自宅飲食店経営の失敗要素とは?7つの対策案で廃業予防

自宅飲食店経営の失敗要素とは?6つの対策案で廃業予防



ヨッシー店長
石橋は叩きまくってわたるタイプ。
どうもヨッシー店長です。

 

飲食業は元々廃業率の高い業種ですが、昨今の

飲食業の逆風(原材料費高騰、人件費高騰、光熱費高騰など)」

により、現在は廃業ラッシュを迎えています。

 

ちなみに

  • 開業1年目で3割
  • 開業2年目で5割
  • 開業3年目で7割

が廃業するといわれていますが、2025年現在はこの割合は増えていると思われます。

 

そんな飲食業界で、自宅飲食店は

「99%潰れない飲食店」

だと、個人的には考えています。(※オーナー本人が辞めようと思わなければ)

99%潰れない理由はこちらの記事↓をお読みください。
99%潰れない飲食店とは? ●●が廃業しない7つの理由を現役オーナーが解説

 

廃業率の低い自宅飲食店ですが、今回挙げる「失敗要素」によっては、廃業を余儀なくされる可能性もありえます。

 

ということで今回は

『自宅飲食店経営の失敗要素とは?7つの対策案で廃業予防』

と題して、自宅飲食店が失敗する要素、その対策案を考えてみたいと思います。

 

今後、自宅飲食店開業を目指している人にお役に立てば幸いです。

 

 

自宅飲食店の失敗要素

失敗要素①「集客がうまくいかない」

自宅飲食店経営が失敗する要因は、大きく分けて2つあると考えていますが、

その一つがこの

「集客がうまくいかない」

です。

 

個人的な体感では、自宅飲食店の成功・失敗は

「集客で7割は決まる」

と感じています。

 

駅前や繁華街にあるテナント店舗と違って、自宅飲食店は基本的には住宅街にあるため、人通りの絶対数が少ないです。

そのため「なんとなくフラッと立ち寄る客」も圧倒的に少ないです。

 

そうなると

「事前に認知され、『行ってみたい』と思わせる店」

に成っていないと、集客が難しくなります。

ヨッシー店長
駅前や繁華街にあるテナント店舗の集客は容易だとは思っていませんが、認知のチャンス数が違います。
自宅飲食店はこのチャンス数が圧倒的に少ないです。

 

また、以下のような問題があると、さらに集客が難しくなってくるでしょう。

  • 認知度不足:SNSやGoogleマップでの発信が弱い
  • ターゲットが曖昧:誰に向けた店なのかが明確でない
  • 立地・アクセスの問題:目立たない場所にある、駐車場が少ない
  • 口コミが少ない:リピーターや紹介が発生しにくい

 

 

失敗要素②「コンセプト・強みがぼやける」

自宅飲食店経営が失敗する、もう一つの大きな要因が

「コンセプト・強みがぼやける」

です。

 

現在の飲食市場は飽和状態(店の数が多すぎる)なので、「うちの店はこれがウリです!」というものがない飲食店は、遅かれ早かれ淘汰されます。

つまり「●●屋」「●●専門店」など特化することが重要になっています。

 

例えば、オムライスもカレーもパンケーキもやっているカフェは「何がウリになっているのかわからない」ため、見込客からは「選ばれにくい店」になってしまいます。

これが「パンケーキ専門カフェ」であれば、パンケーキの種類も豊富でしょうし、もし見映えの良いパンケーキ(例:高さ1mのパンケーキ)があれば、それを求めて『行ってみたい』という来店動機ができます。

 

90年代までは「ファミレス」や「総合居酒屋」などの多種多様なメニューを扱っている店は流行っていましたが、現在は「どうせ行くなら専門店へ」という顧客ニーズが強い世の中です。

ヨッシー店長
「専門店=失敗しない店」と考える人も多いですね。
特に若い世代では「失敗したくない」という気持ちが顕著にあります。

 

なので、

  • しっかりとコンセプト設計しないまま開業した。
  • 強み(ウリ)が無いまま開業した。

という状況だと「来店動機が無い店」になってしまいます。

 

そして来店動機が無い店は、前述した「失敗要素①「集客がうまくいかない」」に直結してきます。

恐らくどんなに集客に力を入れても、「コンセプト・強みがぼやけている」状態では、「見込客が行きたい店」になるのは難しいでしょう。

 

以下のような問題があると、さらにコンセプト・強みがぼやけてきます。

  • ありきたりなメニュー:競合との差別化がない
  • 店の個性が弱い:「ここでしか食べられない」要素がない
  • ブランド力不足:コンセプトに一貫性がなく、印象に残りにくい

 

 

失敗要素③「リピーターが増えない」

飲食業は、いわば「リピーター商売」なので、繰り返し同じ顧客に来店してもらうことが大事になってきます。

なぜなら、リーピート顧客は新規顧客よりも「獲得コストが圧倒的に低い」からです。

 

これは『1:5の法則』とも言われていますが、

「新規顧客を獲得するには、リーピート顧客の5倍のコストがかかる」

と言われています。

 

新規顧客は「獲得コストが高いにもかかわらず、利益率が低い」です。

逆にリーピート顧客は「獲得コストが低く、利益率が高い」です。

つまり、リーピート顧客を増やした方が利益率も高まり、経営も安定しやすくなります。

 

リピーターが増えない要因としては、例えば以下が考えられます。

  • 接客が雑:お客様との関係性を築けていない
  • 記憶に残らない:来店後のフォロー(SNS・LINE等)がない
  • 飽きられる:定期的なメニュー改変や新規要素がない

 

 

ここで問題です。

新規顧客が初来店し「とても美味しかった。サービスも良かった。また来よう!」と思い、満足して帰っていった。

でもその後、そのお客さんが来店することは無かった…。

さて、なぜそのお客さんは来なかったのでしょうか?

 

 

答えは、「忘れたから」です。

 

他にも理由は考えられますが、飲食店に再来店されない理由第1位は「忘れたから」です。

実はどんなに良い商品、良いサービスの飲食店でも「リピーター施策」を行わないと、リピーターは増えていきません。

 

 

失敗要素④「収益が伸びない(利益率が低い)」

次によくある失敗要素が「収益が伸びない(利益率が低い)」といったお金関係のことです。

自宅飲食店は経費が低く抑えられるとはいえ、限度があります。

やはり稼げない状態が長期で続くと、失敗する可能性は高まります。

 

収益が伸びない理由は様々ありますが、前述の「リピーター施策ができていない」ことも要因の一つです。

リーピート顧客は獲得コストが低いですし、店を好きになってもらえば「リピート率、購入金額も上がりやすい」です。

 

また、その他の収益が伸びない理由として

  • 価格設定のミス:原価計算をしっかりせずに値付けしている
  • 無駄な仕入れが多い:在庫ロスや食品ロスが発生
  • オペレーションが非効率:調理や提供に時間がかかり、人件費・手間が増える
  • 客単価が低すぎる:追加注文を促す仕組みがない

などがあります。

 

ヨッシー店長
正直、自宅飲食店を12年以上経営している自分でも「収益構造に関してはまだまだやるべきことが多い」と思っています。

特に昨今の「飲食業の逆風」を考えると、どんどん「利益の出にくい業種」になっています…(-_-;)

 

 

失敗要素⑤「運営の負担が大きすぎる」

飲食業って基本的には「体力に依存する業種」です。

長時間労働は当たり前だし、本当の意味での休みも月に1,2回取れれば良い方です。

ヨッシー店長
うちも店自体は週休2日になっていますが、実際休みにはなっておらず、その2日間も事務処理、ウェブ作業、仕込み、買い出し、販促物制作等で終わっていきます。

 

飲食業界のベースがそこであるため、本当に休んでいたらその店はやがて淘汰されていくことでしょう…。

個人・法人に限らず、飲食業はやることが本当に多いです。

デジタルである程度負担軽減になったとしても、ビジネスモデルが「労働集約型(マンパワーに依存)」なので、根本を変えることはほぼ不可能です。(精細な動きのできるAIロボットが安価で登場するまでは)

しかもこれだけ時間を取られる割に、稼げる金額は少なく(オーナーでも平均年収600万円程度)、自営業で裁量はあるものの、低所得の人も多いのが実状です。

 

それ故、

「こんだけやって、この所得じゃやってられない…」
「毎日毎日15時間労働にうんざりしてきた…」

そう思って辞めてしまう人も多いです。

 

近年では「デジタルマーケティング(ネットからの集客等)」の知識も必須になってきているので、これらを習得する時間や手間も大きくなっています。

ヨッシー店長
自分は前職がIT業なので、デジタルマーケティングに関しては得意ですが、飲食業界にいる方(特に年配の方)は不得意な人も多いように感じます。

 

2025年現在の飲食業は、ある意味

「稼げないことを承知で、本当に好きじゃないとやれない業種」

となっていると思います。

 

 

失敗要素⑥「法律・衛生面・近隣トラブル」

あと、よくある失敗が「法律・衛生面・近隣トラブル」です。

 

失敗の代表格が「食中毒」です。

少し前に『鶏レアチャーシューラーメン』で食中毒が起きましたが、食品衛生学を学んでおけば「生の鶏肉は危ない」ことはわかります。

ですが、食品衛生学の知識が薄くても飲食店は開業できてしまうのが現状です。

 

「人の生命に関わる失敗」は、ある意味一番やってはいけない失敗です。

というか場合によっては、営業停止どころか廃業、刑事事件になってしまいます…。

そういう意味では「食品衛生学は最低限学ぶ必要がある」といえますね。

 

ちなみに「保健所の基準を満たしていない場合、営業許可が下りない」などの許可問題は、保健所に指定された箇所をしっかりクリアできれば開業することは可能です。

営業許可が下りないまま開業すると「食品衛生法違反」になるので注意しましょう。

 

また、よくある失敗が「近隣トラブル」ですね。

ご近所トラブルで多いのが、「騒音」「臭い」「排煙」「害虫」「車」など。

これらの問題からクレームが起こりやすいです。

特に民家が密集している地域ではクレームが入りやすく、地域住民に気を遣う経営が求められます。

ヨッシー店長
うちでも未だに「駐車場問題」に頭を抱える日々です(-_-;)

 

一度自宅飲食店を開業してしまったら「移転することはほぼ不可能」ですので、物件を取得する前に「その物件の周りの環境をよくリサーチ」する必要があるでしょう。

 

 

失敗要素⑦「売上の柱が一本だけ(リスク分散不足)」

2025年現在、「飲食店を開業する」と言われたら、どのような経営スタイルを思い浮かべますか?

 

もし「イートイン(店内飲食)のみ」を思い浮かべるようでしたら、開業後に経営が苦しくなるかもしれません…。

 

というのも、現在の飲食業は本当に苦しい業種になっているため、

「イートイン以外の収益方法を考えていく必要がある」

と個人的には考えています。(※業種業態にもよる)

 

例えば、イートインと並行してすぐできそうな「テイクアウト」「デリバリー」以外にも、「物販」「冷凍食品販売」「ネット通販」「YouTubeなどによる広告収益」など、別の収益構造を考えていくことも必要になってくると思います。

具体的な複数の収益源は、「2025年以降の飲食店の生き残り方を現役オーナーが本気で考えてみた」という記事でも書いていますので、よかったらお読み下さい。

 

つまり複数の収益源を持っておくことによって、「廃業のリスク分散」が行えるわけです。

 

正直、現在のスタグフレーション(物価が上がっているのに賃金は上がらない)の状況下では、『飲食業以外やったことがないから自分には無理…』とか言ってられません。

飲食業に限らずですが、「新たな挑戦に挑めない人は淘汰される時代」に入っています。

 

 

自宅飲食店の失敗の対策案

※対策案に関しては、これまでの記事でも解説していますので、ざっと箇条書きで説明していきます。

 

「集客がうまくいかない」の対策案

  • 認知度アップ:Googleマップ、Instagramなどに定期的に投稿、地域イベントに出店、看板の設置
  • ターゲットを明確化:「誰に向けた店なのか」を明確にし、ペルソナに合った発信をする
  • アクセス改善:案内看板やのぼりを設置、道案内の写真をSNSに投稿
  • 口コミ対策:Googleレビュー・食べログなどで高評価を獲得するための施策を実施(来店時にレビューを促す)

 

※最新の集客方法に関してはこちら↓をお読みください。
【2025年版】お金をかけない飲食店の集客方法5選

 

「コンセプト・強みがぼやける」の対策案

  • 他店との差別化:「この店でしか食べられない」メニューや雰囲気を作る
  • ブランド力強化:店のストーリーを発信し、独自の世界観を作る
  • ターゲットに刺さる商品開発:流行を取り入れた新メニューや、コンセプトを強化

 

※コンセプト設計に関してはこちら↓をお読みください。
【2025年版】今から自宅飲食店を開業するならこの流れ!

 

「リピーターが増えない」の対策案

  • 接客の質向上:お客様との会話を大切にし、印象に残る接客をする
  • アフターフォロー:来店後にLINEやSNSでお得情報を配信し、リピートを促す
  • 飽きさせない工夫:定期的に限定メニューやイベントを実施

 

※リピーター施策に関してはこちら↓をお読みください。
【2025年版】お金をかけない飲食店の集客方法5選

 

「収益が伸びない(利益率が低い)」の対策案

  • 価格設定の見直し:原価計算を徹底し、適正価格にする
  • 食品ロス削減:食材管理アプリや発注量の最適化でロスを減らす
  • オペレーション改善:仕込みを簡略化し、提供スピードを上げる(調理機器の導入も検討)
  • 客単価アップ:セットメニュー・トッピング・デザートを提案し、注文単価を上げる

 

「運営の負担が大きすぎる」の対策案

  • デジタルツール活用:予約・注文・会計をデジタル化し、手作業を減らす
  • 業務の簡素化:メニュー数を絞る、仕込みを減らす、調理工程を統一する
  • 外部リソース活用:繁忙期だけ短時間バイトや業務委託を活用
  • 休みの確保:週1~2日は必ず休める営業スタイルにする

 

「法律・衛生面・近隣トラブル」の対策案

  • 営業許可の確認:保健所の基準を常にチェックし、違反しないようにする
  • 近隣対策:営業時間・匂い・騒音・駐車場の配慮を徹底
  • 衛生管理強化:定期的に消毒、HACCP(食品衛生管理の手法)を意識した管理

 

「売上の柱が一本だけ(リスク分散不足)」の対策案

  • テイクアウト・デリバリー強化:持ち帰り需要に対応するメニューを開発
  • ネット副業の拡大:YouTubeなどのコンテンツ制作からの広告費収入
  • サブスク導入:月額制で料理や特典を提供する仕組みを作る

 

※複数の収益化に関してはこちら↓をお読みください。
「自宅飲食店+テイクアウト+デリバリー+副業=最強」の理由

 

 

まとめ

ということで今回は『自宅飲食店経営の失敗要素とは?7つの対策案で廃業予防』と題して、自宅飲食店が失敗する要素、その対策案を考えてみました。

 

自宅飲食店は廃業率が低いとはいえ、

  • そもそもお客さんが全然来ない。
  • 開業していることを認知されていない。
  • 売上以上の経費がかかっている。(赤字)

などが続いていると、最終的には失敗(廃業)します。

 

そうならないためにも、失敗を理解し、先回りして失敗しない対策を練ることが重要になってきます。

 

自宅飲食店経営を成功させるためには、以下のポイントを押さえることも重要です。

 

  • 戦略的な計画を立てる – 収益モデルを明確にし、ターゲット層を正しく設定する。
  • 収支管理を徹底する – 原価や固定費を把握し、利益を確保する仕組みを作る。
  • 安定した集客を実現する – SNS・Googleマップ・LINE公式アカウントなどのデジタルツールを活用し、リピーターを増やす。
  • 法令を遵守する – 保健所の許可や営業届出などの手続きを適切に行い、食品衛生法に沿った運営を行う。
  • デジタルツールを活用する – 予約・注文・決済システムを導入し、効率的な運営を行う。
  • 経営者のメンタルを維持する – 売上の浮き沈みに振り回されず、柔軟なビジネスモデルを構築する。

 

大切なのは「売れる仕組み」と「無理のない運営」を両立させることですね。

今日から実践できる対策は早速行い、持続可能な経営を目指しましょう(^-^*)♪

 

 

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1976年生まれの二児の父。タイ料理カフェ『カフェガパオ』のオーナー。料理担当。3DCG、Webデザイン、ネットショップなどを経験しつつ、現在は飲食業を主軸に多角度的活躍を狙う、自称「ハイパー飯屋クリエイター」。現在は「自宅飲食店開業の専門家」としても活動中。SF映画が好きで特にアメコミ系と時間軸系が好物。100mの至近距離でUFOを見たことがある。