』状態で「経営の経験値」を積むことができる。
- 「独立する前の“慣れ”の期間が作れる」→「許される期間」を利用して自店をブラッシュアップしていける。
- 「本業と副業の相互利益が得られる可能性がある」→違う業種の場合は、さらに多くの相互利益が得られる可能性がある。
平日サラリーマン・週末飲食業のデメリット
- 「体力的に、かなりしんどい」→一番のデメリット。自分の休みは無い。過労死する可能性も。
- 「本業に支障をきたす可能性がある」→本業にも副業にも支障をきたし、「相互損失」を起こす可能性がある。
- 「サラリーマン・飲食業以外の時間がほぼ取れなくなる」→それでもよいと思う覚悟と体力が必要。
自分は開業から最初の4年半は「平日サラリーマン・週末飲食業」だったわけですが、今でもこのスタイルは「やって良かったな」と思っています。
なぜならこのスタイルだと「デメリットよりもメリットの方が大きかった」と思うからです。
過労死しそうになった部分もありますが、それでも「生活費の保証」「慣れ」「精神的な安定」は、自分にとっては大きなメリットでした。
『小さく生んで大きく育てる』ということわざがあるように、飲食業に限らずビジネスというものは、小さく始めた方がリスクが低いのかもしれないですね。
本当に“小さく始めた”典型といえると思います。
今回の記事が、自宅飲食店開業希望の方に少しでもお役に立てば幸いです。
どうもヨッシー店長です。