飲食店の集客方法は20年前に比べると、かなり大きく変わりました。
2000年以降の大きな流れは…
- 【2000年代前半】
現在でも通用する基本的な集客方法(看板やポスティングなど)の他、紙媒体の無料クーポン雑誌(ホットペッパーなど)に出稿することも多かった。
- 【2000年代後半】
基本的な集客方法は継続。グルメサイト(食べログなど)が台頭。ネット上のメディア(ブログなど)からも流入が増えてくる。
- 【2010年代前半】
基本的な集客方法は継続。グルメサイト全盛期。SNSからの集客が徐々に増えてくる。
- 【2010年代後半】
基本的な集客方法は継続。グルメサイトはやや衰退。SNSからの集客が一般的になる。Googleマップ経由での集客も増えてくる。
- 【2020年代前半】
基本的な集客方法は継続。グルメサイトはコロナの影響もあってかなり衰退。SNSからの集客が当たり前になる。Googleマップ経由での集客がかなり増える。
といった感じで、飲食店の集客方法はこの20年間で
「アナログからデジタルに移行」
していきました。(※完全にデジタルに移行したわけではない)
また、デジタルが主流になったことで、誰でも
「お金をかけずに集客」
が、できるようになっていきました。
しかも、商圏外の地域にも無料で告知ができ、県外からの集客も容易に行えるようになりました。(場合によっては海外からの集客も可能)
この10年、自分は外部広告(新聞チラシへの掲載広告やグルメサイトへの広告出稿など)に頼ることなく、インターネットを最大限に活用して「全て無料で集客」を行ってきました。(前職でネット広告やマーケティングに携わったこともあったので)
そんな自分が、2022年現在
「無料&集客効果の高い集客方法」
を、自店の実績に合わせて発表したいと思います。
※「新規顧客用」「リピート顧客用」それぞれのTOP5を発表!
今回の記事が、飲食店の集客方法にお悩みの方の参考になれば幸いです。
※下記の各ランキングは、2021年の自店の実績から算出したものとなります。
【新規顧客用】ネット集客方法TOP5
まずは「新規顧客(初めて来店する)」のネット集客方法TOP5から。
新規顧客で集客効果の高かった集客方法は以下の通り。
【2位】Instagram
【3位】PayPay
【4位】食べログ
【5位】Facebook
※2021年カフェガパオの実績に基づく。
順に詳細を見ていきましょう。
【1位】Googleマイビジネス
新規顧客で最も効果のあった集客方法は「Googleマイビジネス(Googleマップ)」でした。
なぜGoogleマイビジネスが新規顧客で最も集客効果が高いかというと、
「新規顧客=土地勘の無い人は、
GoogleのWEB検索、もしくはGoogleマップにて
キーワード検索する」
からです。
(例えば『近くのレストラン』などで)
また、WEB検索結果画面ではGoogleマイビジネスの情報が「必ずトップ」に表示されるため、
「即アクションに繋がりやすい」
という利点があります。
新規顧客の場合、最初に見るのは、主に
- お店の場所(検索している場所から近いか遠いか)
- 写真(メニューや店の雰囲気など)
- クチコミの評価(★4以上)
です。
この時点で「遠い店」「写真が少ない店」「評価の低い店」は選考外となります。(今すぐ行きたいと思っている人が多いため)
遠い店かどうかは、検索している人の場所次第で変わるので仕方ないですが、
写真やクチコミの評価に関しては店側の努力次第で変わってきます。
特にクチコミの点数は「お店選びの最初の指標」になる場合が多いので、
「飲食店経営では無視することができない」
といえるでしょう。
ちなみに写真はお店側も投稿が可能なので、ルーティンを決めて定期的に投稿を行っていきましょう。(Googleマイビジネスの『写真』から簡単に投稿ができます)
Googleマイビジネスの詳細は「飲食店のWEB集客方法で「Googleマイビジネス」が最強である理由とは?現役カフェ経営者が導入すべき8つの理由を説明!」という記事でも説明していますが、
Googleマイビジネスは
「新規顧客集客との親和性が高い」
といえます。
理由は前述したように、
「知らない土地で『この近くで良い飲食店ないかなー』と調べる人が、Google WEB検索、Googleマップを利用するため」
です。
要は、
「飲食店探しのはじめの一歩をGoogleマイビジネスが握っている」
といっても過言ではありません。
2022年現在でも、「WEB検索」「マップ検索」共にGoogle一強時代となっています。
インターネットからの集客を考えた場合、Googleを無視することはできないでしょう。
なので、『飲食店のネット集客は何からやればいいのかわからない…』と思っている人は、まずはGoogleマイビジネスの設定から取り組みましょう。
【2位】Instagram
飲食店においてInstagram(インスタグラム)からの集客は、もはや切り離せないものになっています。
「飲食店で写真を撮る=インスタにアップする」といっても過言ではないでしょう。
新規顧客の場合、Googleマイビジネスのように即来店につながるわけではありませんが、Instagramに継続的に情報発信することによって、
『あれ?この店、この前も見たな…。どんな店なのかな?』
と興味を持ってもらいやすくなります。(単純接触効果を高める)
やがてこの興味が『よし、今度行ってみよう』という来店動機に繋がっていきます。
※もちろん写真や動画がそれなりにフックのあるもの(気になるもの)でなくてはなりません。
Instagramは集客できるまでに時間がかかるかもしれないですが、「見込み顧客に興味を持ってもらいやすくなる」という部分は、 Googleマイビジネスよりも優れているともいえます。
単純接触効果を高めるためにも、「定期的に配信」「同じ時間帯に配信」を心掛けるようにすると集客効果が出やすくなります。
「飲食店経営で、どのSNSを使えばいいかわからない…」と迷っている人は、まずはInstagramから活用することをおすすめします。
【3位】PayPay
2020年~2022年にかけて飲食店集客において「新たな新興勢力」が登場しました。
それが、PayPay(ペイペイ)です。
『え?PayPayって、キャッシュレスアプリでしょ? なんで飲食店集客と関係あるの?』
と思われた方、以下説明しますのでお待ちを。
ご存じの通りPayPayはキャッシュレスアプリです。
※2022年現在、QRコード決済アプリでは国内シェアNo.1
PayPayでは頻繁にキャンペーンを行っているのですが、現在このキャンペーンをきっかけに来店数が増えています。(※カフェガパオの実績に基づく)
例えば、『街のお店でPayPay支払いすると、20%分のポイント還元!』などのキャンペーンがあると、見込み顧客には
という心理になり、来店動機が生まれます。
これはかなりのインパクトがあり、来店数が1.5倍に膨れ上がりました。
PayPayは今後もキャンペーンを頻繁に行うようなので、「集客ツール」としての側面もあると言えそうです。
【4位】食べログ
全盛期は過ぎたものの、食べログからの新規顧客の流入は2022年でもそれなりに影響力はあるといえます。
ただし3位のPayPayとの距離はだいぶ開いていて、「やらないよりは、やっておいた方が良い」程度のイメージ。(無料プランで)
食べログの利用イメージは
- 大箱店(居酒屋など)の情報を見る時に利用する。
- Googleマイビジネスに掲載されていない情報の補足として利用する。
- 利用するのは主に40代以上で、若い人はあまり利用しない。
など。
食べログは、Googleマップのように「その場ですぐに探す」には適しておらず、Instagramのような来店動機も「薄い」と言えるでしょう。
食べログでこの状況なので、他のグルメサイトは「衰退している」と言っても過言ではないでしょう。(コロナの影響も甚大)
【5位】Facebook
「ホームページは無いけどFacebookページならある」という個人飲食店はわりと多く、結果的にそこから新規顧客の流入があります。
また、Googleウェブ検索の検索結果ページではFacebookページがトップページに出てくることもあり、そこからの新規流入もあるでしょう。
ただしFacebookの利用者も40代以上が多いため、若い世代をターゲットにしている飲食店では集客効果は低いといえます。(若い世代は他のメディアで調べる)
【リピート顧客用】ネット集客方法TOP5
ここからはリピート顧客(再来店するお客さん)のネット集客方法TOP5です。
リピート顧客で集客効果の高かった集客方法は以下の通り。
【2位】Instagram
【3位】ホームページ
【4位】PayPay
【5位】Facebook
※2021年カフェガパオの実績に基づく。
順に詳細を見ていきましょう。
【1位】LINE公式アカウント
リピート顧客(再来店する)で最も効果のあった集客方法は「LINE公式アカウント」でした。
1位の理由は1つ。
「メルマガ反応率が圧倒的に高い」
からです。
一般的なポスティングの反応率は0.1%程度と言われています。
しかしながらLINE公式アカウントのメルマガの反応率は驚異の「10%」!
開封率も「80%」と驚異的!
※ カフェガパオ実績に基づく。
つまり
「LINEメルマガを送ると、多くの人に開封され、さらに実際に来店する人も多い」
ということです。
飲食業はリピータービジネスなので、再来店を促せるツールはとても重要です。
LINE公式アカウントのような「再来率がここまで高いツール」は、恐らく他に無いと思います。(しかもリアルタイムで告知可能)
また
「LINE公式アカウントに登録する」=「ポイントカード作成」
となるため、ポイントカードによっても再来店を促せます。
※LINEのポイントカード(LINEショップカード)の詳細はこちら↓で書いています。
飲食店用ポイントカードをLINE@を利用して【無料】で導入!メリット・デメリット、設定手順を紹介!
ただしLINE公式アカウントにも弱点が2つあります。
1つは「店舗のLINE会員に登録」してもらわなくてはいけないこと。
そのため、まずは「如何に登録をしてもらうか」を考える必要があります。
もう1つは、1ヶ月に送れるメルマガの件数は1000件までとなっているため、「会員数が1000件を超えた場合は有料プランに入らないといけない」こと。
(メルマガ1000件までは無料、それ以上送る場合は月5000円がかかる)
ただ、上記2つのデメリットがあったとしても、LINE公式アカウントを利用するメリットは多大にあると言えます。
『待ちの業態』といわれる飲食業で「こちらからダイレクトに営業できる」というのは、超強力販促ツールといっても過言ではないでしょう。
【2位】Instagram
新規顧客でも2位だったInstagramが、リピート顧客用でも2位となりました。
そうなんです、Instagramは新規顧客もリピート顧客にも効果がある万能集客ツールなんです。
特にInstagramから新規顧客になった人は、その店をフォローしている場合が多いので、『あ、今日はこんなメニューやってるんだ。じゃあ行ってみよう』と再来店につながる可能性が高いです。
再来店への「好循環サイクル」を作るためにも、Instagramで「定期的な配信」「フォローを促す施策」を行いましょう。
新規顧客でもリピート顧客でも集客力があるInstagramは、飲食店なら是非やっておきたい集客ツールといえます。
【3位】ホームページ
これは店舗によっては6位以下になる可能性もありますが、当店の場合はホームページからの再来店が多いため3位にさせて頂きました。
ホームページは
「時代に左右されずに安定的な再来店を促せる集客ツール」
です。
現在はInstagramからの集客は確かに強いですが、これは時代が変われば他のツールに成り代わる可能性も十分ありえます。
でも時代がいくら変わったとしても、ホームページが「独自メディア」である以上、他のツールに代替えされる可能性は極めて低いといえます。(独自ドメインのページであればなおさら)
そしてホームページは作り込む事によって、その店の
「知の集積所」
として存在し、
「安定的に再来店を促せるツール」
となりえます。
これはどういうことかというと…
当店の具体例で説明すると、ホームページは以下のように作り込んでいます。
- 全てのSNS、全てのグルメサイト、全てのメディアが最終的に辿り着く「店舗の詳細情報・最新情報」は全てホームページになるよう組み立てている。(知の集積所)
- ホームページでは、SNS等含めた全ての情報を存在させているので(ホームページから各主要メディアに飛べるようにもしている)、これによってお客さん側で極力「情報の取りこぼし」が無いようにしている。(ホームページに行きさえすれば全ての最新情報がわかるような仕組み)
- ホームページ独自のコンテンツ(店長のつぶやきブログなど)を作る事によって、単なる店舗説明メディアにしていない。(ホームページを生きているメディアにする)
上記のような作り込みによって、「ホームページというメディアの価値」を上げています。
2022年現在、SNS、グルメサイト、アプリ、雑誌、新聞、チラシ…と様々なメディアで、店舗情報が発信されています。
各メディアにはそれぞれ「得意不得意」があるため、これらの情報を「一本にまとめる」という意味でも、ホームページは重要な存在といえます。
Googleマイビジネス、instagram、PayPayなどから店舗を知った人が『もっとお店の情報が知りたい!』と思った時、全ての情報がまとめられているホームページがあると「信用度」が上がります。
そして信用度がさらに上がっていくと、「ファン度」も上がっていきます。
実はこのファン度の上昇こそ、「再来店率の上昇に大きく関わっている」といえます。
現在は無料で簡単にホームページが作れる時代になっています。
飲食店経営をするなら是非ホームページは持っておきましょう。
ちなみにうちのGoogleマイビジネス用ホームページはこんな感じ
【4位】PayPay
ここでも出ましたPayPay(笑)
PayPayでキャンペーンを行なっている場合、新規顧客の集客にも効果がありますが、リピーター顧客の集客効果もあります。
お客さんの心理としては
今キャンペーンやっているし、久々に行ってみるか!
となるわけです。
ただし、このような心理になるためには、あらかじめ「PayPayが使えるお店である」と認知されている必要があります。
他のキャッシュレス決済でも同様のことはいえますが、PayPayは「国内シェアNo.1であり、かつキャンペーンが頻繁に行われる」ので、キャッシュレス決済でのリピート獲得率は最も高いといえるでしょう。(2022年現在)
『長い物には巻かれろ』とは言いませんが、シェア数が多いということは、それなりにリピート見込み客は増えることになります。
やはり「使い慣れている」ということが大きいのでしょうか。
PayPayは2021年10月から「1.98%(ライトプランなら1.6%)の手数料」を取り始めましたが、店舗にメリットをもらたらすキャンペーン(集客力が高い)を頻繁に行なっているうちは「集客ツール」として考えておいてもいいかもしれませんね。
【5位】Facebook
5位はFacebookとなりました。
が、「無料で集客できるツール」の中ではFacebookが僅差で効果ありといった感じで、Twitterやその他SNS、グルメサイトなどとそう変わりません。
「Instagramは見てないけどFacebookは見ている」といったリピート見込み客向けといった感じ。
ただし、新規顧客の場合でも書きましたが、Facebook利用者の年齢層はやや高め(40代以上)なので、店舗によってリピート集客効果には差があるといえるでしょう。
2022年版「無料&集客効果の高い集客方法」まとめ
ということで、今回は2022年版の「無料&集客効果の高い集客方法」を自店を参考にまとめてみました。
大まかな概要は以下の通り。
新規顧客で集客効果の高かった集客方法
【1位】Googleマイビジネス →新規顧客集客との親和性が高く、即アクションにも繋がりやすい。
【2位】Instagram →集客までには時間はかかるが、興味関心を持ってもらいやすい。
【3位】PayPay →キャンペーンをきっかけに来店者数が増える可能性が高い。
【4位】食べログ →2022年でもそれなりの影響力はあると思われるが(全盛期は過ぎている)、利用年齢層は高め。
【5位】Facebook →WEB検索結果画面で上位表示される、ホームページは無いがFacebookページならある飲食店が意外と多い、などの理由から結果的に新規の流入がある。
リピート顧客で集客効果の高かった集客方法は
【1位】LINE公式アカウント →メルマガの開封率・反応率が桁違いに高く、このような集客ツールは他に無い。
【2位】Instagram →フォロワーが発信情報を見ることによって再来店を促せる。
【3位】ホームページ →「知の集積所」になれば、時代に左右されずに安定的な再来店を促せる集客ツール。
【4位】PayPay →キャンペーンが多いので来店動機を作りやすい。
【5位】Facebook →instagram以外のSNSでは比較的リピートをさせやすい。
新規顧客では「Googleマイビジネス」がダントツの集客効果があり、
リピート顧客では「LINE公式アカウント」がダントツの集客効果があります。
特にこれから飲食店を開業するなら「Googleマイビジネス」は必須といえるでしょう。
自店が「観光施設の近所にある」逆に「周囲に何もないエリア」であれば、「マップ検索」される可能性が高いので、是非登録することをおすすめします。
飲食業は「待ちの業態(お客さんが来るのをひたすら待つ)」と言われますが、「LINE公式アカウント」を利用すれば
「攻めの業態(LINEメッセージで来店を促せる)」
にもなれるため、導入しておいた方が良いでしょう。
余談ですが…
新規顧客集客、リピート顧客集客、いずれも今回はランク外になりましたが、『YouTube』等の動画コンテンツ集客は、まだまだ可能性を秘めていると感じます。
YouTube等の動画コンテンツはインプレッション数(見られる回数)も多く、宣伝効果は高いといえます。
ただ、飲食店を経営しつつ(特に現場仕事も行う個人店などは)、動画を撮影して編集する時間はほぼ皆無なので、現時点ではあまり現実的ではありません。
自分も現場仕事を離れない限り、YouTubeでの動画配信の時間はなかなか確保できないと感じています。
もし時間に余裕があれば、動画コンテンツで集客するのもいいかもしれません。(数は少ないけどそういう個人店もあるので)
飲食店の集客方法は時代と共に変化します。
今回は2022年版の「無料&集客効果の高い集客方法」を紹介しました。
飲食店経営には、なかなか大変な昨今ですが、飲食店経営者の皆様、共に踏ん張っていきましょう!(^-^)q
今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。
どうもヨッシー店長です。