チラシ、ビラ、フライヤー、これらの言葉は基本的には同じらしいのですが、ただニュアンスとしては…
- チラシ=人や家に配布する印刷物(新聞の折り込みチラシなど)
- ビラ=人目につく場所へ貼ってある印刷物(電柱などに貼ってある迷い犬お知らせなど)
- フライヤー=小型サイズの印刷物や厚みのある印刷物(ショップカードなど)
という意味合いが強いようです。
どうもヨッシー店長です。
先月、自店のチラシを一新しました。
通常飲食店のチラシというと、売りになる食事メニューの写真、値段、商品説明、店内写真、地図、住所、電話番号などが載っているイメージですが、うちの店の場合は情報が多いので(曜日によって業態が違うなど)、今回のチラシは上記のようなデザインにしました。
キュレーションサイトなどではよくあるグリッドデザイン(マス目デザイン)を採用し、情報が多くてもごっちゃごっちゃしないデザインにしてみました。
前回のチラシデザインはこんな↓感じなのですが、
今回の横型デザインに変えてから、お客さんのチラシ持ち帰り率が3倍に増えました。
もちろん時期的にお客さんが増えたことなどもありますが、「持ち帰る確率はかなり上がったな」と全スタッフが感じています。
変更したのはデザインのみです。
果たして新規のデザインにはどんな秘密があるのでしょうか?
ということで今回は個人飲食店の開業講座の第8回目として、「お客さんに見てもらえるチラシデザインの作り方」をまとめてみたいと思います。
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
スポンサードリンク
持ち帰り率が3倍になった新チラシの特長
まずは、今回の新チラシの構成内容を説明したいと思います。
店名ロゴは左上に配置
通常、人がチラシ、雑誌、ウェブサイトなどを見る(読む)場合、視線が「Z」の文字を書くように動きます。(左上→右上→左下→右下)
なので、無意識的に「左上には重要度の高い項目がある」と思われている場合が多いです。
そんなこともあり、チラシの左上には「一番伝えたいことを配置」するようにします。
自分の場合、このチラシの目的は「カフェガパオのことを知ってもらう」ということなので、左上には店名ロゴを配置しています。
これでお客さんには『あ、カフェガパオの説明をしたいチラシなのね』と無意識で訴えることができます。
縦のラインでエリア分け
今回のチラシでは、縦のラインでエリア分けをしました。
- 左ライン…主に食事メニューの情報→“何屋”なのかの説明
- 中央ライン…ランチボックス、店内風景、お子様、レンタルカフェ、物販、ペットの情報→どんなサービスが行われているのかの説明
- 右ライン…駐車場、地図、電話番号、メールアドレス、住所、ホームページアドレス、各SNS、広告、サービス券→行動に移すための情報
関連情報をまとめることによって、「見やすさ」「理解してもらいやすさ」を極力上げました。
Z視線を3回に分ける
縦のラインでエリア分けすることによって、それぞれのラインで「Z視線」の動きが起きます。(今回のチラシの場合は3回)
これは1回のZ視線よりも、より多くの情報を見てもらえる可能性が高いです。
チラシのアクション手順
今回のチラシを見た場合、お客さん(見込み客)はどのようなアクションを起こすかを順番にまとめてみました。
- 写真情報でアイキャッチ(視線を捕らえる)する。
- 文字情報で詳細情報を伝える。
- 更なる詳細情報を伝えるためにホームページやSNSに誘導する。
- クーポン券で来店動機を作る。
となっています。
前述したように、まずは写真によるアイキャッチで”チラシの全体像”を見てもらいます。
その後、文字情報で補足情報を確認してもらいます。
文字情報ではまだ不十分なので、ホームページやSNSを見てもらって更なる興味を持ってもらいます。
興味を持ってもらうだけではそこで終わってしまうため、実際に来店してもらえるように、クーポン券で来店動機を作っています。
※クーポン券があることによって「じゃあ試しに行ってみようか」と思わせる仕掛けにしています。
お客さんに見てもらえるチラシの重要ポイント
次に、お客さんに見てもらえるチラシデザインの重要なポイントを説明します。
一番知ってもらいたい情報の写真は大きくする
うちの店はなんだかんだ言ってもタイ料理の店。
そして一番知ってもらいたい情報は、「カフェガパオのガパオご飯」というメニューです。
なので、ガパオご飯の写真は一番大きくしています。
一番大きい写真は、お客さんの無意識レベルで「これが一押し情報ですよ!」と訴えることができます。
「”左上”の大きな写真には、かなりの訴求力がある」と考えるといいでしょう。
基本的にみんな文字は読まない、なので写真は多用した方が良い
通常、人は写真情報と文字情報があったら”写真情報”に目が行きます。
写真情報で大まかな解釈をして、文字情報はその写真の補足くらいに考えます。
なので、写真を多用した方が”より興味を持ってもらえる”といえます。
また、写真が多いと視覚的に”ワクワク感”を演出することができます。
SNSのインスタグラムが人気なのも、”写真がメイン”だからでしょうね。
不安要素を極力消す
飲食店のチラシの場合、お客さんが気になるポイントがいくつかあります。それは…
- 料理のジャンル、内容
- 価格
- 営業日と営業時間
- 席数
- 店舗の場所
- 駐車場の有無(何台まで停められるか、近所にコインパーキングなどはあるか)
などです。
飲食店なので、料理のジャンル、内容などは必須ですね。
価格も必須ですね。
ただ、価格はデカデカと表示させてしまうと“広告チラシ感”が出るので、工夫が必要です。
特に赤文字のゴシック体などで「バーンッ!」と表示させてしまうと、チープ感が出てしまって捨てられる可能性は高いでしょう(笑)
自分の場合は、今回のチラシでは価格は”あえて小さく”しました。
理由としては、「パンフレット感を出したかった」から。
価格で釣るのではなく、“店舗自体に興味を持ってもらう”部分にフォーカスしました。
※ただ、若干後から「あ、価格はもう少しわかるようにしても良かったな…」と思いましたが…(^-^;)>
営業日と営業時間も必須ですね。
うちのように特殊な業態の場合は、営業日と営業時間はわかりやすく表記しておかないと、せっかく来店したのに『え?今日お休みなの?』ということになる場合もあります。
こうなるとお客さんの確認不足とはいえども、来店前から多少なりとも印象は悪くなることでしょう…。
そうならないためにも、目立つように営業日と営業時間は記載した方がいいですね。
店舗の場所は、住所だけではなく、できれば地図が掲載されている方が望ましいですね。
住所のみだと、もし近所だったとしても想像ができません。
ある程度の場所が想像できないと、『どこだかよくわからないし、まあいっか…』という気持ちにさせてしまいます。(機会損失)
駐車場の有無は、地方都市で駅前ではなく、うちのような住宅街にあるような店舗には必須情報です。(ここ、かなり重要です)
車で行ったはいいが駐車できなかったら、そこまでの交通費も時間も無駄になっちゃいますからね…。
これも来店前から印象が悪くなってしまいます。
可能であれば、文字で書くよりも写真で停められる場所を表示した方が良いかと思います。
来店動機になるものを作る
実際にチラシを見てもらうところまで進んでも、『へぇー』で終わってしまうことも多々あります。
興味を持ってもらうだけでは弱いので、“来店動機になるもの”を作る必要があります。
来店動機になるものとは、『じゃあ試しに行ってみようかな』と思わせるもの。
カフェガパオの場合はチラシにクーポン券(店長の気まぐれスイーツプレゼント)を設置しています。
実際、これによって来店に繋がっていることも多々あります。
まあ正直クーポン券は普通ですけどね…(^_^;)
ここら辺はそれぞれのお店で考えてみるのも楽しいかと思います。
うーん、今パッと考えてみると…
例えば「黒髭ゲームで黒髭を出したら、お食事代全額無料!」とかね(^▽^;)
割引券とかはもはや当たり前すぎて、個人的にはあまり良い印象はないですね…。
来店動機になるものは、アイディア次第で色々できると思います♪
今どきはチラシも無料で作れる!おすすめのチラシ作成サイト・アプリは?
今回自分が作ったチラシは『Adobe Photoshop』というソフトを使って作りました。
もう20年前から使っているソフトなので、自分はこのソフトで作るのが作りやすいですが、今時はウェブサービス(オンラインデザイン)やスマホのアプリでもチラシが作成できます。
一応自分がわかる限りでおすすめを紹介してみたいと思います。
Picky-Pics
『Picky-Pics』というオンラインデザインツールがあるのですが、手軽にチラシを作るには良いサービスです。
堅苦しい説明をするよりも、まずは↓の42秒の動画を見てもらえればと思います。
クリック操作で簡単にチラシが作れます。
こちらは主にパソコンで作る用ですね。
Adobe Spark Post
スマホ用アプリなら、『Adobe Spark Post』がおすすめですね。
“Adobe”と付いているだけあって、自分が使っているPhotoshopと同じメーカーのアプリです。
こちらはテンプレート(ある程度できているデザイン)を選んで、写真や文字を編集していくアプリです。
ただしiOS用アプリなので、iPhoneやiPadがないと作ることができません。。(Webでは使えます)
また、こちらはチラシというよりも単純なフライヤー作りに適しているようにも思います。
なのでそこまで細かい造りにはできませんね…。
まとめ
ということで、今回の講座では「お客さんに見てもらえるチラシデザインの作り方」を個人オーナーの視点で考えてみました。
まとめるとこんな感じです。
- 店名ロゴは左上に配置→視線はZ文字に動くので、左上には「一番伝えたいことを配置」するようにする。
- 縦のラインでエリア分け→関連情報をまとめることによって、「見やすさ」「理解してもらいやすさ」を上げる。
- Z視線を3回に分ける→より多くの情報を見てもらえる可能性が高い。
- チラシのアクション手順→
- 写真情報でアイキャッチ(視線を捕らえる)する。
- 文字情報で詳細情報を伝える。
- 更なる詳細情報を伝えるためにホームページやSNSに誘導する。
- クーポン券で来店動機を作る。
- 一番知ってもらいたい情報の写真は大きくする→”左上”の大きな写真には、かなりの訴求力がある。
- 写真は多用した方が良い→基本的にみんな文字は読まない、写真が多いと視覚的に”ワクワク感”を演出できる。
- 不安要素を極力消す→「料理のジャンル、内容」「価格」「営業日と営業時間」「席数」「店舗の場所」「駐車場の有無」は必ず表記する。特に地方では駐車場の有無は重要。
- 来店動機になるものを作る→『じゃあ試しに行ってみようかな』と思わせる仕掛けを作る。
- 今時はチラシも無料で自作が可能→『Picky-Pics』『Adobe Spark Post』などで簡単に作ることが可能。
となりました。
今回は自店のチラシを例に説明してきましたが、応用できることもあるかと思います。
今回の講座内容が参考になれば幸いです。
それではまた次回の講座でお会いしましょう!
飲食店を独立・開業したい方達のための協力支援サイト 飲食開業Navi
コメントを残す