空き家で自宅飲食店を開業する際の6つの注意点

空き家で自宅飲食店を開業する際の6つの注意点



ヨッシー店長
今後の日本では空き家ビジネスが盛んになりそうな予感。
どうもヨッシー店長です。

 

このブログを読んでいる方の中には

「将来、空き家をリノベーションして自宅飲食店を開業したい!」

と考えている人もいるかと思います。

 

たしかに空き家で自宅飲食店を開業できれば、

「開業費は極端に低く抑えることができる」

ので、メリットは大きいです。

 

仮に100万円の空き家を購入でき、リノベーション工事費に300万円かかたっとしても、実質的には400万円(設備費、備品費等は除く)で開業することができます。

実際、近年そのような空き家を購入して自宅飲食店を開業する人も増えています。

 

一見、自宅飲食店開業に向いている「空き家物件(中古物件)」ですが、気をつけないと

「ただ単に古い物件を買っただけ」

ということになりかねません。

 

ということで今回は

「空き家で自宅飲食店を開業する際の注意点」

を考えてみたいと思います。

今後、空き家で自宅飲食店を開業したいと思っている人のお役に立てば幸いです。

 

 

【1】法律・規制の確認

飲食店営業許可の取得

空き家を飲食店として営業するには、保健所から飲食店営業許可を取得する必要があります。

許可を得るためには以下の要件を満たす必要があります。

 

厨房設備の基準

  • 防水性のある床材(タイルや塗装など)
  • 十分な換気設備
  • 手洗い場の設置(洗浄と消毒が可能であること)
  • 食器洗浄機やシンクなどの適切な設備

 

衛生管理

  • 食材の保管場所の確保(冷蔵庫・冷凍庫など)
  • 害虫やネズミの侵入を防ぐ構造
  • ゴミの管理体制(密閉容器の使用など)

 

建築基準法の適合

建物が飲食店として使用可能かどうかを確認する必要があります。
※建築基準法では、建物の用途に応じた基準が定められています。

  • 住宅から飲食店に用途変更する場合、行政に変更届を提出する必要があることがあります。
  • 非常口や避難経路の設置が求められる場合があります。

 

消防法の確認

飲食店営業を行う場合、消防法に基づく安全基準を満たす必要があります。

  • 消火器の設置:指定された数を設置
  • 火災報知器の設置:厨房や客席に必要
  • 避難経路の表示:非常口を明確に示す

 

地域の条例や規制

空き家が所在する地域の条例や規制を確認する必要があります。
特に住宅地で営業する場合、以下の点に注意してください。

  • 騒音規制:営業時間や音量に配慮する
  • 臭気規制:排気設備や換気扇の向きに注意
  • 駐車スペース:近隣住民の迷惑にならないよう、適切な駐車場を確保

 

 

【2】空き家の改修

耐久性・安全性の確認

長期間使用されていなかった空き家は、老朽化が進んでいる可能性があります。
以下の点を確認し、必要に応じて補修工事を行います。

  • 屋根や外壁の状態:雨漏りやひび割れの有無
  • 基礎部分の劣化:シロアリ被害や亀裂
  • 床や柱の強度:腐食や傾きがないか

 

水回り・電気設備の整備

飲食店では厨房設備が重要です。
以下の設備が正常に機能するよう整備します。

  • 排水設備:詰まりや漏れがないこと
  • 電気配線:必要な電力を確保できること(特に大型厨房機器の使用を想定)
  • トイレ:清潔で使いやすいものを設置

 

バリアフリー対応

高齢者や障がい者にも利用しやすい環境を整備することで、幅広い客層をターゲットにできます。

  • スロープの設置
  • 段差をなくす改修
  • 広めのトイレスペース

 

 

【3】立地条件の把握

空き家の場所が集客に適しているかどうかを事前に調査します。

交通アクセス

  • 最寄り駅やバス停からの距離やアクセス方法を確認します。徒歩圏内であれば集客しやすく、遠方の場合は駐車場の確保が必須です。
  • 自転車やバイクでのアクセスを想定して、専用の駐輪スペースを設置することも重要です。

 

周辺の人口密度と顧客層

  • 周辺の居住者や働いている人々の年齢層、ライフスタイル、趣味嗜好を調査します。
  • 家族連れが多い地域であればキッズメニューや遊び場を、オフィス街であればランチメニューやテイクアウトサービスを充実させると効果的です。

 

競合の存在

  • 同業の飲食店が近隣に存在する場合、メニューの差別化やサービスの独自性が求められます。
  • 競合の営業時間や価格帯を調査し、自店舗の特徴を明確に打ち出す戦略を立てましょう。

 

視認性と雰囲気

  • 店舗が通りから見えやすい場所にあるか確認します。看板や店舗の外装を工夫して目を引くデザインにすると集客効果が上がります。
  • 空き家の独特な雰囲気を活かし、温かみのあるインテリアやテーマを設定することで地域の魅力と結びつけることも可能です。

 

周辺施設との連携

  • 観光地やイベント会場、学校、病院などが近くにある場合、その利用者をターゲットにしたメニューや割引サービスを提供するのも効果的です。
  • 地元の特産品や食材を使用して地域とのつながりをアピールします。

 

 

【4】費用面の計画

改修費用の見積もり

空き家の状態によって改修費用は大きく異なります。
初期費用を正確に把握し、資金計画を立てましょう。

  • 内装工事費(厨房、客席)
  • 水道・電気設備の工事費
  • 必要な家具や調理機器の購入費

 

固定費・変動費の把握

営業開始後の費用も見込んでおきます。

  • 家賃または固定資産税
  • 光熱費(飲食店は消費量が多くなる)
  • 仕入れコスト

 

助成金・補助金の活用

空き家活用や地域活性化のための助成金や補助金を調べ、活用しましょう。
地域の自治体に問い合わせると具体的な情報が得られます。

 

 

【5】衛生管理

衛生基準の遵守

営業中も食品衛生法に基づいた衛生管理を徹底する必要があります。

  • 定期的な清掃と消毒
  • 食材の適切な保管
  • 従業員の健康管理

 

害虫駆除

空き家ではゴキブリやネズミなどの害虫が発生している場合があります。
事前に駆除し、以下の予防策を取ります。

  • 窓や扉に防虫ネットを設置
  • ゴミ箱を密閉できるものにする
  • 定期的に専門業者による点検を依頼

 

 

【6】その他の注意点

防犯対策

空き家を飲食店として使用する場合、防犯対策を施しましょう。

  • 防犯カメラの設置
  • 照明設備の強化
  • セキュリティ会社の導入

 

近隣住民への配慮

営業前から近隣住民への説明や相談を行い、トラブルを防ぎます。

  • 営業時間を周知
  • 騒音や臭気に配慮
  • 駐車場のルールを明確化

 

 

まとめ

ここまでざっとあげてきましたが、個人的に特に注意したい点は

  • 建物が飲食店として使用可能かどうかを確認(用途地域の確認) →そもそも飲食店がやれるかどうかは一番重要です。
  • 立地条件の把握 →飲食店経営における立地選びは重要で、見込み客がそもそもいない場所で開業したら詰みます。
  • 耐久性・安全性の確認 →もしお客さんがいる営業中に大地震が起き、お客さんが怪我や亡くなったりしたら経営が終了する可能性もあります。
  • 駐車スペース →郊外であれば駐車場の確保は必須です。
  • 手洗い場の設置 →意外と保健所でダメ出しされる項目です。

ですね。

 

よく調べずに物件を購入し、いざ飲食店を開業しようと思ったら、その地域は飲食店を開業できない地域だった…。

これは一番不幸なパターンですね。

こうならないためにも、事前の注意点をしっかり見極めておきたいところです。

 

空き家を飲食店として再活用することは地域活性化や新しいビジネスチャンスにつながる魅力的なアイデアだと思います。

しかし、計画段階での十分な準備と周到な注意が必須になります。

もし少しでも不安があれば専門家や行政窓口に相談し、「失敗しない飲食店開業」を目指しましょう!

 

今回の記事が自宅飲食店を開業したい人のお役に立てば幸いです。

 

 

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1976年生まれの二児の父。タイ料理カフェ『カフェガパオ』のオーナー。料理担当。3DCG、Webデザイン、ネットショップなどを経験しつつ、現在は飲食業を主軸に多角度的活躍を狙う、自称「ハイパー飯屋クリエイター」。現在は「自宅飲食店開業の専門家」としても活動中。SF映画が好きで特にアメコミ系と時間軸系が好物。100mの至近距離でUFOを見たことがある。