
2019年に自店でキャッシュレス決済を始めて、早6年程が経ちました。
6年利用してきて知見も溜まってきましたので、
今回は
『自宅飲食店はキャッシュレス決済を導入すべきか?』
と題して、自宅飲食店はキャッシュレス決済を導入した方がいいのか?メリット・デメリットは?を考えてみたいと思います。
結論
まずは結論から。
小さな自宅飲食店であっても、キャッシュレス決済は
導入した方が良い
です。
理由は、キャッシュレス決済を導入した方が
「デメリットよりもメリットの方が大きい」
からです(^-^*)
ではそのメリットとはどんなものがあるのでしょうか?
以下、解説します。
※特定のキャッシュレス決済会社に忖度することなく、あくまでも個人飲食店目線で評価します。
キャッシュレス決済導入のメリット
客単価の向上
キャッシュレス決済は現金で支払っているのと違い、「お金が減ってしまった」という感覚が薄くなりがちです。
そのため、商品が多少高くても『まあいいか、その分ポイントも増えるし』という心理になって、客単価は上がる傾向にあります。
また、支払いのハードルも下がるので「ついで買い」も増えます。
結果的に客単価は上がる傾向にあります。
集客につながる
各キャッシュレス決済では、ポイント還元やキャンペーンなど随時行っているので、これを機に来店するお客さんが増える傾向にあります。
また、「せっかく来たのだから」という心理も働いて、より多く購入する可能性が高まります。
多くのキャッシュレス決済を網羅していれば、その分来店確率も上がります。
若年層や現金を持ち歩かない人など、キャッシュレス決済を好む層への集客効果も期待できます。
インバウンド需要に対応できる
昨今日本で増えている外国人観光客はクレジットカードやQRコード決済を好む傾向があります。
キャッシュレス決済に対応することで、彼らを顧客として獲得しやすくなります。
観光地はもちろんですが、自宅飲食店のような小さな飲食店であっても「来店確率の底上げ」は可能な限り行っておいた方が良いでしょう。

レジ作業の効率化
現金の釣銭準備やレジ締め作業の時間が短縮されます。
現金の取り扱いが減ることによって、「釣銭間違い」などのミスも減ります。

『こちらのQRコードを読み込んで支払い金額を打ってくださいね』
とお客さんに案内すれば、お客さんが支払い準備をしている間も作業をすることができるので、仕事効率は上がります。←地味にこの時間は積み重なると大きい。
衛生面でのリスク軽減
現金に触れる回数が減ることによって、衛生面でメリットがあります。(現金は汚いため)
また、非接触になることでコロナ禍の時にあったような感染症対策にも繋がります。

顧客満足度の向上
キャッシュレス決済は、現金での支払いよりも便利でスムーズなため、顧客の満足度を高める効果が期待できます。
また、各キャッシュレス決済を利用するとポイントを得られることが多いので、その部分でも顧客の満足度向上が期待できます。

お客さんが支払い時に「なんか損したな」と思わせるようなことはなるべく避けた方が良いですね。信用や印象はお金では買えないものなので。。
防犯効果
現金の取り扱いが少なくなるため、多額の現金を店内に保管しておく必要もなくなります。
もし強盗や空き巣などが店内に侵入してきても、被害を最小限にすることができます。
また、両替のために大量の現金を持つ必要もなくなります。
レジ閉めの負担軽減
営業終わりに行う「レジ閉め作業」は、従業員にとっては負担になる作業です。
釣銭などにズレがなければいいですが、ズレがあった場合「どこで間違ったのだろう?」と模索する無駄な時間が発生します。
キャッシュレス決済が導入できれば、レジ閉めで現金を数える手間が減り、作業時間は減ります。
キャッシュレス決済導入のデメリット
導入・運用コスト
決済端末やシステムの導入には初期費用がかかり、また、キャッシュレス決済の利用を促すための宣伝や顧客への説明にも費用がかかります。
ただし、『Square』や『Airレジ』などのプラットフォームを利用すれば、かかるコストはタブレットなどの端末代のみです。
また、経済産業省が行っている「IT導入補助金」などを活用すれば、端末代なども補助されるため、無料でスタートすることも可能です。
決済手数料がかかる
決済ごとに手数料が発生し、売上を圧迫する可能性があります。
2025年現在だと、概ね3%前後の手数料が発生しています。
飲食店がキャッシュレス導入を躊躇する一番の理由が、この「決済手数料」です。
飲食業では10%の利益が出れば良いと言われていますが、そこから3%が削られるのは大きな痛手なのは確かです。

現在の考え方としては、「決済手数料=広告費」と考えています。
実際に集客効果もあるので、その考えも間違っていないと思います。
ただ諸外国に比べると、店負担の手数料が高すぎると思っています…(-_-;)
入金までに時間がかかる
現金決済とは異なり、入金までに時間がかかるため、キャッシュフロー(資金繰り)に影響が出ることがあります。
飲食業界の界隈は、現金仕入れのところ(食材の仕入れ業者、農家など)も多く、いまだに現金が必要な場合が多いです。
そのため、キャッシュレス決済で入金までに時間がかかると、その現金支払いができなくなり、黒字倒産になる可能性もあります。
システム障害や電波障害
システム障害や電波障害が発生した場合、決済ができなくなる可能性があります。
特に災害等で停電になって、Wi-Fi環境が切断されると何もできなくなります。
現金払いとの両立
現在の日本では、キャッシュレス決済の普及が進んだとしても、「現金決済が無くなる」ということはないでしょう。
そのため、多少なりとも現金を用意しなければならず、「現金管理+キャッシュレス決済管理」となり、仕事の総量は増えてしまいます。
高齢の経営者の人の中には、キャッシュレス決済の理解に乏しい人も多く、導入を見送っているケースも見受けられます。
まとめ
総合的に考えると、やはりキャッシュレス決済を導入した方が、飲食店にとってはメリットの方が大きいように感じます。
デメリットで書いた一部も「問題回避」することが可能です。
- 「導入・運用コスト」は、初期費用無料のプラットフォームを利用、IT導入補助金を利用すれば負担0円。
- 「入金までに時間がかかる」は、正直入金時間でキャッシュアウトするような店舗(自転車操業)であれば、いずれ潰れるのも時間の問題。
- 「システム障害や電波障害」は、結局現金も扱うのだから、決済の最終手段は残っている。
以前に比べて減ってはいますが、各キャッシュレス決済会社では度々キャンペーンを行っているので、これを機会に来店するお客さんも多いです。

この時はコロナとも重なっていて、とても多くのお客さんがご来店してくれました。
決済手数料は確かに高いと思いますが、個人的には
「決済手数料=集客手数料」
とも考えているので、「損している」とは思っていません。
特に開業から数ヶ月経った飲食店は集客に困るお店も多いでしょうから、キャッシュレス決済を導入して「集客の間口」を広げてみるのもいいかもしれないですね(^-^*)
キャッシュレス決済を「集客手段の一つ」と考えた場合、多種多様なキャッシュレス決済を網羅している『Square』や『Airレジ』などのプラットフォームを利用するのは、現段階では良い選択肢かなと考えています。

ただし『PayPay』だけ個別で契約しています。これはAirレジでPayPayを利用するよりも、PayPay単体で決済した方が決済手数料が安いからです。
楽天ペイやauペイなども個別契約の方が安いのですが、管理の手間を考えると2種(AirレジとPayPay)くらいに抑えておくのがベストと考えています。
『PayPay』は2025年現在でも利用率が高く、「20%ポイント還元」などの自治体キャンペーンも行っているので、どこのキャッシュレス決済を利用しようか迷ったら、まずは『PayPay』を単体で導入してみるのもいいかもしれませんね。
ということで今回の記事が、自宅飲食店開業を目指す人のお役に立てば幸いです。
どうもヨッシー店長です。