フードトラック(キッチンカー)で飲食店開業!移動販売のメリット・デメリットは? 固定店舗(通常の飲食店)と比較して考えてみた&ベストな開業手順とは?

フードトラック(キッチンカー)のメリット・デメリット
ヨッシー店長
カフェガパオ2号店を出すなら「フードトラック」もありかもしれない…と思う今日この頃。
どうもヨッシー店長です。

 

ここ数年、フードトラック(キッチンカーとも呼ぶ)の数が劇的に増えています。

10年以上前は、クレープ屋や焼き鳥屋などが主流でしたが、現在はタイ料理、アルゼンチン料理、中近東料理、ユダヤ料理、マクロビオティック料理など、様々なフードトラックが出店しています。(参考:ネオ屋台村

 

固定店舗(通常の飲食店)に比べて初期投資が少なく、フードトラックを用意し、保健所の許可が取れれば、すぐに開業することが可能です。

 

実は最近、自店(カフェガパオ)の休業日(火~木曜日)に、このフードトラックが出店しています。

ニワトリトラック

フォー(ベトナムヌードル)とカオマンガイ(タイの蒸し鶏乗せご飯)を販売するフードトラック『ニワトリトラック

 

そんなこともあり、ちょっとフードトラックのことが気になったので、色々と調べてみました。

ネットには様々な情報が出ていますが、今回は固定店舗のオーナーである自分から見た「移動販売(フードトラック)のメリット・デメリット」を、固定店舗と比較しながら分析してみたいと思います。

『固定店舗で開業するか?移動販売で開業するか?』とお悩みの方に少しでもお役に立てれば幸いです。

 

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フードトラックで開業するメリット

まずはフードトラック(キッチンカー)で開業する「メリット」をあげてみたいと思います。

 

初期投資(開業資金)が低い

まずはこれが固定店舗に比べると、大きなメリットといえます。

以前「個人飲食店の開業資金ってどれくらい?儲かるの?気になるお金のあれこれ」という記事でも書きましたが、通常の飲食店(固定店舗)を開業する場合、初期投資(保証金、厨房機器費、内装・設計費など)は、300~1000万円は必要だといわれています。

※業種によっては2000万円以上かかる場合もあります。

 

これがフードトラックなどの移動販売の場合は、初期投資はピンキリではありますが、200~500万円で開業することが可能だといわれています。

なぜ初期投資がこれだけ抑えられるかというと、テナントに支払う保証金などが無いのと、内装・設計費などが固定店舗に比べて抑えられる点が大きいといえます。

固定店舗の場合、業種によっては、水道工事やガス工事などで多額の改装費がかかる可能性もあります。

移動販売の場合、車両の改造費はかかるものの、最大でも車1台分の範囲なので、固定店舗に比べると安く収まるといえます。

 

また固定店舗の場合、内装などで店舗の世界観や個性を造り出すことも多く、ここに多額の費用が掛かる可能性があります。

しかし移動販売にはこれが必要ありません。(商品を提供した時点で完結するので)

つまり、内装や家具などに余計な資金を使わないで済みます。

移動販売は、単純に「提供する商品のみで勝負」となりますね。(もちろんこれはデメリットもありますが)

 

とにかく移動販売は、固定店舗に比べて初期投資が圧倒的に低いといえます。

 

店舗家賃が無い

固定店舗の場合、テナントの賃貸契約を結んだ後に内装工事に入るので、店舗を開業する2,3か月前から前家賃が発生してしまいます。

もちろんこの間、売上はゼロです。

しかし移動販売の場合は、基本的には駐車場代がかかるだけなので、家賃は発生しません。

これは大きなメリット(経費削減)といえます。

例えば、固定店舗の家賃1ヶ月で10万円、フードトラックの駐車場代1ヶ月で1万円だった場合、3ヶ月後には…

  • 固定店舗:10万円×3ヶ月=30万円
  • 移動販売:1万円×3ヶ月=3万円

単純計算しても、ここで既に27万円もの差が出るわけです。

移動販売は家賃が発生しないので、車両改造やマーケティングなどに十分時間をかけることもできます。

 

ただし、店舗家賃は発生しませんが、都度ガソリン代や出店料(駐車場代)は必要になってきます。

 

長期休業することもできる

家賃という「固定費」が発生しないという事は、何かの事情で長期間休むことも可能です。(駐車場代や税金等はかかりますが)

もし病気になって暫く休業する場合、固定店舗だと「家賃を払い続けて休業する」か「廃業する」かしかありませんが、移動販売の場合は「家賃無しで休業」することが可能です。

 

人件費が低い、もしくは無い

移動販売の場合、基本的に商品を提供するまでが業務となるので、サービス業務(料理の提供や後片付けなど)が無い分、少ない人数で運営することが可能です。

究極、一人で運営することも可能です。

求人を出しても応募の無い昨今の飲食業界では、「一人でも運営できる」というのは大きな強みといえます。

 

人がいるところに移動できる

飲食業は、何よりも「立地が大事」といわれています。(←個人的には異論もあるのですが、大まかには正しいと思います)

これは移動販売も同様で、人がいる場所に出店できるかどうかで、売上は大きく変わってきます。

むしろ商品のみで勝負することを考えると「立地選びは最重要項目」といえるでしょう。

 

固定店舗の場合、立地選びで失敗するとその分を埋めるには大きな努力が必要です。(山奥でも満席になる店舗にする努力が必要)

しかし移動販売の場合、もし立地選びに失敗しても、その後他の場所に移動することが可能です。

これは固定店舗に比べて「一番のメリット」といえます。

 

まとまった売上を作ることが可能

移動販売といえば、祭り会場やフェス会場などで見かけることが多いと思います。

こういう場所は、まさに「人(お客さん)がいる場所」です。

そういう場所に自ら乗り込むことができるのは、大きなメリットといえます。

そしてそのような場所では、かなり大きな売上が望めます。(その分場所代は高額ですが)

 

ちなみに飲食コンサルタントの人も言っていましたが、このような場所で大きな売上をあげるには「とにかく数を売る」ことが大事です。

オペレーション(提供方法)を単純化し、注文から提供までを1分以内で済ませるようにするのがコツです。

例えば、1皿700円の商品を1分で提供できれば、1時間で売上は42000円です。
これが4時間続けば168000円です。

もし一人で営業していた場合、168000円の売上はかなり大きな収入といえます。(もし30%が自分の取分であれば、50000円程が1日で入ってくる計算になる)

このように移動販売では、まとまった売上を作ることが可能といえます。

 

お客さんとの距離がダイレクト

固定店舗の場合、その多くはキッチンスタッフとホールスタッフに分かれてしまうため、どうしても接客はホールスタッフが行うことになります。

しかし移動販売の場合は、「オーダー→調理→提供」までを一人で行えるので、お客さんとダイレクトにやりとりができます。

時間に余裕があれば、常連さんと会話をすることもできます。

ここら辺は、ある種「バーテンダー」に似ているかもしれませんね。

 

出店曜日・出店場所によってメニューを変えることができる

固定店舗の場合、「〇〇屋」としてスタートしたたら、それ以降はメニューを大きく変更することは、なかなかできません。

例えばタイ料理屋で始めた後に、内装そのままで月曜日はイタリア料理、水曜日は和食屋などにはなれません。

 

しかし移動販売で出店曜日や出店場所が毎回変わる場合、出店場所に合わせてメニューを変えることもできます。

極端なことを言うと、男性サラリーマンが多い場所ではラーメン屋、OLがが多い場所ではエスニック料理屋、などの使い分けもできるわけです。

要するに、出店場所に合わせて店舗を「カスタマイズすることができる」ということです。

上記の事例はあまりオススメはできませんが(移動販売であってもできればリピーター獲得を目指した方が良いので)、しかしながら固定店舗にはできないメリットといえます。

この場合フードトラックの外装は、汎用性の高いデザインにする必要があります。(例えば、イタリア国旗カラーの外装なのに、和食を出すのは違和感があるため)

 

固定店舗を構える前の準備ができる

移動販売を行っている人の中には『いずれは固定店舗を持ちたい』と考えている人も多いことでしょう。

前述したように、いきなり固定店舗を開業するのには、大きなリスクが存在します。(多額の初期費用など)

そのリスクを減らすためにも、移動販売で飲食業のノウハウ(主に経営面)を勉強して、固定店舗開業の準備を行うことができます。

 

また、移動販売で事前に常連客を増やし、その常連客を固定店舗へ誘導できれば、固定店舗の経営は開業当初から安定しやすくなるといえます。

実は飲食業では自分のお客さんを「持っているか」「持っていないか」が、結構重要です。

通常、固定店舗の場合は大きな広告を打たない限り、開業後から満員御礼になることはありません。

しかし事前に自分のお客さんを持っていれば、開業後から広告無しで満員御礼を実現することが可能です。

上記を実現するためにも、移動販売時代にメルマガ登録やアンケートなどで「顧客リストを集めておく」ことをオススメします。

 

 

フードトラックで開業するデメリット

次にフードトラック(キッチンカー)で開業する「デメリット」を紹介します。

一見すると移動販売にはデメリットが少ないように見えますが、実はそうでもないんです…。

※フードトラックのオーナーさんにも意見をもらいました。

 

出店場所の確保が難しい

移動販売の要ともなる”立地”ですが、実はこの立地を確保するのが「かなり難題」といえます。

というのも、人が集まる場所というのは、既に他者に確保されている場合が多いからです。(オフィス街などは特に)

他者が入り込んでいない場所を確保するには、「営業力(交渉力)」が必須となってきます。

商業施設、企業、大学、イベント会場などに積極的に営業をかけ、「出店場所を確保する努力」をしなければいけません。

 

最近は『軒先パーキング』のように”場所貸し”を仲介してくれるサイトもあるので、このようなサイトを利用して出店場所を探すのもよいかもしれません。

ちなみに現在出店しているニワトリトラックさんも、この軒先パーキングの姉妹サイト『軒先ビジネス』からエントリーしてもらいました。

 

人がいない場所での集客は難しい

移動販売は基本的に「人がいる場所に出向いて行うビジネスモデル」なので、人があまりいない場所に出店した場合、その環境下で集客することは容易なことではありません。

なぜなら、固定店舗と違ってその場所(住所)に、“常駐”しているかどうかわからないからです。

出店場所が不定の場合は、食べログやぐるなびなどのポータルサイトに登録することも難しく、そこからの集客も期待ができません。(※長期で出店場所が契約できれば別です)

飲食店をウェブ検索する場合、『地名+料理名』で検索されることが多いですが、この場合も”地名”が固定されていないため、検索には引っ掛かりづらいといえます。

 

人があまりいない場所に出店する場合は、「長期での出店が必須」といえるでしょう。

「そこに居る」ということが地元の人に認識され、常連客が付くまでは我慢の日々を過ごすほかないでしょう。

長期出店するのであれば、その地域(半径2km以内)にチラシをポスティングするのもいいかもしれません。(ポスティングは地味ですが、飲食業では今でもわりと効果のある集客方法です)

またSNSでの情報発信は、その日の出店場所をお知らせするためにも必須といえます。

 

できれば固定店舗と同様に「そこでしか体験できない何か」という”武器”があるといいかもしれません。

「国内ではここのフードトラックでしか食べられないメニューがある」
「フードトラックだけど、AlipayやWeChatPayなどの中国人向け決済が充実している」
「世界初!湖の上に浮いている水上フードトラック!」

など、他店との差別化が必要といえるでしょう。

プラス、出店場所の地元野菜を使ったメニューや、地元店舗や企業とコラボしたサービスなどもできるといいかもしれませんね。

 

自治体ごとに保健所の許可が必要、費用もバカにならない

ここまで紹介してきた移動販売とは、フードトラック(キッチンカー)などを指しますが、これらは『食品営業自動車』と呼ばれる営業分野となります。

この食品営業自動車の営業許可は、各自治体の保健所が行います。

各自治体ごとに「営業許可」が必要になるので、例えば千葉県は「千葉市」「船橋市」「柏市」「その他千葉県全域」ごとに営業許可が必要になってきます。

これは千葉市で営業許可を取っても、船橋市で営業するにはまた再度営業許可を取る必要があるということです。

 

そして自治体ごとに「許可申請費用(16000円前後)」が必要になってくるので、様々な自治体をまたがって営業するのはあまり現実的ではありません。

仮に『フードトラックで日本全国行脚の旅!』をもしやろうとすると、許可申請費用だけで数百万円が必要になってきます。

 

また、各自治体ごとにフードトラックの内装の許可基準が変わってくるので、その都度「改造しなければならない」ことになります。

なので移動販売車の製作会社さんには、出店したい自治体”全て”で保健所の許可が下りる仕様にしてもらいましょう。

例えば、平日は東京都で営業するけど、休日は柏市で営業する場合は、どちらの保健所も許可が出るような移動販売車にする必要があります。

 

同時に多品目のメニューは扱えない

移動販売の場合、基本的に多品目のメニューを同時に販売するのは難しいといえます。(例えば、ガパオライス、カオマンガイ、タイカレー、パッタイなどを同時販売)

これは注文時にオペレーションが悪くなることも問題ですが、単純に「そんなに多種類の食材は積めない」という積載問題があります。

フードトラックなどの移動販売車の空間は限られるので、積み込める食材量も限られます。

もし冷蔵庫を搭載できたとしても、あまり大きな冷蔵庫を乗せることはできないでしょう。

 

前述したように、移動販売ではとにかく”数”を売らなければなりません。

多品目のメニューがあった場合、調理法が毎回変わるので、調理時間及び提供時間が延び、結果的に数を売ることができなくなります。

なので移動販売の場合は、メニューを1品などに絞り込み、トッピングなどでバリエーションを付ける方法が望ましいです。

例えばガパオライス専門フードトラックだったら、辛さレベル(唐辛子粉末で調整)、パクチー付き、生バジル付き、つゆだく…などのトッピングでバリエーションを増やします。

 

常温に強いメニューは衛生面で強いが、差別化が難しい

移動販売は、基本的に外気と同じ環境になります。

そのため食材が腐りやすい夏場などは、食中毒を出さないためにも注意が必要です。

そのリスクをなるべく減らすには「常温に強いメニュー」を考える必要があります。

クレープやたこ焼きなどの粉もの、パン類は、常温に強いメニューといえます。(腐りにくい)

生野菜のサラダ、ご飯類などは、常温に弱いメニューといえます。(傷みやすい)

 

こうみると粉ものやパン類を扱った方がいいようにも思いますが、これらは移動販売では”定番メニュー”になっていることもあり、「差別化が難しい」といえます。

もし今からフードトラック(キッチンカー)市場に参入するのであれば、他者がやっていないメニューを扱わないと、差別化を図るのは難しいかもしれません…。(移動販売は提供する商品で全ての価値が決まる)

 

ただ、移動販売は立地で決まる場合が固定店舗よりも強いので、メニューを差別化したからといって、それが本当に差別化に繋がるかどうかは別問題です。

 

別途仕込み場所が必要

各自治体にもよりますが、移動販売車以外で「仕込みをする場所」を別途確保する必要があります。

提供する商品が「既製品だけで出来るメニュー」であれば仕込みは必要ないですが、「切る」「混ぜる」などの下準備が必要なメニューであれば、「仕込みをする場所(営業許可の基準を満たした施設)」が必要になってきます。

 

この部分は移動販売にとっては結構なデメリットで、仕込みをする場所を確保するということは「その分のコスト(場所代など)」が別途発生することを意味します。

最近は移動販売用の共用レンタルスペースも出てきているようですが、こちらはまだまだメジャーではありません。

そうなると「知り合いの飲食店に仕込み時間だけ借りる」というケースが多いようです。

ただ、知り合いの飲食店を借りるにしても、”タダで”というのもなかなか難しいでしょう。

また、知り合いの飲食店を借りる場合、食中毒は絶対に出せません。(保健所の許可をその知り合いの飲食店で通している場合)

そういう意味では、借りる方も貸す方もリスクはあるといえます。

 

もし可能であれば、自宅部分を改造して「保健所の許可が下りる厨房」を造り、そこをベースに移動販売を行った方が、長い目で見たコストは低いかもしれません。

そういう意味では、既に固定店舗を持っているオーナーが、2店舗目として移動販売をするのは最もコストが抑えられる方法かもしれません。

 

電源装置が必要

これは移動販売の業種にもよりますが、冷蔵庫などを設置する場合は「電源装置」が必要になってきます。

出店する場所で電源を借りれればいいですが、無い場合は発電機などを準備する必要が出てきます。

発電機があれば電源には困らない気もしますが、別途発電機用の燃料代が発生します。

ちなみにカフェガパオでは1日500円で電源をお貸ししています。

 

暑さ寒さが容赦ない

移動販売は基本的に”外”にいるのと同じ環境なので、暑さ寒さが容赦ないです。

真夏の車内は外よりも高温になりますし、真冬は寒さ対策をしないと体が冷えて病気にもなりやすくなります。

また、真夏は気をつけないと食材が腐りますし、真冬はガスなどを使う場合は燃料費が上がります。特に食材が腐りやすい時期は食中毒に注意が必要です。

 

信頼を得るのが難しい

移動販売では「信頼を得るのが難しい」といえます。

 

例えば、よく行くスーパーの前に『世界初!焼きたて生メロンパン』のフードトラックがあったとします。(焼きたて生メロンパンはあくまで例え話)

あなたは”初見で買ってみる派”ですか?

 

もちろん初見で買える人はいるとは思いますが、多くの人は様子見するのではないでしょうか?

もし買う場合は、『あ、このフードトラックこの前も来てたな…。焼きたて生メロンパンってどんな感じだろう…?ちょっと買ってみるか…』と、様子見した後に買ってみるのでは?

 

実はこれ、移動販売で一番大きな”デメリット”といえるかもしれません…。

なぜなら移動販売の場合、出店場所やその他の事情により「毎週この曜日の、この時間に、必ず出店できるという保証が無い」からです。

※月極や数ヶ月契約していれば別。

 

つまり移動販売は、「初見でも買わせないといけない業態」といえます。

この部分は固定店舗に比べると「難易度が高い」といえるでしょう。

 

 

フードトラックで開業するメリット・デメリットまとめ

ということで、今回は「移動販売(フードトラック)のメリット・デメリット」を紹介してきました。

ここまでを簡単に表にしてまとめてみたいと思います。

 

メリット

  固定店舗 移動販売
初期投資 300~1000万円の初期投資が必要。 200~500万円の初期投資で済む。初期投資が低い。
内装費 数百万円単位でかかる可能性がある。 車両改造費はあるが、内装費はそもそも必要無い。
店舗家賃 売上の10%にもなる大きな固定費。開業する2,3か月前から前家賃が発生してしまう。 駐車場代・自動車税はあるものの、店舗家賃は存在しない。
長期休業する場合 「家賃を払い続けて休業する」か「廃業する」かを選択。 店舗家賃が存在しないため、長期休業が容易にできる。
人件費 基本的には数名のスタッフが必要。人件費は高い。 一人でも運営可能。人件費が低い。
立地の移動 一度その場で開業したら、移転するまでは立地変更はできない。 店舗が車両なので移動が可能。人がいる場所への移動が可能。(移動販売の一番のメリットといえる)
売上 通常ランチ営業なら… 例:1000円商品×50食=50000円 フェス会場などに出店できれば… 例:700円商品×500食=350000円
お客さんとのやりとり 基本的にはホールスタッフのみ。 一人で運営の場合は、オーナーが直接やりとりできる。(想いを伝えられる
メニュー変更 「○○屋」で開業したらメニュー変更は無理。 出店曜日・出店場所によってメニューを変えることができる。

 

デメリット

  固定店舗 移動販売
立地の確保 開業後はその場所は自店のもの。 出店場所の確保が難しい。また長期間確保できるかの保証はない。
集客 住所が固定されているため、『地名+料理名』などのネット検索で辿り着く可能性がある。 住所が不定のため、ネットからの集客は難しい。集客するには長期出店が必須。
保健所の許可 開業する前に1度だけ必要。その後は数年に一度更新が必要。 出店する自治体ごとに必要。自治体ごとに車両改造の必要性が出てくる。
メニュー数 様々なメニューを扱うことができる。例:『タイ料理屋』で打ち出せる。 多種なメニューは扱えない。例:『ガパオライス屋』とメニューを絞り込む必要がある。
外環境の影響 店舗内はエアコンがあるので、外環境の影響は受けにくい。 基本的に外で営業しているので、暑さ、寒さの影響をもろに受ける。外環境が変化しても影響を受けにくい食材を扱う方が望ましい。ただその場合は差別化が難しい。
仕込み場所 もちろん店舗内。 移動販売車以外に別途仕込み場所が必要。
電源装置 電源確保は問題ない。 電源確保ができない場合もある。その場合は別途発電機が必要。
信頼の度合い 近隣の見込み客は、店舗の前を何度も通っているうちに不信感が消える可能性がある。 長期出店できない場合、初見でも買わせる商品を売らないといけない。

 

ざっと見てみると、メリットとデメリットは同数くらい存在すると思われます。一長一短といったところでしょうか…。

メリットで目立つのは「初期投資が低い」「立地が合わなければ移動できる」という部分。

たしかにこの部分は移動販売ならではのメリットといえそうです。

ただし、立地(出店場所確保)には苦労するといえるでしょう。

 

実は最近、このフードトラック事業には大手企業が参入してきています。

都内のオフィス街、イベント会場などは既に抑えられている場合があります。

もし個人事業主でフードトラック事業に参入する場合は、大手企業も参入しない”スキマ”を探していく必要があるといえるでしょう。

 

他の個人事業主と手を組み、独自の「屋台村」を形成するのも手かもしれません。

実際、SNSやクラウドファンディングを利用して独自の屋台村を創るオーナーさん達もいるようです。

 

ヨッシー店長が考えるベストな移動販売開業手順

もし自分がまだ飲食店を開業していなかったら、上記を踏まえ以下の手順で移動販売事業に参入すると思います。

  1. まずは、移動販売用のフードトラックを用意する。
  2. 移動販売用の出店場所をある程度確保する。(できれば観光地で長期契約をしておく)
  3. 一人で経営する小さな固定店舗(6席程のカウンター席店舗、できれば客単価高め)をオフィス街に開業する。
  4. 固定店舗はサラリーマン向けに平日のみ営業。移動販売は土日祝のみ営業。

 

なぜこのような流れを取るかというと、以下のメリットがあるからです。

 

  • 最初にフードトラックを用意したのは、固定店舗に比べ維持費が安いから。
  • 固定店舗があることによって、自分だけの「仕込み場所」を確保できるから。
  • 場所にもよるが、観光地は土日に人を集める場所であり、移動販売に適しているから。
  • 一人で経営するカウンター席の固定店舗は、利益率が高いから。
  • 平日のオフィス街がメイン事業の移動販売者とは競合しないから。(レッドオーシャンを避ける)
  • 固定店舗が存在していれば「住所」が存在するのでネットからの流入もでき、そこから移動販売を宣伝できるから。
  • 「固定店舗では移動販売を」「移動販売では固定店舗を」それぞれ相互に宣伝することが可能だから。

 

なぜ「平日:移動販売、土日祝:固定店舗」にしていないかというと、土日祝しか固定店舗を稼働させない場合だと「経費が高くつく」からです。

固定店舗の家賃はそれなりに高額で一定額かかるので、その状況で週2~3日の稼働では勿体ないです。というか経費の無駄です。

移動販売車は週5日駐車場に停まったままでも、駐車場代はたかが知れています。(店舗家賃よりは明らかに低い)

 

上記の開業方法であれば固定店舗・移動販売関係なく、常に「人の多いところ」で商売ができます。

小さな固定店舗であれば初期投資も抑えられますし、移動販売の「仕込み場所問題」も解決します。

カウンター席店舗であれば常連さんとの距離も近くなり、「今週末は逗子海岸に出店するんですよー」と話したら『あ、俺サーフィンで行くから週末行くよ!』なんていう会話になるかもしれません。

 

とにかくポイントは「それぞれのメリットで、デメリットを打ち消す」ことですね。

上記の例は週7日労働(しかも全て一人で営業)になってしまうため、例えば平日の固定店舗は夜だけ営業、週末の移動販売は昼だけ営業、などにするのもいいかもしれません。

 

すみません、まとめがめちゃ長くなってしまいました…(^-^;)

今回の記事が何かの参考になれば幸いです。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

yoshitencho

1976年生まれの二児の父。タイ料理カフェ『カフェガパオ』のオーナー。料理担当。3DCG、Webデザイン、ネットショップなどを経験しつつ、現在は飲食業を主軸に多角度的活躍を狙う、自称「ハイパー飯屋クリエイター」。SF映画が好きで特にアメコミ系と時間軸系が好物。100mの至近距離でUFOを見たことがある。