自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件とは? 保健所のチェックポイントは? 現役カフェオーナーが詳細を説明します!

自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件
ヨッシー店長
最後にやった資格試験の勉強は「愛玩動物飼養管理士」。10年前に取ったのでもうほとんど覚えてないです…。
どうもヨッシー店長です。

 

今回は、前回からスタートした「自宅飲食店の開業講座」の第2回目です。

※前回の講座はこちら→「自宅を改装して飲食店を開業!現役タイ料理カフェオーナーが自宅飲食店のメリット・デメリットをまとめてみた

 

自宅飲食店もテナント店舗も、開業で必要な「資格や手続き」は、基本的に一緒です。

ただし用途地域(住宅地・商業地・工業地などに区分した地域のこと)によっては、「自宅飲食店の開業がしにくい地域」なども存在します。

また自宅飲食店の場合、食品衛生法に基づいた「施設条件」をクリアする必要があります。

ということで、今回は「自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件」に関して講義していきたいと思います!

 

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自宅飲食店開業に必要な資格

自宅飲食店開業に必要な資格

食品衛生責任者資格

「食品衛生責任者」の資格は、自宅飲食店に限らず、飲食店開業には必須の資格です。

飲食店を営業する場合、必ず一人は食品衛生責任者を置かなければなりません。

店舗に食品衛生責任者が一人居ればいいので、必ずしも経営者や調理担当者が持っていなくても問題はありません。

 

資格といっても厳密な試験があるわけではなく(簡単なテストがある程度)、講習を1日(6時間程度)受ければ誰でも取得できます。

費用も1万円程度です。

各自治体にもよりますが、年間を通して講習開催日がそれ程多くはないので(1,2ヶ月に1回程度)、飲食店開業を決めたらすぐに取得しましょう。

飲食店オーナーは他のスタッフに指導する立場なので、必ず取得しておきましょう。

ちなみに、調理師や栄養士などの人は、講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。

ヨッシー店長
講習会では「知っているようで知らない事」を教えてくれたので、予想外に勉強になりました。特に食中毒の知識はその後の経営にも大きく関わる事なので、この際に勉強しておくといいですね。

 

防火管理者資格

「防火管理者」の資格は、店舗に一定数の人数が出入りする場合は必要になる資格です。

防火管理者資格は「甲種防火管理者資格」と「乙種防火管者資格」に分かれます。

  • 「甲種防火管者資格」…店舗の収容人数が30人以上になる場合
  • 「乙種防火管者資格」…店舗の収容人数が30人未満、延床面積が300㎡未満の場合

 

自宅飲食店で収容人数30人以上は稀だとは思いますが、もし30人以上入る店舗の場合は「甲種防火管者資格」を取得しましょう。

講習時間と受講料は…(2018年9月現在)

  • 「甲種防火管者資格」…講習時間は10時間程度、受講料は7500円。
  • 「乙種防火管者資格」…講習時間は5時間程度、受講料は6500円。

 

調理師免許はいる?いらない?

よく誤解されますが、飲食店開業に調理師免許はいりません。

調理師免許はあって越したことはありませんが、飲食店開業には何も関係がありません。

どちらかというと、飲食店開業(継続)には「経営学」の勉強が大事です。

 

自宅飲食店開業に必要な届出・手続き

飲食店営業許可

「飲食店営業許可」は、飲食店開業に必須です。

営業許可は、食品衛生法に基づき各自治体の保健所が行います。

 

営業許可が降りるまでの流れは、

  1. 保健所で事前相談
  2. 必要書類の提出
  3. 実地検査
  4. 許可
  5. 営業許可書交付

となります。

事前相談から営業許可書交付までは、2週間程度かかると考えておきましょう。

もし実地検査でNGがあり、店内の改善工事が必要な場合はさらに時間がかかります。
※「改善工事+実地検査2回目」の時間がかかります。

ヨッシー店長
うちも実地検査でNGがあり、改善工事をしたため開業が少し遅くなりました。それでも結局は”自宅”なので、店舗家賃を無駄に払うことはありませんでした。(←自宅飲食店の良いところ)

 

ちなみに飲食店営業許可ではなく、「喫茶店営業許可」という営業許可もあります。

喫茶店営業許可の場合は、

  • アルコールの提供はできない。
  • 軽食以外の料理提供はできない。

となっているので注意が必要です。

できれば汎用の利く「飲食店営業許可」をとっておきましょう。

 

個人事業の開業届出・廃業届出等手続

これは、いわゆる「開業届」のことです。

自宅飲食店を開業したら、1ヶ月以内に税務署に開業届を提出しましょう。

 

税務署に行って、受付で『開業届を提出したいんですけど…』と話せば、必要書類を教えてくれるので、それを書いて提出すれば受理されます。(※印鑑が必要なので持っていきましょう)

開業届はこんな感じ↓

個人事業の開業届出・廃業届出

※詳しくは国税庁の「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」を参照下さい。

人を雇わず個人のみで開業する場合、書くのに悩むのは「屋号」でしょうか。

屋号は店名でなくても構いません。

飲食業以外にも事業展開を考えている人は、共通で使用できる屋号にした方が便利でしょう。

 

ちなみに開業届時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出すると手間が省けます。

青色申告承認申請書はこんな感じ↓

所得税の青色申告承認申請書

※詳しくは国税庁の「[手続名]所得税の青色申告承認申請手続」を参照下さい。

青色申告は最大65万円の特別控除を受けられます。

白色申告でも結局やることは“ほぼかわらない”ので、どうせなら青色申告の方がおすすめです。

ヨッシー店長
自分も青色申告でやっていますが、開業にかかった費用が高額だったので、青色申告でかなりの額が節税につながりました。
青色申告に関してわからない場合は、税務署に相談してみて下さい。「青色申告会」などに加入するのもいいかと思います。

 

場合によって届出が必要なケース

「人を雇わず、個人で自宅飲食店を営業する」場合はあまり関係ないかもしれませんが、以下の項目は場合によって届出が必要になります。

対象ケース 届出 届出先 届出期限
店舗の収容人数が30人以上になる場合 防火管理者選任届 消防署 開業日まで
自宅飲食店として内装工事を行った場合など 防火対象物使用開始届出 消防署 使用開始7日前まで
深夜12時以降に酒類を提供する場合(バーや居酒屋など) 深夜酒類提供飲食店営業開始届 警察署 営業開始の10日前まで
パブ、スナック、キャバクラなど接待営業を行う飲食店を開業する場合 風俗営業許可申請 警察署 営業開始の約2ヶ月前まで
法人(会社)で飲食店を開業する場合 法人設立届出 税務所 設立後2ヶ月以内
従業員を雇って営業する場合 給与支払事務所等の開設届出 税務所 開設後1ヶ月以内
従業員を雇って営業する場合 雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所 設置の翌日から10日以内
従業員を雇って営業する場合 雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所 資格取得の事実があった日の翌月10日まで
労働保険の適用事業となった場合 労働保険の保険関係成立届 労働基準監督署 保険関係が成立した翌日から10日以内
ヨッシー店長
上記の表を見てもわかるように、従業員を雇うと手続きが増えます。
なので、自宅飲食店の場合は一人で始める、または家族に手伝ってもらって始めた方が開業しやすいといえます。

 

自宅飲食店の開業条件とは?

自宅飲食店の開業条件

飲食店開業には、様々な法的条件をクリアしなければいけません。

ここでは自宅飲食店開業に関する法的条件を紹介します。

 

開業立地条件

「飲食店を開業できる場所(用途地域)」というものが、法律(都市計画法)で決まっています。

用途地域マップ

各自治体の「都市計画図」を見るとこのように色で区分けされています。

自宅飲食店の場合、

『兼用住宅で、非住宅部分の床面積が、50㎡以下かつ建築物の延べ面積の2分の1未満のもの』

という条件をクリアすれば、用途地域の「工業専用地域」以外であれば、基本的に開業が可能です。

 

ただし、「店舗の床面積が50㎡以上のやや大きな自宅飲食店」を開業したい場合は、住んでいる用途地域でそれぞれ制限が変わってきます。

以下は用途地域によって開業できる飲食店の大きさの一覧表になります。

用途地域一覧

※大きい画像はこちらから

例えば、「床面積が150㎡以下の2階建ての自宅飲食店」を開業する場合は、表の「第一種中高層住居専用地域」よりも右の用途地域でなければ開業できません。

自宅がどの用途地域に該当するかは、各自治体(市役所など)に問い合わせて、しっかり事前確認をしましょう。

 

施設基準条件

飲食店を開業するには、食品衛生法の「施設基準」をクリアしないと開業ができません。

また、施設基準には「共通基準」「特定基準」があり、飲食店はそれぞれをクリアする必要があります。

以下、自宅飲食店開業前に「保健所が主にチェックするポイント」を中心にまとめておきます。

 

共通基準

  1. 飲食店の店舗スペースと住宅部分は、壁やドアなどで間仕切りされている必要がある。
  2. 厨房の内壁は、床面から1m以上の高さまでは耐水性材料を用い、それより上の壁の色は明暗(色の区別がある)があり、清掃しやすい構造であること。
  3. 厨房内は換気が十分行われる構造にする必要があり、必要に応じて強制換気装置を設ける必要がある。
  4. 厨房内には、従業者専用の手および指を洗浄するための消毒剤を備えた流水式の手洗い設備の設置が必要。
  5. 厨房内は自然光が十分に入る構造で、夜間においては100ルクス以上の明るさが必要。
  6. ゴキブリやネズミなどの侵入防止設備が必要。
①の間仕切りは、自宅エリアと店舗エリアが完全に分かれている必要があります。
③の強制換気装置は、もし焼き肉屋など煙が多く出るような業種の場合は必要になるでしょう。ただし周りの住環境を考えると焼き肉屋開業は注意が必要です。
ヨッシー店長
カフェガパオ間仕切り

カフェガパオは店舗と自宅の間仕切りは扉で完全に分けています。

カフェガパオの場合は、②と④でNGが入り、追加工事が入りました。
②は耐水性の壁紙に張り替えればOKでした。

④は手洗い設備の”大きさ”に問題があり、一回り大きいものに差し替えが必要でした。

手洗い設備NG

この手洗い設備は保健所からNGが入りました。

手洗い設備OK

「L5」というサイズで保健所からOKが出ました。

 

特定基準

  1. 厨房スペースと客席スペースは、扉で間仕切られている必要がある。(ウエスタン式のカウンター扉でもOK)
  2. 厨房には、2槽以上の洗浄設備(シンク)を設ける必要がある。(食器洗浄機は1槽としてカウントされる)
  3. 客席スペースには、手洗い場とトイレの設置が必要。
  4. 冷蔵庫、冷凍庫に温度計が設置してあること。
ヨッシー店長
カフェガパオの場合は、①でNGが入り、急遽大工さんに余っている扉を使って簡易カウンター扉を作ってもらいました。
上記はあくまで基本的なチェックポイントなので、各自治体の保健所に事前相談をしておきましょう。
※参考までに福井県の施設基準のリンクを掲載しておきます。

 

自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件のまとめ

自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件のまとめ

ということで、今回は自宅飲食店開業に必要な資格・届出・立地条件・施設条件を説明しました。

上記を簡単にまとめると・・・

 

  • 飲食店は「食品衛生責任者」の資格さえあれば誰でも開業が可能。資格自体は簡単に取れる。
  • 30人以上お客さんの出入りのある店舗では「防火管理者」の資格が必要。
  • 飲食店開業に「調理師免許」はいらない。
  • 「飲食店営業許可」は飲食店開業に必須です。保健所で許可をもらいます。
  • 自宅飲食店を開業したら、1ヶ月以内に税務署に「開業届」を提出する。
  • 「飲食店を開業できる場所(用途地域)」というものが、法律で決まっているので、自宅が対象かどうかを確認する必要がある。
  • 飲食店を開業するには、食品衛生法の「施設基準」をクリアしないといけない。

 

となりました。

今回の情報が、これから自宅飲食店を開業しようかと考えている方に少しでもお役に立てば幸いです。

 

ヨッシー店長
もし自宅飲食店開業で気になることがあれば、無料メール相談を行っていますので、お気軽に「お問い合わせ」よりメール下さいね♪


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ABOUTこの記事をかいた人

yoshitencho

1976年生まれの二児の父。タイ料理カフェ『カフェガパオ』のオーナー。料理担当。3DCG、Webデザイン、ネットショップなどを経験しつつ、現在は飲食業を主軸に多角度的活躍を狙う、自称「ハイパー飯屋クリエイター」。SF映画が好きで特にアメコミ系と時間軸系が好物。100mの至近距離でUFOを見たことがある。