『コウノドリ 第10話 出生前診断』を視聴して、ダウン症児の親である僕が思ったこと

『コウノドリ 第10話 出生前診断』を視聴して思ったこと

好きな鳥は白鳥。

『ダイヤモンドダストォーーー!!!』byキグナス氷河

どうもヨッシー店長です。

 

先日、ブログのアクセス数が急激に上がっていることに気付きました。

なんだろう?と思い、早速リサーチ。

すると、金曜ドラマ『コウノドリ』が関係していることがわかりました。

コウノドリの第10話で『出生前診断』の話をやったようで、それに関連する『ダウン症』を検索する人が増えて、自分のブログのアクセスも増えた様子でした。

そんなこともあり、自分もドラマが気になり早速見てみました。

 

ということで、今回は『コウノドリ 第10話 出生前診断』を視聴して、ダウン症児の親の視点で思ったことを書いてみたいと思います。

 

スポンサードリンク


 

感想はズバリ、『考えさせられた』

まず、第10話の全体的な感想としては、『考えさせられた』というのが、主な感想です。

 

「命とは、いったいどこからどこまでが”命”と呼べるものなのか…」

 

そんなことを考えさせられる内容でした。

 

出生前診断に関しては、つい先日参加した『日本ダウン症会議』でも扱われていたので、すんなり内容が入ってきました。

※NIPT(新型出生前診断)に関しては「日本ダウン症会議に参加した感想とダウン症の人の就労状況と医療で学んだこと」という記事でも書いていますので、よかったらご参考下さい。

 

 

※以下、ネタバレも含まれるので、見たくない人は飛ばして下さいね。

 

 

出生前診断の負の側面

医師たちが出生前診断に関して会話しているシーンで、「出生前診断が手軽に検査できるようになった分、負の面も出てきているのだなー」と思いながら見ていました。

 

ちなみに負の側面とは以下のようなことです。

  • きちんとした遺伝カウンセリングを行わず、出生前診断を行える医療機関があること
  • 検査結果だけを聞かされて、あとの判断は自己判断になること(それによってパニックになる)
  • 出生前診断の検査結果だけで簡単に中絶すること
  • 出生前診断の検査結果が出た後どうするかを決めずに、出生前診断をすること

 

子供を諦める理由も人それぞれ

ドラマでは子供を諦める理由も人それぞれあると説明していました。

  • 1組目の夫婦(高山夫婦)は、家族(親)の同意を得られず、将来に自信を持てないから
  • 2組目の夫婦(辻夫婦)は、経済的な理由や長女のことを考えて
  • 中学・高校生による若年期での妊娠のため(女医の話)
  • 性暴力による予期せぬ妊娠のため(女医の話)

 

性教育が進歩していない

医師たちの会話シーンで、一人の女医が『性教育、全然アップデートされていないですからね』と言っていました。

「確かにそうだよなー」と自分も思いました。

 

自分が学生の頃(1990年前後)は、学校教育でも積極的に『もっと性教育をしっかりやっていこう!』という流れになっていましたが、2000年代に入ってからは『性教育にはあまり触れないでおこう』というそれ以前の流れに戻ってしまったようです。(※先日ラジオに出演していた教育関係者の話から抜粋)

 

直結しないかもしれないですが、「もしかしたら性教育をしっかりやらない部分が”少子化”にも繋がっているのではないかな?」と個人的には思っています。

自分が学生時代に受けた性教育では、避妊教育を中心に『セックスするなら避妊しなさい』が多くて、『子供を持つ素晴らしさ』の教育は全然なかったように記憶しています。

まあ『子供を持つ素晴らしさ』の教育は、本来は親がやるべきことなのかもしれないですけど…。

でもその『子供を持つ素晴らしさ』が抜け落ちている状態での性教育は、表面的な教育でしかないように思いますね。

現在の学校ではどんな感じで性教育やっているんだろうか…?

 

嫁の事が心配だと言っているけど、本当にそれだけ?

1組目の夫婦(高山夫婦)の両家の両親が集まって、夫の父が『今回は諦めた方がいいのでは?』と言うシーンがあります。

その中で、夫の母が『透子さん、皆あなたの事が心配なのよ』と言います。

 

自分はこれを聞いて、もちろん嫁の事が心配なのは本当だろうけど、「でも本当にそれだけ?」とちょっと捻くれた見方をしてしまいました。

 

以前、自分のところに相談にきた女性からこんなことを聞きました。

『うちの実家(とある地方都市)では、生まれてくる子供が障害児では”ダメ”なんです』

と。

 

日本も地域や世代で色々な考え方があります。

地域によっては「障害児=世間様に顔向けができない」と思っている人も少なからず存在しています。

「障害児を育てる=不幸な人生になる」と思われている人も多いのでしょう。

自分も多少なりそう思っていた節はあるので、気持ちはわかります。

 

でも、ダウン症の優を8年以上育てていて、『障害児を育てる=不幸な人生になる』なんていうことは、「単なる思い込みでしかなかった」と今は実感しています。

優、そして家族みんなが居て、本当に幸せだと思っています。

たまに優がダウン症であることを忘れているくらいです(^_^;)

 

妻とよく言うのは、「今の記憶を持ったまま過去に戻れるとして、もし優を妊娠した頃にダウン症とわかっても生んでいるよね」と話しています。(今の優に逢えないなんて考えられない)

今現在僕ら夫婦にとってはダウン症は優の特徴の一つにしかすぎず、大した問題ではないんですよね。。

 

話が逸れましたが、日本って、障碍者を含めた多様性社会のレベルが、まだまだ低いのでしょうね…。(特に村社会があるような地域では)

この面では諸外国(特に欧米)に比べたら、まだまだ発展途上だと思います。

 

多様性社会のレベルを上げていくには、「地道に”凡例”を増やしていくしかない」と思っています。

障碍者がいるのが当たり前の社会になれば、出生前診断で悩む夫婦も少なくなるのではないでしょうか…。

うちの優も、その”凡例”になったら嬉しいですね(^-^*)

 

ダウン症児の母親は何を思った?

現実社会でもダウン症児の親である奥山佳恵さんが、ダウン症児の親役で

『このまま生まれる前の検査が当たり前になって…どんどんダウン症のある子、いなくなっちゃうんじゃないかなって…』

と悲しげに言うシーンがあります。

 

この女性は、将来ダウン症のある子がいなくなってしまうことによって、何を思ったのでしょうか?

 

自分は「多様性の無い社会(障碍者がまったくいない社会)ってどうなんだろうね?」と言いたかったように解釈しました。

 

若干話が逸れますが、これは極端に言うと、『優生思想社会って幸せなの?』とも置き換えられるようにも思います。

※優生思想社会とは、現代の価値基準でいう”優れた人間”だけが存在する社会のこと。

 

優生思想社会、自分はこれは単なる”幻想”としか思っていません。

なぜなら、優れた人間だけ残していっても、またその優れた人間の中で排除される人間が出る。そしてさらにその先の世代でも排除される人間が出る…。この繰り返し。

この考え方が根底にある社会では、人類が絶滅でもしない限り、永遠に同じことが繰り返されることでしょう。

なので、ダウン症のある子がいなくなっても、きっと他の障碍者がまた対象になっていくのだと思います。

 

これを”進化の過程”と考える人もいるかもしれませんが、果たしてどうなのでしょうか…。

優生思想で突き進むと、最後は人間もロボットになるかもしれないですよね。

「”意識”だけが人間」みたいな。(表面上は全てが完璧)

 

っていうか今のこの世界も、実は人間は”生体ロボット”なのかもしれませんよね(^_^;)ブレードランナー的な…。

 

次の子で出生前診断を受けていたら…

2組目の夫婦(辻夫婦)が、公園で長女を見ながら

『私たちがいなくなった後、あいり(長女)に全部任せるなんてできないよ』

と言うシーンがあります。

 

これは自分も気持ちがよくわかりますね…。

「あいり」を「翠」に置き換えて考えることはよくあります。

 

もし翠が長女で、次の子で出生前診断を受けていたらどうしていたことでしょうね…。

…うーん、正直これはその立場にならないとわからないです。

 

自分はそういう意味でも、「NIPT(新型出生前診断)が受けられるようになる前に優が生まれてよかったな」と思っています。

翠を妊娠した時には既にNIPTはありましたが、受けなくてよかったと今も思っています。

もし受けていたら、きっと辻夫婦のように悩み苦しんでいたことでしょうね。

 

全然関係ないですが、りょうは良い演技しますね(^-^*)

 

ダウン症に関して、短いけど適切な説明が素晴らしい

高山透子が『ダウン症の子を育てるって大変ですよね?』と先生方に問うシーンで、今橋先生がこう説明します。

 

『まず知的な発達には違いがあります。

お母さんやお父さんとは同じ成長や発達ではないと思います。

心臓病や呼吸器疾患などを持たれることも多いです。

生まれてからも数回手術が必要になる場合もあります。

ただ、ダウン症のある子供たち自身は、悩まず幸福を感じて生きていける子も多いというデータもあります』

 

「短いけど、適切な説明だなー」と感心してしまいました。

解説についている先生や脚本家さんが凄いんでしょうね。

 

ちなみに、この『悩まず幸福を感じて生きていける子も多いというデータ』というのは、厚労省研究班による調査結果を参考にしているかもしれません。

12歳以上のダウン症のある人852人が回答した結果では、『毎日幸せに思うことが多い』と答えた人は、「はい」「ほとんどそう」を合わせると91.8%になるという結果報告があります。

先日参加した日本ダウン症会議でもその報告がありました。

 

ダウン症のこと自体は、旧ブログで結構な長文でまとめた記事がありますので、よかったらそちらもご覧下さい。

ダウン症児の親が教える本当の原因と15の特徴

 

ヨッシー店長のつぶやき

ということで、今回はドラマ『コウノドリ』の出生前診断の回を見て思ったことを書いてみました。

 

書きながら思ったのですが、

「よっぽどの理由がない限りは、出生前診断は受けない方がいいのかもしれない…」

自分はそう思いました。

ドラマに出てきた夫婦のように悩んでしまうから…。

 

出生前診断を受けるか受けないかは、その両親の自由にするべきだと自分は考えています。

なので、出生前診断自体に肯定も否定もありません。

ただ、受けることによってメリットもあれば、デメリットもあるのだなと改めて感じました。

今回のドラマでは、そのデメリットの部分を上手く表現していたと思います。

 

ちなみにダウン症会議で講演されていたお茶の水女子大学大学院三宅先生が言うのには、『出生前診断を受けるのは、妊娠している人の2%程です』とのことでした。

出生前診断で先天性の染色体異常(ダウン症など)があった場合の中絶率が高いのも(90%以上)、そもそも診断を受ける側が偏っているからでしょう。(元々『染色体異常があったら中絶しよう』という意思がある人)

そういう意味では、今回ドラマに出てきた夫婦は、レアケースなのかもしれません。

 

来週、最終回で透子が出産するようなので、その後どうなるかを見たいと思います。

長文最後までありがとうございました(^-^)/


スポンサードリンク

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

アバター画像

1976年生まれの二児の父。タイ料理カフェ『カフェガパオ』のオーナー。料理担当。3DCG、Webデザイン、ネットショップなどを経験しつつ、現在は飲食業を主軸に多角度的活躍を狙う、自称「ハイパー飯屋クリエイター」。現在は「自宅飲食店開業の専門家」としても活動中。SF映画が好きで特にアメコミ系と時間軸系が好物。100mの至近距離でUFOを見たことがある。