
自分は現在の飲食業界を
「暗黒時代」
と呼んでいます(笑)
2025年現在は…
- 原材料費の高騰
- 円安で輸入食材の高騰
- 人件費の高騰
- 人手不足
- 求人しても応募が無い
- 結果的に求人費高騰
- 飲食業界で働くことへの嫌悪(特に若い世代)
- 光熱費の高騰
- スタグフレーション(賃金は上がらず、物価のみが上がる)による外食費のカット
- コロナ禍によって二次会需要の激減
- 若い世代の飲酒離れ
- ラーメン業界に言われる「1000円の壁」
- 飲食市場は競合が多いため、安易には値上げがしにくい環境
- スーパー・コンビニの総菜レベルの上昇
- 冷凍食品のハイクオリティ化
などなど、飲食業界にとっては「逆風(負の環境)」が吹きまくっています。
このような環境下で、飲食コンサルの方などは
『原価や人件費を見直しましょう!
フードロスを改善しましょう!
付加価値を提供して値上げをしましょう!』
などと言われることも多いのですが…
これってもう既にやっている飲食店が多いと思うんですよね(^-^;)
恐らく今生き残っているお店は、何かしら対策を行ったからこそ生き残っているんだと思います。
正直「これ以上はどうにもこうにも…」というお店が多いことでしょう。

2025年以降もこの逆風は、まだしばらく続いていくと思います…。
ではこの逆風をどう乗り越えていけばいいのか?
ということで今回は
「暗黒時代に飲食店はどうやったら生き残っていけるのか?」
を現役オーナーが本気で考えてみたいと思います。
ちなみに生き残るためにやる施策は、個人的には以下の2つのことだと考えています。
- デジタルツールを徹底的に活用して人的リソースを確保する
- 複数の収益源を考え、実行する
【1】デジタルツールを徹底的に活用して人的リソースを確保する
飲食業界はとにかく「人手不足」なので、いかに「少人化させるか」が、生き残りのポイントになります。
少人化するには「デジタルツールを徹底的に活用」することが必須となります。
具体的には以下のものがそれにあたります。
① 予約・注文システムの自動化
予約管理を自動化
- ネット予約を自動化することによって、電話対応の手間を削減できる。
- 空席管理やリマインド通知でキャンセル率を下げられる。
- 予約管理システムとしては、ホームページ、SNS(LINE、インスタグラム、など)、グルメサイト(食べログ、ぐるなび、など)の他、最近では専用の予約管理システム(TableCheck、TORETA、RESERVA、など)を導入している事例もあります。

うちも基本的には最終的なネット予約はホームページに集約しています。
モバイルオーダー・セルフオーダーで少人化
- モバイルオーダー・セルフオーダー(SmartOrder、O:der、UOrderなど)が導入できると、顧客がスマホで直接注文することによってホールスタッフの負担を軽減できる。
- 注文と同時に決済もできるため、レジ作業も減る。
- ただしスタッフの声掛けによる追加注文や接客接点が減るというデメリットがある。
(※接客接点は「ファン化」に繋がる部分なので大事)
POSレジシステムで作業軽減化
- POSレジシステム(Square、Airレジ、STORESレジ)の導入でレジ閉め作業の負担が減る。
- 会計を効率化し、売上・在庫管理と連携できる。
- キャッシュレス決済にも対応できる。
② 業務効率化・人材不足対策
シフト管理ツールを活用
- シフト作成・管理をクラウド化し、スタッフ間の連携をスムーズにできる。
『シフオプ』『LINE WORKS』『KING OF TIME』などがある。
人材募集・採用支援ツールを活用
- 短期アルバイトやスタッフ募集を効率的に行うことができる。
『Airワーク』『Indeed』『タイミー』などがある。
勤怠管理・給与計算ツールを活用
- 出退勤の記録を自動化し、給与計算・労務管理を簡素化できる。
『freee人事労務』『ジョブカン』『SmartHR』などがある。
③ 集客・マーケティング
- 新規集客は『Googleビジネスプロフィール』で集客間口が拡大化できる。(Googleマップ上での集客力をアップ)
- リピーター集客は『LINE公式アカウント』のメルマガ機能で強力訴求が可能。
- SNS運用支援ツール(『SocialDog』など)を利用して、SNSを一元管理することが可能。
④ テイクアウト・デリバリー強化
- テイクアウト・デリバリー専用システム(PICKS、TakeEats、Uber Eatsなど)を利用して、店舗アプリやサイトで注文を受け付け、人的リソースを削減できる。
- QRコード決済・キャッシュレス導入(PayPay、Square、Stripeなど)を利用して、キャッシュレス決済を導入し、会計スピードを向上させることができる。
⑤ 販促業務の簡略化
- 画像生成AIを活用し、店頭ポップや販促物のデザインを生成して、デザイン考案時間を削減。
- 『ChatGPT』を利用して、販促に必要なキャッチコピー、多言語翻訳、店舗の要約文などを作成。
【2】複数の収益源を考え、実行する
現在は原材料費、人件費、光熱費等が上がっている状況なので(今後も上がり続ける可能性もある)、「イートイン(店内飲食)」だけでは利益の確保が難しくなっています。
そこで、イートイン以外の「複数の収益源」を考えていくことが、生き残りのポイントになっていくでしょう。
以下、複数の収益源の一例になります。
既存の飲食事業を強化する収益源
① サブスクリプションモデル
- 月額制の会員プラン(定額でランチやドリンクが何回か無料)
- テイクアウト・デリバリーの定期便(毎週決まったメニューを配送)
- オンライン料理教室(動画配信 or Zoomレッスン)
② 物販・EC(ネットショップ)
- 自家製ソース、スパイス、ドレッシング、冷凍食品の販売
- オリジナルグッズ(エプロン、カトラリー、Tシャツなど)
- 食材キット(「お店の味を自宅で再現できる」キット)
③ 企業向けサービス
- 仕出し弁当、ケータリングサービス
- 法人向け福利厚生プラン(企業契約で月額食事提供)
- 料理監修(レシピ提供、メニュー開発のコンサル)
飲食業の枠を超えた収益源
④ SNS・メディア活用
- YouTubeやTikTokで料理系コンテンツを発信し、広告収益・企業案件を得る
- ブログ運営(アフィリエイト広告、レシピ本販売)
⑤ レンタルスペース・シェアリング
- 昼と夜で違う業態にする(昼はカフェ、夜はバーなど)
- 定休日を他のシェフに貸し出す(シェアキッチン)
- 料理教室やワークショップの開催(外部講師とのコラボも可)
⑥ 自動販売機・無人販売
- 店の前や近隣に冷凍食品の自販機(ど冷えもんなど)を設置
- 無人販売所(おにぎり、パン、総菜など)

新規の業界に参入する場合、例えその業界でそこそこ上手くいくようになったとしても、その業界のトップには追いつくことはほぼ不可能だといえます。なぜなら自社が伸びた分、トップはさらに伸びていくからです。差が縮まったとしても相対的にはその差は変わらないことでしょう。
それであれば、飲食業界を主軸にして、関連する業務を開拓していった方が良いといえます。(ピボット戦略)
まとめ
現在の飲食業界は、原材料費や人件費の高騰、人手不足、消費者の外食離れなど、数々の逆風にさらされており、「暗黒時代」とも言える状況です。
多くの飲食店は既にコスト削減や値上げなどの対策を講じていますが、それでも厳しい状況が続いています。
こうした環境の中で生き残るためには、「デジタルツールの活用による人的リソース確保」と「複数の収益源の確保」が重要になります。
デジタルツールを活用し、予約・注文・決済などの業務を効率化することで、人手不足を補いながらコストを抑えることが可能です。
また、店内飲食だけに頼らず、テイクアウト・デリバリー、物販、サブスクリプション、企業向けサービスなど、多様な収益モデルを導入することが求められます。
飲食業界の未来は厳しいものの、戦略的にデジタル化と事業の多角化を進めることで、生き残る道はあります。
今後も業界の変化を見据えながら、柔軟に対応していくことが鍵となるでしょう。

どうもヨッシー店長です。